マツダ
心を燃やす逆転の経営

未 読
マツダ
ジャンル
著者
山中浩之
出版社
定価
1,600円 (税抜)
出版日
2019年05月01日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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マツダ
マツダ
心を燃やす逆転の経営
著者
山中浩之
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定価
1,600円 (税抜)
出版日
2019年05月01日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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レビュー

一昔前、「マツダ地獄」という言葉があった。安さにつられてマツダのクルマを買うと、クルマを買い換えようとしても下取りが安くてなかなか買い換えられず、結局は比較的下取り価格が高いマツダで次も買わざるを得ない――そんな現象を揶揄したものだ。経営不振に陥ったマツダが、一時期フォードの傘下にいたことを覚えている人もいるだろう。

ところがそんなマツダのイメージが、いま変わりつつある。クルマに詳しい人の間で、マツダといえば「独自路線」というイメージが固まりつつあり、安さからではなく「マツダに乗りたい」と思う人が増えてきているのだ。一時は巨額の損失を出し、不名誉な称号まで得てしまったマツダ。そんなマツダがどうやって業績を回復させ、ブランドのイメージを変革したのか。

本書はマツダ変革の立役者、金井誠太元会長へのインタビューをもとに構成されている。金井氏は一貫してマツダらしさにこだわりつつも、現場で感じた問題を自らの手で根本的に解決していった。その仕事ぶり、そしてマツダの走る喜びの飽くなき追求に触れてみてほしい。クルマ好きにはもちろんのこと、経営戦略という観点からも示唆に富んだ一冊だ。

池田 明季哉

著者

山中 浩之 (やまなか ひろゆき)
日経ビジネス、日経クリック、日経パソコンなどの編集を経て、日経ビジネス編集部シニア・エディター。仕事のモットーは「永遠のド素人」。面白くて、ためになり、読んで元気が出る記事を書きたいと念じている。自分のクルマはシュツットガルトで生まれて当年25歳になるワゴン。

本書の要点

  • 要点
    1
    かつてのマツダは「個性」にこだわるあまり、技術を積み上げていくことや、統一的なブランディングづくりが苦手であった。
  • 要点
    2
    世界基準で戦える技術を目指した「モノ造り革新」では、長期的な計画を立てながら理想のクルマを追求し、見事に成功を収めた。
  • 要点
    3
    マツダのクルマのイメージは変わりつつある。値段ではなく、質を評価して購入してくれる層が増えている。

要約

【必読ポイント!】 見た目が似ているのに「個性」が売り

「個性」の追求から生まれていた無駄
Hirkophoto/gettyimages

2012~2018年の間に発売されたマツダの車(通称「第6世代」)は、どれも似ている。そう聞くと「個性がない」という印象を抱くかもしれない。しかしむしろマツダのクルマは、昔から「個性」が売り物だ。印象的なデザインの「赤いコスモ」、昭和のマツダの代表格ともいえる「サバンナ RX-7」、1980年代に出て最初に日本カー・オブ・ザ・イヤーをとった「赤いファミリア」、オープンカーブームを作った「ユーノス・ロードスター」など、マツダからは「記憶に残るクルマ」が数多く生まれている。

しかし金井誠太元会長(以下、金井氏)は当時、技術者としてマツダの「個性」溢れるクルマを誇らしく思う一方で、歯がゆくも感じていた。たとえば「ルーチェ」という車種の場合、1代目は欧州車らしいデザイン、2代目はマッチョな米国車のような外観、3代目はヨーロピアン調と、振れ幅が極端に大きかった。「個性」を求めた結果とはいえ、これでは「ルーチェ」がどういう商品なのかが伝わらず、継続的なファンも生まれにくい。さらにエンジニアが「個性」にこだわるあまり、共有しても差し支えのないパーツまで新規に開発し、無駄につながったことも多々あったそうだ。

「マツダのクルマは似ている」は褒め言葉

「個性」重視で成功体験を積み上げてきたマツダだが、バブル時期の自動車市場の拡大にも支えられ、フルラインアップ化も試みていた。企業体力に大きな差があるトヨタや日産と張り合うためだ。金井氏は当時の様子について、「会社の方針が定まっていなかったがために、どの部署も本来の力を発揮できていない状態だった」と振り返る。

こうした状況を変えるため、金井氏は2005年に「マツダが目指すクルマは、インコース高めのストライク」と宣言した。この発言の背景には、それまで無秩序に「個性」を追求してきた社内の雰囲気を変え、マツダとしての統一した「個性」をつくりあげるという狙いがあった。

この方針に沿って開発されたのが、前述した第6世代のクルマだ。だからこそ金井氏にとっては、「マツダだとわかるが車名がわからない」という声は褒め言葉なのである。

残らない技術、売れないクルマを造る虚しさ

マツダがすべてを新規で造る「オールニュー」を好んでいた頃は、新技術の提案が通りやすかったと金井氏は振り返る。だがぽっと出の思いつきだと、なかなかその後「残る技術」にはならない。入念に計画せずに走り出してしまい、設計が基本から間違っていると判明することもままあった。

その結果が、たとえばユーノス800開発の大幅な遅延につながった。新技術をふんだんに取り入れたものの、バブル景気が去ってからの発売となってしまったのだ。クルマ単体としては評価されたものの、この頃から金井氏は「売れないクルマを一生懸命開発するのは虚しい」と思うようになったという。

拡大策の破綻とフォード傘下での経営合理化始動

不名誉な称号「マツダ地獄」
Gerasimov174/gettyimages

マツダの拡大策は破綻し、大幅な値引きで台数を支えることになった。値引きに釣られてマツダ車を買うと下取りが安く、結局は相対的に高く買い取ってくれるマツダで買い替えるしかなくなる。いつまでも安いマツダ車にしか乗れない状況を指し、「マツダ地獄」という不名誉な言葉も生まれた。

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