勉強法

教養講座「情報分析とは何か」
未読
日本語
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教養講座「情報分析とは何か」
著者
未読
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著者
出版社
定価
902円(税込)
出版日
2018年04月10日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

本書は、佐藤優氏による4回のカルチャーセンターでの講義記録がベースになっている。扱われるテーマは、国際情勢に関する分析から数学の基礎知識を学びなおす方法までと、幅広い。

本書の前半では、インテリジェンスの視点から世界がどのように見えているか、著者自身の貴重な体験談も含めて興味の尽きない出来事が次々と紹介される。わたしたちが常識と思い込んでいたことが、いかに中途半端な知識に基づいた俗説であることかを知らされるであろう。また、「情報とは何か」というテーマで考えを深めることで、物事の見え方が変わること請け合いだ。

後半では、教養と勉強法について論じられている。まず目標とすべきレベルを設定し、それに近づくアプローチがきわめて具体的に紹介される。人それぞれ目的は異なると前置きされているが、ここで提示される目標は、各科目における高校生レベルの基礎知識であって、いつセンター試験を受けても8割5分が取れるほどの学力である。新聞の読み方から教材の選び方まで、すぐにでも取り入れたいと感じるメソッドが少なくないであろう。

インテリジェンスの視点が必要なのは、独りよがりの思い込みから解き放たれて、普遍的なものの見方を獲得するためである。そうしたものの見方を身に付けたいという読者のニーズ、そして「知の巨人」と称される佐藤氏が薦める勉強法を知りたいという知的好奇心にも、本書は十分に応えてくれる。

ライター画像
しいたに

著者

佐藤 優(さとう まさる)
作家・元外務省主任分析官。1960年、東京都生まれ。85年同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。在ロシア連邦日本国大使館勤務等を経て、本省国際情報局分析第一課主任分析官として、対ロシア外交の最前線で活躍。2002年、背任と偽計業務妨害罪容疑で東京地検特捜部に逮捕され、以後東京拘置所に512日間勾留される。09年、最高裁で上告棄却、有罪が確定し、外務省を失職。05年に発表した『国家の罠』(新潮文庫)で第59回毎日出版文化賞特別賞を受賞。翌06年には『自壊する帝国』(新潮文庫)で第5回新潮ドキュメント賞、07年第38回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。『獄中記』(岩波現代文庫)、『宗教改革の物語』(角川書店)、『帝国の時代をどう生きるか』『国家の攻防/興亡』『『資本論』の核心』『日露外交』(角川新書)、『復権するマルクス』(的場昭弘氏との共著、角川新書)など著書多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    教養が身に付いている人には、勉強法が身に付いているものだ。生き残っていくための知をつけるため、つまり教養人になるためには、勉強法が必要条件である。
  • 要点
    2
    教養に至る基礎固めとなるのは、大きく分けると日本語力、古典、歴史、外国語の4つだ。
  • 要点
    3
    日本語力は、基礎教育によって養うことができる。基礎教育とは、高校の教科書レベルのことを指す。大学センター試験の問題で、常に8割5分以上を取れる程度の学力をキープしておくことが重要だ。

要約

〈情報〉とは何か

インフォメーションとインテリジェンス

インフォメーションとは、周りにある情報すべてのことを指す。新聞はインフォメーションだ。それに対して、秘密情報はインテリジェンスである。

「情報」という言葉は、intelligenceの訳語で、軍事用語で敵情報告という意味であった。しかし現在では、情報という言葉はもっと一般的な、インフォメーションという意味で使われている。

インフォメーションとインテリジェンスの違いは、情報の濃度、密度、幅、指向性にある。インフォメーションには必ずインテリジェンスの要素があり、インテリジェンスはインフォメーションをベースにしなければ成立しないという相関関係だ。

【必読ポイント!】 勉強とは何か

キンドルを使った勉強法
Christian Horz/iStock/Thinkstock

教養が身に付いている人は、勉強法が身に付いているものだ。生き残っていくための知をつけるため、つまり教養人になるためには、勉強法が必要条件なのである。

今後の勉強法に必要なツールは、電子書籍だ。著者はキンドルの英語版とソニーリーダーを持っている。

なぜiPadやスマホではなく、キンドルでなければならないのか。それは、キンドルには、ゲームやメールといった手軽な誘惑がないからだ。読書に特化していて、さらに紙の本に近い感覚で読めるから、電子書籍はキンドルで読むのがよい。

