日本国・不安の研究
「医療・介護産業」のタブーに斬りこむ!

未 読
日本国・不安の研究
ジャンル
著者
猪瀬直樹
出版社
定価
1,600円 (税抜)
出版日
2020年01月14日
評点
総合
3.5
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.0
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日本国・不安の研究
「医療・介護産業」のタブーに斬りこむ!
著者
猪瀬直樹
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出版社
定価
1,600円 (税抜)
出版日
2020年01月14日
評点
総合
3.5
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
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レビュー

人生100年時代といわれて久しい。リタイアしてからも長い人生が待っているのだ。その人生をどう謳歌するか楽しみな反面、年を重ねるごとに増してくるのが健康不安である。

医療費と介護費は、年々増加している。2018年度の概算医療費は、前年度に比べ0.8%増加し、過去最高を更新した。高齢化などに伴い、今後も医療費は膨らむ見通しである。政府は、これまで1割負担だった75歳以上が加入する後期高齢者医療の窓口負担を、2割に引き上げる方向で調整している。

本書の著者は、元東京都知事の猪瀬直樹氏だ。自身が都知事として医療・介護問題に携わってきた経験から、その問題点を提議し、解決方法を探っている。

病院に全くお世話にならないという人は、そういないだろう。それだけ身近であるにもかかわらず、業界の裏側を知ることは難しいものだ。

本書は、そんな医療・介護業界の裏側を見せてくれる。あわせて、医療費などの費用面の打開策でありながら、副産物として国民がより健康的に、より幸せになれる効率的な構造改革が提案される。民間の力でも、医療費・介護費問題を動かしていくことは可能なのだ。

今後も医療費と介護費は増加していくだろう。自分の人生を謳歌するためにも、今、向き合いたい問題である。

中山寒稀

著者

猪瀬直樹(いのせ なおき)
作家。1946年、長野県生まれ。
1987年『ミカドの肖像』で第18回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。『日本国の研究』で1996年度文藝春秋読者賞受賞。2002年6月末、小泉首相より道路関係四公団民営化推進委員会委員に任命される。2007年6月、東京都副知事に任命される。2012年12月、東京都知事に就任。2013年12月、辞任。2015年12月、大阪府・市特別顧問就任。
主な著書に『天皇の影法師』『昭和16年夏の敗戦』(以上、中公文庫)、『ペルソナ 三島由紀夫伝』(文春文庫)、『黒船の世紀』(角川ソフィア文庫)、『猪瀬直樹著作集「日本の近代」全12巻』(小学館)。

本書の要点

  • 要点
    1
    日本のGDPのうち、医療費と介護費でおよそ1割を占めている。少子化にともない、医療・介護が成長産業になっていくことは間違いない。
  • 要点
    2
    NICUの設置と維持には莫大な費用がかかる。それによって生じた赤字は、ほかの部局で稼いだ分や税金で補填されている。
  • 要点
    3
    人口1000人当たりの精神病床数の推移を国別に比較してみると、日本はダントツで世界一だ。グループホームなど、退院した患者の受け皿が求められている。
  • 要点
    4
    医療と介護の領域が分断されていることにより、非効率でコスト高となり、サービスも分断されてしまっている。

要約

【必読ポイント!】不透明な国民医療費

医療・介護業界の現状

日本のGDP550兆円のうち、医療費が43兆円、介護費が12兆円を占めている。医療・介護業界に雇用されている人材は60万人だ。自動車関連の製造費出荷額が55兆円、雇用が550万人だから、その大きさがわかるだろう。

医療・介護は、その内実がわかりにくいことが課題の一つだ。大半が税と保険で賄われているため、市場のチェック機能がはたらかない。自動車とは異なり、AI導入などで効率化を進めることができず、人件費の比重が7割にも達している。

少子化が進むにつれ、医療・介護の分野が成長産業になっていくのは間違いないだろう。誰しも、人生100年時代の後半部分は医療・介護産業に託すことになる。

増え続ける医療費
wichayada suwanachun/gettyimages

現在の国民医療費は43兆円、介護費は12兆円である。団塊世代が後期高齢者になる2025年には、医療費が48兆円、介護費が15兆円と、さらに膨らむことが予想されている。

例えば、初期の糖尿病は自覚症状がなく、気づかずに放っておくと重篤化(じゅうとくか)する。33万人を超える腎臓(じんぞう)透析患者のほとんどが、糖尿病の悪化に起因するものだ。腎臓透析の患者の自己負担はゼロに近く、1人に年間550万円の費用がかかる。そして、透析患者は年々増えており、わずか20年で倍増した。

透析患者にかかる費用から垣間見られるように、この10年間でGDPはほぼ横ばいであるにもかかわらず、国民医療費は3割近く増えている。

妊婦の受け入れ拒否は、なぜ起こったか
Motortion/gettyimages

著者が東京都副知事になった翌年、病院から受け入れを拒否された重症妊婦が死亡するという出来事があった。8か所の病院で断られ、1時間以上が経過したのちに、やっと受け入れ先が決まったのだ。その後、胎児の命は助かったものの、妊婦は亡くなった。同じような事件が以前にも起きていることを知った著者は、東京都周産期医療体制整備プロジェクトチームを立ち上げることを決めた。

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