若いときは物事を単純に判断しがちだ。「自分の話にきちんと反応をしてくれる友達はいいヤツだ」などと考え、自分を理解してくれない人との交流を避けてしまう。
著者もそうだった。社会に出て家庭を築いてからもなお、他者を「賢くて素晴らしい人」と「まったく理解できない人」に分けてしまうクセがあったのだ。
著者はあるとき、「人間」というテーマの重要性に気づいた。どのような仕事に就いていようと、人間とは一生関わり続けなければならない。ならば、人間に関する知識を身につけることは何かしらの役に立つのではないかと。その上でまず、直感的に「理解できない」と感じてしまうタイプの人間について研究することにした。
研究の結果、人の性格は大きく4つに分けられるという結論に至った。すなわち赤タイプ、黄タイプ、緑タイプ、青タイプだ。本書はこれら4つのタイプの基本的な性格と、それぞれのタイプのうまくコミュニケーションを取るためのヒントを解説している。
まず、赤タイプだ。赤タイプは行動力があり、威勢がいい。他のタイプの人なら怖気(おじけ)づいてしまうような大きな目標を掲げていて、常に全力で達成に向かって走っている。自らの力を過小評価せず、頑張ればどんな目標でも達成できると考えているタイプだ。
赤タイプの性格が強い人はタスク志向型、外交的だ。挑戦を好み、決断は早く、主導権を握る。リスクを追うことを厭(いと)わない。皆の指揮をとり、最前線にいたがる。要するに、リーダー向きの性格だ。
赤タイプはやる気にあふれており、障害にも積極的に立ち向かっていく。競合相手がいるときに最大限の力を発揮するので、会社の社長や国の首相に赤タイプの性格が多く見られる。
赤タイプの行動には、競争心が伴っている。常に何かを勝ち取ってやろうと意気込んでいるのだ。
黄タイプの性格は、「楽観的」「人生を肯定する人」「明るい人生観を持った人」「可能性を秘めた人」などと説明できる。
黄タイプにとって、人生はパーティーのようなものだ。何につけても最大限に楽しもうとし、楽しんでいたい、常に笑っていたいという気持ちが彼らを動かす。
黄タイプの人は、わかりやすい。常におしゃべりをしている人、質問をするより答えてばかりの人、それも誰も質問していないことに答えている人だ。彼らは、どのタイプよりも人に好かれるタイプだと言ってもいいだろう。
黄タイプは、感情タイプとも言い換えられる。決断力がある点は赤タイプに似ているが、その決断の理由を述べることはめったにない。「これでいいと思った」と言うくらいだ。
緑タイプは、一番平凡で、どこにでもいるタイプの人だ。
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