キンドルには、持ち運ぶ図書館としてちょうどいいぐらいの量の本を入れておける。紙の本で読んだうえで、常時携帯したいと思う本だけをキンドルの中にダウンロードしておくとよい。大量の本を入れすぎてもいけないし、読んでもいない本を入れても意味はない。読んでいなくても入れておく価値があるのは、辞書と、聖書などの宗教経典だけだ。

各教科のⅡまで学ぼう

勉強法に関しては、中等教育レベル、つまり高校のカリキュラムを全部消化することをめざせばよい。それができている人はほとんどいない。その背景には、ゆとり教育がある。

ゆとり教育によって、カリキュラムの範囲が狭くなってしまった。最初から数Ⅲをやらない、倫理、物理Ⅱ、地学ⅠⅡ、生物Ⅱをやらないといったことが起きている。すべての教科をⅡまで完了させることが、本来の国際基準の中等教育終了である。

放送大学で数学を学ぶ
peshkov/iStock/Thinkstock

著者は最近、数学の勉強法に関する質問を受けることが多い。数学においては、小学校レベルの算数がクリアできているか否かがカギになるという。

小学校レベルまでは習得できていたが、中学校あたりから怪しいところが出てきて、高校数学は放棄してしまったという人も多いだろう。文系なら、試験のときは教科書の章末問題を丸暗記しておけば6割は取れるものだ。そうした人たちが数学をやり直すときには、どうすればいいか。

著者は、いろいろと考えてみた結果、そうした人たちには放送大学を薦めるという。放送大学の教材になっている、隈部正博さんの『新訂初歩からの数学』は、中学レベルの数学から大学工学部1年生の秋くらいまでの内容を網羅している。具体的には、数の概念から始まり、式と計算、有理数、実数、方程式と不等式、図形の性質、関係と関数、関数の性質、さまざまな関数、三角関数、場合の数、数列、極限、微分、積分といった具合だ。

放送大学は、原則としては入学しないと聴けないことになっている。しかし、いくつか無料で聴けるものもあり、前述の『新訂初歩からの数学』は無料講義に含まれている。入学金を支払う必要はなく、教科書さえ入手すればよい。

講義の進め方に工夫がある点もすばらしい。この講義のアシスタントは、大人になってから放送大学の学部と大学院を出て、放送大学で修士を取り、東京農工大で博士号まで取った人だ。彼女が講師にいろいろな質問をして、詳細な説明を促してくれる。中学レベルの数学を復習し、修士、博士となった人のプロセスが追体験できる仕組みになっているのだ。

この講座の内容をマスターすれば、高校レベルまでの数学は完了したとみなしてよいだろう。

スタディサプリを活用する
seb_ra/iStock/Thinkstock

数学を学びなおすといっても、高度なレベルの数学的な考え方を習得したいわけではなく、計算を復習したいだけだという方もいることだろう。

そうした人に対して著者は、リクルートが配信しているインターネット予備校の「スタディサプリ」を薦める。スタディサプリは、大学センター入試を受ける人の2分の1が購入しているといわれているもので、センター試験がある科目のすべてが準備されている。全10回の講義をどれも見放題で、1カ月あたりの費用は980円だ。

科目でいうと、現代文や古文・漢文、世界史、日本史、英文解釈、英文法、英作文、数学ⅠA・ⅡBなどの内容が充実している。特に数学は50回、英語は30回程度に分けて、レベルごとに複数の講座が用意されている。数学が苦手な人を対象としたコースは、予習が不要である。授業の途中で計算が必要な場面に差し掛かると、講師から「ここで動画を止めて自分で計算してください」と指示が出される。こうした指示に従って毎日1時間ずつ勉強していれば、半年程度で高校2年生までの数学知識がつくことだろう。数学に対して苦手意識があるが、高校レベルの基礎知識は身につけたい人には、スタディサプリのスタンダードレベルがお薦めだ。

