ゴールドマン・サックス流 女性社員の育て方、教えます

励まし方、評価方法、伝え方 10ケ条
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ゴールドマン・サックス流 女性社員の育て方、教えます
出版社
中央公論新社

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出版日
2020年07月10日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

本書は、ウーマノミクスを提唱した著者による一冊だ。今日、人材獲得競争が激化する中、他社との差別化や離職防止策を考える上で、女性活躍やダイバーシティの推進は重要なポイントになる。また、消費者のニーズが多様化した現代においては、企業が市場で生き抜いていくために「既存のプロセスを効率化する力」よりも「顧客が求めるものを新たに創り出す力」が要求されるようになってきた。女性をはじめとした多様な人材の視点や能力を活用し、彼ら彼女らの発想を取り入れることが、企業の成長に繋がる。

本書には、優秀な女性社員を育成し、彼女らに会社に対して愛着を持ってもらい、さらに仕事のパフォーマンスを上げてもらうために、上司や経営層は何をすればいいのかが記されている。本書で紹介される、ゴールドマン・サックスで実施されている女性活躍推進のための施策の数々は、あなたが働いている職場・企業の人材活用を考える際のヒントを与えてくれるだろう。女性の部下をもつ方だけではなく、多様性ある職場づくりを検討されている方にも参考になるはずだ。

また本書は、「自分の会社はなんだか働きにくいようだ」と感じている方にもおすすめである。グローバル企業における多様性や女性活躍推進の取り組みを知ることで、自社の施策に何が足りないのか、どのような点を改善すればいいのかがわかるのではないだろうか。

ライター画像
狩野詔子

著者

キャシー松井(Kathy Matsui)
1965年米国生まれ。ハーバード大学卒業、ジョンズ・ホプキンズ大学大学院修了。90年バークレイズ証券、94年ゴールドマン・サックス証券入社。99年に「ウーマノミクス」を発表し、日本政府が打ち出した「女性活躍」の裏付けになる。『インスティテューショナル・インベスター』誌日本株式投資戦略部門アナリストランキングで1位を獲得。2015年から現職。チーフ日本株ストラテジストとして活躍する一方、アジア女子大学の理事会メンバーも務める。1男1女の母。

本書の要点

  • 要点
    1
    ゴールドマン・サックスでは、経営戦略として多様性を推進している。ダイバーシティの推進に取り組むことは、企業の未来への投資となるからだ。
  • 要点
    2
    女性に昇進・昇格を辞退されても、簡単に引き下がってはならない。「責任を持ってサポートするから心配しないで」などと励まして、後押ししよう。女性管理職が活躍すれば、後輩も後に続いてくれる。
  • 要点
    3
    社内外のネットワークは、女性の離職防止につながる。同じようにがんばっている仲間の存在が、大きな励みになるからだ。

要約

女性活躍はトップダウンで

女性の活躍が阻まれる国、日本

少子高齢化が進む中、近い将来、日本の働き手は足りなくなる。このような時代において、人手不足の最も手っ取り早い解決策は、優秀な女性に仕事を担ってもらうことだ。

一方で、世界各国の男女平等の度合いをランキング化した「ジェンダー・ギャップ指数」の2019年の結果では、日本は調査対象153カ国のうち121位というきわめて低い結果に終わった。先進国の中では最下位で、同じ東アジアの中国や韓国よりも男女間の格差が開いているとされている。「日本という国は、どんなに優秀な人材でも、女性であるというだけで活躍が阻まれやすい社会なのだ」という事実が、このランキングによって浮き彫りになってしまった形だ。

付け焼き刃的な施策では何も変わらない
AzmanL/gettyimages

理屈では「女性活躍推進」が重要だとわかっていても、本音では「どうも女性の部下は扱いにくくて……」と感じている男性も少なくないのではないだろうか。著者は、仕事の能力においては男女差よりも圧倒的に個人差のほうが大きいと感じているが、男性と女性の間にある種の性差があるのもまた事実だ。

セクハラ、パワハラ、マタハラは論外として、経営者層がいまだに前時代的な考えを持ち、女性を軽んじ、女性の活躍を妨害するような企業には、優秀な女性は集まらない。トップの考え方が消極的なのに、組織が女性活用に成功することはありえないのだ。上層部が「わが社は男女の別を問わず、優秀な人材を集め、活用する会社を目指す」という姿勢と指針を示さなければ、人事部をはじめ、従業員の意識は変えられない。

女性活躍を推進していると見せかけ、「なんちゃってウーマノミクス推進」とでもいうような、付け焼き刃の取り組みに終始している企業も散見される。たとえば、ダイバーシティ推進を謳うチームを設立し、そのリーダーとして女性を選任して、女性社員が話し合う様子を企業のウェブサイトにアップする……これで活動完了、といったケースだ。

このような取り組みを行っても、成果が出ていなければ意味はない。離職率の抑制や、女性の採用数の増加など、自社課題の解決に必要なアクションを取るべきだ。

ゴールドマン・サックスにおけるダイバーシティの考え方

経営戦略としてのダイバーシティ

著者が所属するゴールドマン・サックスは、1990年代半ばから、経営戦略としてダイバーシティに取り組んできた。ダイバーシティとは、ジェンダーや人種の違いだけでなく、国籍、宗教、年齢、障がいの有無、性的指向や性自認、学歴や価値観などといった「考え方の多様性」を広く受け入れ、多様な人材を社内に取り込むことで企業の競争力の向上につなげようとする考え方をいう。

たとえばゴールドマン・サックスでは、新たに人材を採用する際や、新しいポストに人材を登用しようとする際には、候補者リストに必ず男女が混在していなければならない。それによって、多様性の確保と、登用機会の公平性を期しているのだ。

なぜダイバーシティを推進するのか
PeopleImages/gettyimages

ゴールドマン・サックスがダイバーシティを推進する理由として、以下の3点が挙げられる。

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要約公開日 2020.11.02
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