万年筆バイブル

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万年筆バイブル
ジャンル
出版社
定価
1,650円(税込)
出版日
2019年04月10日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

ネット全盛のこの時代に万年筆の魅力が見直され、人気が復活していることをご存知だろうか。

本書の著者は、伊東道風氏。文房具専門店「伊東屋」にて、仕入れや販売、修理、デザインなど、万年筆に関わるさまざまなメンバーが作り出した、架空の人物である。本書では、シンプルなのに複雑で、知れば知るほどに取り憑かれるという万年筆の魅力が、日々顧客と向き合う彼らならではの視点で書かれている。

万年筆の人気はなぜ復活したのか。その理由は、小さなボディに繊細で科学的な構造が詰め込まれていること、自分だけの1本を育てていく楽しみがあることなどさまざまであるという。そして、その最も大きな理由は、「“万年筆”を知れば、毎日が、人生が変わる」ことだそう。

著者によると、日常を変えてしまうほど万年筆を使いこなすには、使う側の知識も大切になってくるという。読者は本書を通して、万年筆やインクの選び方、その仕組みと科学、各国の万年筆の特徴などを知るにつれ、必ず万年筆がほしくなる。そして、「人生が変わる」という言葉の意味を理解していくことだろう。

章の合間に掲載されている「パイロット工場見学ツアー 万年筆ができるまで」はオールカラーでわかりやすく、巻末の「万年筆の200年史」も各年代の情報が多く含まれており、非常に読み応えがある。文房具愛好家の方にとってはたまらない一冊だろう。もちろん、初めて万年筆を買おうとしている方や、既に万年筆を愛用しており、万年筆への理解を深めたい方など、多くの読者にとって有益な一冊となっている。

ライター画像
小嶋平康

著者

伊東 道風(いとう みちかぜ)
明治37(1904)年創業、文房具専門店「伊東屋」にて万年筆やインクのデザイン、販売、修理、仕入れに関わるメンバーによって生み出された架空の人物名。名前は、平安中期の名書家にして和様の開祖、三蹟の一人と称えられる小野道風(894〜967)にちなむ。

本書の要点

  • 要点
    1
    万年筆は、ネットショッピングではなく、実際に自分の目と手で確かめて選ぶべきだ。なぜなら、万年筆にはさまざまな選択要素があり、ユーザーによって好みが分かれるからだ。
  • 要点
    2
    万年筆の仕組みは、大きく見れば単純であるが、細かく見ると非常に複雑だ。ペン先は「万年筆の頭脳」、ペン芯は「万年筆の心臓」と呼ばれている。
  • 要点
    3
    2本目以降の万年筆は、デザインの好みで選んでもいい。デザインが好みであれば、楽しく使えるし、どんどん書きたくなるはずだ。

要約

【必読ポイント!】 「自分だけの1本」の選び方

万年筆売り場へようこそ
ilkercelik/gettyimages

万年筆が気になっていても、「買っても使わないのでは」「ちょっと面倒くさそう」と購入を躊躇する方もいるかもしれない。そんな方にはあえて、まずは万年筆を一本購入してみることを勧める。ネットショッピングではなく、少し大きな文房具店にある、万年筆専用の売り場に足を運んでみよう。万年筆はデザイン、持ちやすさ、書き心地、インクの流れるスピードやコストパフォーマンスなど、さまざまな選択要素があり、ユーザーによって好みが分かれる。だから、実際に試し書きをして選んでみてほしい。

いざ文房具店に行ってみると、ショーケースに入ったコーナーと直接手にとれる棚に陳列しているコーナーがあることに気付くだろう。それは「高級筆記具」と「事務用筆記具」、すなわちペン先の素材の違いだ。ペン先が金でできているか鉄製のものかによって分けることができる。

高級筆記具としての万年筆のペン先には金が使われるが、その一番の理由は耐久性にある。ペン先に金を使うと、鉄製のものと比べて錆びにくく、長持ちするのだ。金は軟らかいため、万年筆独特の書き味を生み出すという理由もある。

座標軸の原点となる1本を選ぶ

初めて万年筆の試し書きをする方には、国内製の1万円台の商品がお勧めだ。なぜなら、この価格帯の商品は、高級筆記具の中で最も安価な商品だからだ。広く売り出すことが前提となっているので、性別問わず多くのユーザーにフィットしやすい。手に持ってみると、長すぎず短すぎず、太すぎも細すぎもしないだろう。具体的には、パイロットコーポレーションの「カスタム74」、セーラー万年筆の「プロフィットスタンダード」、プラチナ万年筆の「#3776センチュリー」がお勧めである。

まずはこの3本を試して、座標軸の「原点」にしてみよう。別の万年筆を試しつつ、「この万年筆はさっきより、自分にとって重い(あるいは軽い)」「最初のものより書きやすい(書きにくい)」と、座標上に点を打っていく。この作業を繰り返していくうちに、自分にとってベストな1本に出会えるはずだ。

字幅を選ぶ

原点となる万年筆を選んだら、次は文字の太さ(字幅)を選ぶ。字幅は万年筆ごとに異なるため、万年筆を選んだ後に変えるのは難しい。

字幅には、大きくF(細字)、M(中字)、B(太字)の3つがある。そしてこの3つの間を埋めるように、Fより細いEF(極細)、FとMの間のFMあるいはMF、Bより太いBBとさまざまに分かれている。なお、これらの名称はメーカーによって異なるものであることに注意したい。

字幅を選ぶにはまず、自分が使いたいシーンをイメージし、「どのような紙に何を書くことが多いのか」を考えてみる。小型のメモ帳にスケジュールを書き込むのか、それともA4判の紙に手紙を書くのか……。用途にあまりこだわっていないなら、細い字幅を選んでおくと無難だろう。

書き味で選ぶ
artisteer/gettyimages

万年筆について書かれている文章で、しばしば「書き味がいい」という言葉を目にする。では「書き味」とは、具体的にどのような感覚を指すのか。

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