優れた発想はなぜゴミ箱に捨てられるのか?の表紙

優れた発想はなぜゴミ箱に捨てられるのか?

限界を突破するTOCイノベーションプロセス


本書の要点

  • プロセスを踏めば、誰でも世界を変えるイノベーターになれる。そのプロセスは3つからなる。

  • ステップ1「価値を創る」:WOW!をもたらす価値を発見し、そのコンセプトを既存のカタログに落とし込む。

  • ステップ2「価値を伝える」:顧客の立場になって商品の価値を検証し、まだ世の中にない商品のコンセプトをどうやって広めていくかを検討する。

  • ステップ3「実現への道のりを創る」:みんなの知恵を結集してWOW!と言わせるイノベーションを実現する。

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イノベーションを生み出すプロセス「E4V」

イノベーションが生まれない理由

従来の考え方しか知らない人たちにとって、新しい発想を適切に評価し、受け入れるのは難しい。発想が優れていればいるほど、その可能性は高い。なぜなら、企画にYESと言うには責任が伴うが、NOは無責任に発することができるからだ。そのため、どうしてもYESという答えは出しづらく、NOばかりになる。結果として、優れた発想はゴミ箱に捨てられてしまう。

プロセスさえあればイノベーターになれる

Ekaterina-84/gettyimages

本書で紹介するTOCイノベーションプロセス「E4V(Eyes for Value)」は、世の中にWOW!と言わせるイノベーションを創り出すために開発された。世界的ベストセラー『ザ・ゴール』の著者であるエリヤフ・ゴールドラット博士が開発した全体最適のマネジメント理論TOC(Theory of Constraints:制約理論)の知識体系の粋を集め、アイデアの発想から事業化してイノベーションを起こすまでの全プロセスを網羅している。博士は、「プロセスさえあれば、誰でも世界を変えるイノベーターになれる」と言う。本要約では、そのプロセスを3つのステップに分けて紹介する。

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【必読ポイント!】ステップ1:価値を創る

3つの目で価値を見つける

どんなに優れた商品でも、顧客に価値をもたらさなければ、世の中にイノベーションを起こすことはできない。ゴールドラット博士によると「価値は、顧客にとって重要な限界を、過去には不可能だった方法で、他のどの競合もできなかったレベルで取り除くことで、もたらされるもの」である。つまりイノベーションとは、世間の常識を打ち破り、顧客に「そんなことできるの!?」というWOW!をもたらすものだ。WOW!をもたらす価値を発見するために役立つのが、「価値を見つける3つの目」だ。1つ目は「顧客の目」である。顧客の立場に立ち、望ましくない現象(マイナス)を考えよう。そして、どのマイナスを消せばWOW!という価値につながるのかを考えてみる。次に「市場の目」だ。マニアやオタクなど一部の人だけが、ありとあらゆる苦労を重ねることで満たしている要望がある。そんな要望を簡単に満たせる方法があれば、イノベーションにつながるはずだ。最後に「商品の目」である。

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要約公開日 2019.06.20
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