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本書の要点

  • コーチングは、“答えは必ず相手の中にある”という信念のもと、問いを2人の間に置き、一緒に探索し、その中で相手の発見をうながすものである。

  • 実際に相手が行動をおこしたかどうかがコーチングの成果を測る唯一の基準である。そのために、相手の自発性を尊重するとともに、行動に関してはいかなるいいわけをも受けつけないことを明言する。

  • チームのマネジメントにコーチングを活用する場合は、異論反論をチームや組織の発展という共通の目標に向けての貴重な情報として扱う。信頼は異論反論を許し合う中でこそ育まれるのである。

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人の主体性を活かすコーチング

コーチングが求められる3つの理由

fizkes/gettyimages

2000年に『コーチングが人を活かす』を執筆した当時、著者は次の3つの理由からこれからコーチングが必要とされるだろうと考えていた。

1つ目は、“何が正解かが簡単に見つけられなくなってきている”こと。前例のない課題を解決するためには、部下や後輩に指示を与えるのではなく、問いを投げかけ、一緒に解を探り出していくようなアプローチが必要である。

2つ目は、“組織における多様性の拡大”である。世代、国籍、ジェンダーなど組織の中の多様性は拡大している。価値観を異にする人と方向性を合わせ、共に未来を描いていかなければならない。

3つ目は、“イノベーションを求める声の高まり”である。上司は部下の挑戦をうながすために、問いを投げかけ、彼ら彼女らの視座を上げ、視野を広げ、視点を変える必要がある。

コーチングは、これらの「3つのチャレンジ」に貢献し得る。そして、20年を経た現在の日本で、この3つはより重要度を増している。

広がる、コーチングの貢献領域

ここ20年間でコーチングが求められる領域が飛躍的に広がってきた。

たとえば“スポーツの世界”。熾烈な競争で、コーチや監督でも解を見出し、選手にアドバイスするのは簡単なことではない。また、チームスポーツであれば多様な国の人をマネジメントする必要がある。そして、勝利のためには新しい発想や戦略が不可欠だ。

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要約公開日 2020.11.29
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