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実践!インサイトセールスの表紙

実践!インサイトセールス

AIに駆逐されない営業力


本書の要点

  • 現代は、製品・サービスの機能や価値が高くても売りづらい時代である。売り手側は環境に適応し、営業のあり方を変化させなければならない。

  • 「インサイトセールス」では、顧客の価値観に沿い、「観点」「共感」「意思」をもって、経営トップの抱いている経営理念や事業ビジョンを傾聴し、それらを実現するための提案を行う。

  • 経営トップが身を乗り出して聞きたくなるような提案を行うために、営業パーソンは、事実や経験に基づいた良質な仮説を立てる必要がある。

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今までのやり方では、モノが売れない

モノが売れない時代の新たな営業手法

営業における現在の市場状況は、売り手側の立場が買い手側の立場よりも、圧倒的に弱い状況である。つまり、製品・サービスの機能や価値を、価格に反映させにくい時代といえる。このような時代にモノを売るには、売り手側は、環境に適応し、営業のあり方を変化させなければならない。

そこで向かうべき新しい営業のあり方が、「インサイトセールス」だ。インサイトセールスとは、顧客のビジョンの実現を支援するものである。そして、顧客が認識できていない環境変化を捉え、それを踏まえた先回りの提案を行うことを意味する。インサイトセールスで顧客から傾聴すべきことは、顧客の経営理念や事業のビジョンである。顧客のニーズは、最終的に経営理念や事業ビジョンにつながっているためだ。

従来の営業活動の「4つの間違い」

Szepy/gettyimages

営業スタイルは、戦後の「商品力の時代」から、経済成長期の「個人力の営業の時代」を経て、「ソリューション営業の時代」へと変化してきた。しかし、従来型の営業活動の方法には、4つの間違いがある。その間違いとは、「見込客を探すことが近道」「自社商品やサービスの特長を伝えることが大事」「自社実績の豊富さが大事」「顧客の困り事を聞き出せば刺さる提案ができる」というものだ。

なぜ間違いなのか。まず、すでに購買意欲を持っている見込客への営業だけをめざすと、条件競争に巻き込まれてしまう。潜在的課題を抱えている顧客にこそアプローチすべきだ。また、商談の場で、自社商品の素晴らしさや豊富な自社実績を強調するだけでは、顧客に興味を持ってもらうことは難しく、受注を勝ち取れない。語るべきは顧客の経営理念や事業ビジョンについてだ。

インサイトセールスのポイントは、顧客の経営理念や事業ビジョンを聞き出し、その中に自社の提案を位置づけることだ。自社の提案により強い意味を持たせるためには、他社とは異なるアプローチが必要となる。そのアプローチ方法こそがインサイトセールスである。

変化させるべき4つのポイント

インサイトセールスに取り組むにあたり、変化させるべきポイントは次の4つとなる。ターゲット企業、提案の中身、会うべき相手、話の中身だ。

これからは未来に向けた提案が大切である。インサイトセールスの場合は、まずは顧客の経営理念や事業ビジョンを徹底的に傾聴することが必要となる。そのうえで、そのビジョンを実現させるのに必要な課題解決策を提案する。相手の経営者から経営理念やビジョンを聞き、経営者の考え方をしっかり理解する。こうした過程を経たうえでの提案だからこそ、成果を勝ちとれる。

また、担当者を攻略しても受注はできないという点にも留意したい。攻めるべきは、会社レベルで経営理念や事業ビジョンを最も熱く語れる人物、つまり経営者自身である。

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【必読ポイント!】 インサイトセールスとは何か

顧客の「ありたい姿への共感」が受注につながる

Gearstd/gettyimages

インサイトとは、直訳すれば「洞察」「見識」を意味する。インサイトセールスとは、顧客すら気づいていない顧客の課題を見つけ、顧客と合意して行っていく営業を指す。

インサイトセールスのコンセプトは、究極的には「顧客の価値観に沿った営業を行う」ことだ。顧客のビジョンの実現に向けた提案を行うこと。また顧客が晒されている外部環境の変化を先回りした、先見性のある提案を行うこと。この2つが重要なポイントとなる。

人間は、過去や現在よりも、未来に目を向ける方がワクワクした気持ちになるものだ。だからこそ営業パーソンは、目先の問題解決のための提案にとどまらず、顧客が描く将来の「ありたい姿」の実現をめざした提案をすべきである。

経営トップにアプローチせよ

経営者は、自分の経営理念やビジョンを語りたいものだ。しかし、それを話す機会は限られている。よって、経営に対する思いを傾聴してくれる営業パーソンの存在は、経営者にとって歓迎すべきものだ。しかし、現実には、経営者との関係構築を実行している営業パーソンはほとんどいない。

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要約公開日 2019.07.23
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