教養としてのアート 投資としてのアート

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教養としてのアート 投資としてのアート
ジャンル
著者
徳光健治
出版社
クロスメディア・パブリッシング 出版社ページへ
定価
1,480円 (税抜)
出版日
2019年04月21日
評点
総合
4.0
明瞭性
3.5
革新性
4.0
応用性
4.5
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徳光健治
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定価
1,480円 (税抜)
出版日
2019年04月21日
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4.0
明瞭性
3.5
革新性
4.0
応用性
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レビュー

資産としてアート作品を保有している人はどのくらいいるだろうか。最近だと株式会社ZOZOの前澤友作氏が高額な作品を落札したことが話題になったが、いまのところ一部の層に限られているのが実態だろう。しかし本書によると、アート・マーケットは確実に広がっており、一般層でも手軽に購入できるところまできているという。

じつは日本人は世界一のアート好きと言われている。そのくらい日本人は頻繁に美術館に行き、アート鑑賞を楽しんでいる。そんな国民性にもかかわらず、アートのもつ「資産的な価値」はなかなか認知されていない。海外では若い世代でも積極的にアート作品を購入し、長期的に保有することが一般的だ。わが国でもアートの知識さえ広まれば、同様の現象が起こるだろう。マーケットが拡大しているいまこそ、アート投資について学び、コレクションをスタートしてみてはいかがだろうか。

本書は現代アート投資の仕組みや現状を詳細に解説した指南書だ。実際にアート投資を始めるとなると、なかなかハードルが高く感じられるかもしれない。しかしアート・マーケットの現状を学べるというだけでも、読んでおいて損はない一冊と言えるだろう。

山下 あすみ

著者

徳光 健治(とくみつ けんじ)
株式会社タグボート 代表取締役
山口大学卒業後、双日、アーサー・アンダーセン、サイバードなどを経て、アジア最大級の現代アートのオンライン販売「tagboat」を運営するほか、銀座にもギャラリースペースを構える。日本の現代アート市場拡大のため、一般の方にも気軽に買える機会をつくるべく奮闘中。 とくに若手アーティストがプロとして活躍できる環境づくりに力を入れている。

本書の要点

  • 要点
    1
    現代アートでは、視覚的な美しさや稀少性に価値があるのではなく、アーティストが作品を通してコンセプトを表現することに価値がある。
  • 要点
    2
    アートを資産として買いたいのであれば、最初に学ぶべきは価格の上がる仕組みだ。現代の社会を代弁する、絶対的なオリジナリティを持つ作品でなければ、評価されることはない。
  • 要点
    3
    アート作品は正しく買えば、長期的には大きな値上がりも期待できる。まずは10万円程度の作品からコレクションをスタートしてみるとよい。

要約

アート・マーケットの現在地

現代アートとはなにか
Snap2Art_RF/gettyimages

美術館で印象派の作品を観ると、具体的に人や風景が描かれているため、それがなにかは明白だ。しかし現代アートの作品の場合は作者の意図が理解しにくく、「分からないもの」として放置されやすい。

じつは専門家でも、現代アートのコンセプトをすぐに理解できるわけではない。だからこそおもしろいし、より知りたいという探求心を刺激する。

ひとつ言えるのは、マルセル・デュシャンというアーティストがコンセプチュアル・アートという概念をつくって以降、技法や造形美だけでなく、「作品をコンセプトで表現する」ことが現代アートでは重要視されているということだ。

デュシャンといえば「泉」という作品が有名である。これは男性小便器にサインをしただけの作品だが、美術史ではもっとも重要な作品のひとつとして数えられている。1917年、デュシャンはニューヨークのアンデパンダン展にこの作品を送り付けた。それまでの美術界では視覚的な美しさや稀少性が価値と見なされていたため、「泉」は世間に強烈なインパクトを残した。観る者に「芸術とはなにか」を見直させたのである。

デュシャンの登場以降、20世紀以降の多くの芸術家は「なにを芸術の中で表現するのか」を模索するようになった。加えてさまざまな表現が可能となったことで、美術の技術的なバックグラウンドがない人でも作品をつくれるようになり、表現者の数が爆発的に増えた。そして作品が増えたことにより、販売業者やマーケットの拡大も起きている。

海外アート・マーケットのいま

世界のアート・マーケットはいま、8兆円を超える規模にまで成長している。そのうち40%が米国だが、日本は1%にも満たない。日本ではバブル崩壊以降、「アートは資産価値を下げてしまうもの」と認識されてしまったことも影響していると考えられる。

一方で世界には、1社で日本のアート・マーケット全体を超える売上のギャラリーがいくつも存在する。村上隆などを取り扱う世界最大手のガゴシアン・ギャラリーや、草間彌生などを取り扱うデイヴィッド・ツヴィルナーが代表的だ。大手のギャラリーで取引される作品は値下がりもなく、安定した価値がある。こうしたギャラリーで販売される作品をプライマリーマーケットと呼び、オークションなどでの取引をセカンダリーマーケットと呼ぶ。

【必読ポイント!】 投資としてのアート

株よりもアートのほうが投資効率は高い?
Olesya22/gettyimages

アート・マーケットの拡大は、投資としてアートの価値が向上していることを意味する。正しい知識と情報をもって購入すれば、投資としてのリターンが高いということだ。

アート作品はいったんブームに火がつくと、驚くほど価格が上昇する。数年で価格が数十倍以上になる作品も珍しくない。売買手数料はオークションハウスだと15~20%もするが、賢く買えれば、株式投資よりもうまみがある。実際に富裕層は、アートを資産全体のポートフォリオの5%程度で運用していることが多い。

重要なのは「発明品」と「インパクト」

購入した後に評価が上がる作品には、共通の特徴がある。「発明品である」こと、そして「インパクトが大きい」ことだ。

ここでの「発明品」とは、どこかで見たことがあるものではなく、美術史のどこにも存在しなかった技法、制作方法、コンセプトであることを意味する。一方で「インパクト」とは、単純に見た目のことではなく、

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産業・業界 リベラルアーツ
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