スタディサプリについては、世界史もお薦めしたい。重要な年号の覚え方のコツをレクチャーしてくれるし、受験生が興味を持てるように解説にいろいろな工夫をしてくれている。

ビジネスパーソンが読書によって歴史を学ぼうとすると、相当の時間と労力がかかってしまう。我々は受験生ではないのだから、スタディサプリをうまく活用し、テレビの連続ドラマを観るように楽しめばいいだろう。

スタディサプリでは、勉強の進捗をデータで可視化してくれる点もよい。勉強させるために、あらゆる工夫をこらしているのだ。

教養とは何か

新聞の読み方

新聞を読めるようになるためには、新聞読みがうまい人から技法を盗むのがよい。著者は、池上彰さんの新聞の読み方を真似ることを薦めている。

池上さんは、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、日本経済新聞、毎日小学生新聞、中国新聞、信濃毎日新聞、SANKEI EXPRESS(2016年3月末に休刊)を購読している。それらに加えて、街に出た際には、駅のキヨスクで東京新聞と産経新聞を購入する。

購読している9紙については、朝、見出しとリードのみを読む。20分くらいで、どのようなニュースがどういう論調で掲載されているかを確認するという。夜には、再度新聞をチェックして、重要な記事だけを破って袋に入れる。袋に入れた記事は、最低でも1週間寝かせておき、その後に必要な記事だけをクリッピングすることを習慣としている。

なお、池上さんは、電子版の新聞は読まない。広告が出ていないからだ。特に書籍広告を重要な情報源だとみなしている。

この池上さんの読み方を真似るにあたっては、ベースになるツールが必要となる。池上さんが薦めているのは、世界史Aの教科書を読むことだ。世界史Aの教科書は、実業学校の生徒に向けてつくられており、社会に出ていかに役立つかという観点から編集されているからだ。だから、実務につながる構成になっているという。

日本語力

教養に至る基礎固めは、大きく分けると4点になる。1番目は、日本語力、つまり論理力だ。基礎教育によって日本語力をつけておかなければならない。基礎教育とは、高校の教科書レベルだ。高校の教科書に掲載されている事柄については理解できなければならない。

高校レベルの知識をどの程度習得しているかをチェックするには、大学センター試験の問題集を解いてみればよい。大学センター試験の問題で、8割5分以上を常時取れる程度の学力をキープしておくことが重要だ。

秘密のノート

高校までの基礎知識をつける際には、高校生ができる程度なのだから大変なはずはないと思ってしまいがちだ。しかし、そのプライドは一度括弧の中に入れよう。高校レベルの知識、中学レベルの知識に欠損があるということを認めるのだ。

どの科目のどこができていない、といったことがわかれば、それを自分だけの秘密のノートにまとめておくとよい。欠損を提示することで、欠損は半ば解決しているといえる。欠損を認められれば、あとは、仕事の合間にどの程度本を読めるか、勉強ができるかにかかっている。

古典
pinkomelet/iStock/Thinkstock

次に、古典である。文学でも歴史でも哲学でもよいので、読み継がれている本を読むことだ。

著者が薦めているのは、自分がこの古典の立場に立つとしたら、どのようにものが見えるか、そこからどう読み解くかという錨(アンカー)になれる古典的著作を2つ持つことである。古典に内在する論理を自分の中でそれなりに体得できるようになると、その古典に成り代わって、その立場から物事を言えるようになるという。

アンカーとなる古典に出会うためには、ダイジェスト版を見るのがよい。黙読でさらさらとみて、自分の性に合いそうなものを入手しよう。それを読み込み、自分にとってのベースとなる古典にするのである。

歴史と外国語

3番目は、歴史である。特定のテーマに突出した知識は必要なく、総合知につながる通史である。著者のお薦めは、岩波書店の『岩波講座日本歴史』と『岩波講座世界歴史』の第一版だ。

4番目は、外国語だ。これは、知識を立体化させるために必要だという。なかでも著者は、共通語である英語を薦める。関心のある文献について、英語で読む力をつけておかなければならない。

近年、単語はネットで調べられるようになった。とはいえ、最低限の単語は記憶しておかなければならない。最低限というのは6000程度で、『システム英単語』と『システム英単語Basic』、『試験にでる英単語』で勉強するとよい。

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