ニュータイプの時代

新時代を生き抜く24の思考・行動様式
未読
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新時代を生き抜く24の思考・行動様式
著者
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ニュータイプの時代
著者
出版社
ダイヤモンド社

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出版日
2019年07月03日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.5
革新性
3.5
応用性
4.5
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おすすめポイント

「正解を出す力に、もはや価値はない」。本書の著者が発するのは、従来エリートとされてきた人物像が、急速に価値を失いつつあるというメッセージだ。20世紀の後半から21世紀の初頭にかけて高く評価されてきた人材は、人々の不満や不便、不安の解決に長けた人材である。しかし、モノやサービスが過剰に供給される現在、人々が不満や不便を感じる場面は減る一方だ。それに伴い、問題解決のニーズも減少している。

そのような時代に必要とされる「ニュータイプ」の人材とは、どのような思考・行動様式を持つのか? 著者はその疑問に明快に答えてくれる。

ニュータイプは、従来の優秀な人物像とは対極ともいえる。「正解を探す」のではなく、「問題を探す」。未来を「予測する」のではなく「構想する」。ルールに従って無批判に行動するのではなく、「自らの道徳観に従う」。その姿は時にわがままにも見えることだろう。しかも、キャリアの構築においては、「1つの組織に留まる」のではなく、複数の「組織間を越境する」ことでリスクを分散し、自らが高い評価を得られるフィールドを選択する。こうして、計画された偶発性のもとに、しなやかに生きていくのだ。

著者は、不確実な時代を歩む、すべての働く人に、これからの時代のキャリア戦略を提示してくれる。「今のキャリアを歩み続けてよいのだろうか」とお悩みの方は、ぜひ本書を手に取り、思考・行動をアップデートしてみてほしい。

ライター画像
狩野詔子

著者

山口 周(やまぐち しゅう)
1970年東京都生まれ。独立研究者、著作家、パブリックスピーカー。ライプニッツ代表。慶應義塾大学文学部哲学科、同大学院文学研究科修了。電通、ボストン コンサルティング グループ等で戦略策定、文化政策、組織開発などに従事。
『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』(光文社新書)でビジネス書大賞2018準大賞、 HRアワード2018最優秀賞(書籍部門)を受賞。その他の著書に、『劣化するオッサン社会の処方箋』『世界で最もイノベーティブな組織の作り方』『外資系コンサルの知的生産術』『グーグルに勝つ広告モデル』(岡本一郎名義)(以上、光文社新書)、『外資系コンサルのスライド作成術』(東洋経済新報社)、『知的戦闘力を高める 独学の技法』(ダイヤモンド社)、『武器になる哲学』(KADOKAWA)など。神奈川県葉山町に在住。

本書の要点

  • 要点
    1
    20世紀的な優秀さは、今後は「オールドタイプ」として急速に価値を失っていく。求められるのは、「自由で直感的、わがまま」なニュータイプの人材である。
  • 要点
    2
    ニュータイプの人材は、既存の不満や不便を解消する「課題解決者」ではなく、まだ気づいていない問題を見出し、その問題を解消するための仕組みを提案する「課題設定者」である。
  • 要点
    3
    無意味な仕事が蔓延する現代においては、モチベーションは希少な経営資源だ。ニュータイプの人材は、仕事に意味を与え、人々のモチベーションを高めることで、組織の潜在能力を引き出していく。

要約

これから活躍する人材要件「ニュータイプ」とは?

20世紀的優秀さの終焉
Wavebreakmedia/gettyimages

望ましい人材の要件は、時代における社会構造やテクノロジーによって規定される。20世紀においては、従順で論理的かつ、勤勉で責任感が強い人材こそが優秀だとされてきた。しかし、このような20世紀的な優秀さは、今後は「オールドタイプ」として急速に価値を失っていくだろう。一方、「オールドタイプ」の対極として、自由で直感的、わがままで好奇心の強い人材、すなわち「ニュータイプ」が、今後は大きな価値を生み出し、豊かな人生を送ることになる。

いま問題となっているのは、これまで「オールドタイプ」が発揮してきた思考や行動によって、資本主義というシステムが生み出す問題が拡大再生産されているという点だ。例えば世界中で深刻化している「ゴミ」問題だ。これは、量的な向上を是とする「オールドタイプ」的な思考・行動が生み出した負の結果といえる。

「従来の望ましい人材要件=オールドタイプ」から「今後の望ましい人材要件=ニュータイプ」へ。このシフトを促している大きな社会の変化(メガトレンド)が6つ存在する。本要約ではその一部を紹介する。

飽和するモノと枯渇する意味

私たちは「モノ」が過剰で、「意味」が貴重な時代を生きている。「モノ」はその過剰さゆえに、その価値を徐々に減少させていく。一方で、「意味」はその希少さゆえに価値を持つ。これが21世紀という時代の特徴だ。このような時代には、「役に立つモノ」を生産し続けようとするオールドタイプは、価値を失っていく一方である。そのかたわら、希少な「意味」を与えることができるニュータイプの価値はいっそう高まっていく。

問題の希少化

「モノ」の過剰化は、「問題の希少化」という事態を生み出す。「モノ」が溢れかえる時代において、人々が不満・不便・不安を感じることは減ってきている。つまり、「問題が希少になってきている」のだ。

かつて高く評価された「問題解決者(プロブレムソルバー)」は、大きく価値を減損する。その一方で、まだ世の中の誰も気づいていない問題を見出し、それを解消する仕組みを提起する「課題設定者(アジェンダシェイパー)」は大きな価値を生むことになるだろう。

クソ仕事の蔓延

「モノの過剰化」「問題の希少化」というメガトレンドの掛け合わせは、「意味のない仕事の蔓延」という事態を引き起こす。イギリスの経済学者ケインズは、1930年に著した論文で、こう予言している。「100年後には、週に15時間働けば十分に生きていける社会がやってくる」

しかしこの予言は実現せず、私たちの労働時間は100年前とほとんど変わっていない。労働の需要が減少しているにもかかわらず、労働の供給量は変わらない。そのため、多くの人が意義や意味のない仕事、「虚業的労働」に携わらざるを得ないのだ。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの社会人類学教授、デヴィッド・グレーバーはこれを「クソ仕事(Bullshit Jobs)」と呼んでいる。

ひたすら高い生産性と量的成果を追求するオールドタイプは、無意味な仕事の泥沼に陥っていく。対して、仕事の目的・意味を形成し、仕事の価値を言語化・構造化できるニュータイプは、大きな価値を生み出していく。

【必読ポイント!】 ニュータイプの価値創造

革新的な解決策よりも優れた「課題」
tadamichi/gettyimages

ニュータイプは、手段としてのイノベーションや技術にはこだわらない。「課題の設定とその解決」にフォーカスを絞る。

いたずらに先端的なテクノロジーを追い求めても、イノベーションを起こせない。それを示す典型例が、電動二輪車のセグウェイだ。21世紀の初頭において「世紀の大発明」といわれ、鳴り物入りで市場に登場したにもかかわらず、売上は冴えなかった。

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要約公開日 2019.08.26
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