経営者のノート

会社の「あり方」と「やり方」を定める100の指針
未読
日本語
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会社の「あり方」と「やり方」を定める100の指針
未読
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経営者のノート
出版社
定価
1,540円(税込)
出版日
2020年06月21日
評点
総合
3.5
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

あなたにとって「いい会社」とは、どんな会社だろうか。あるいは起業するなら、どんな会社にしたいだろうか。多くの場合、判断基準になるのは「お金」だろう。高い収益を上げる会社、株価が上がる会社、社員や幹部の報酬が高い会社、といった具合だ。ならば、会社がいちばん大切にしなければならないのはお金、あるいはお金をもたらす顧客のはずだ。しかし、こう言い切ってしまうことに、何か違和感を覚えないだろうか。

本書はこれまで8,000社以上に訪問調査やアドバイスをしてきた、ベストセラーシリーズ『日本でいちばん大切にしたい会社』の著者でもある坂本光司氏が、優良企業の経営者から得た気付きを100の「金言」としてまとめたものだ。これらの金言が示す方向性は一見、合理性や効率と正反対だ。本書によれば、会社がいちばん大切にすべきなのは社員とその家族であり、顧客はその次であるという。また会社とは「人を幸せにするための、人が幸せになるための場所」と定義されている。最先端の経営理論に慣れた方が本書を読めば、松下幸之助や本田宗一郎といった昭和の名経営者たちを思い浮かべるかもしれない。

しかし、本書を時代遅れのノスタルジックな書と位置づけてしまうのは早計だ。会社の存在価値とは何か、会社を存続させるにはどうすればいいのか。その答えは数値や理論ではカバーできない「あり方」にあると言ってもいい。本書の価値は、新型コロナウイルスの感染拡大であらゆる会社が存亡の機にある今こそ、ますます高まっているのではないだろうか。

ライター画像
ヨコヤマノボル

著者

坂本光司(さかもと こうじ)
1947年、静岡県(焼津市)生まれ。経営学者。静岡文化芸術大学教授や法政大学大学院教授などを歴任。現在は、人を大切にする経営学会会長、千葉商科大学大学院商学研究科中小企業人本経営(EMBA)プログラム長、日本でいちばん大切にしたい会社大賞審査委員長、他公職多数。
徹底した現場研究者であり、この50年間で訪問調査・アドバイスをした企業は8000社以上となる。
専門は中小起業経営論・地域経済論・福祉産業論。
近著
『日本でいちばん大切にしたい会社7』2020年 あさ出版
『ニッポン子育てしやすい会社』2019年 商業界
『日本でいちばん女性がいきいきする会社』2019年 潮出版社
『いい経営理念が会社を変える』2018年 ラグーナ出版
『日本でいちばん大切にしたい会社6』2018年 あさ出版
『人を大切にする経営学講義』2017年 PHP研究所
『強く生きたいあなたへ』2016年 WAVE出版
『さらば価格競争』2016年 商業界
『日本でいちばん大切にしたい会社5』2016年 あさ出版
『日本でいちばん社員のやる気が上がる会社』2016年 ちくま新書
『「日本でいちばん大切にしたい会社」がわかる100の指標』2015年 朝日新書

本書の要点

  • 要点
    1
    どんな組織体であれ、最も重要かつ大切なものは活動目的だ。目的とは、何のために、誰のためにといった、その活動の原点であり使命である。
  • 要点
    2
    決断は経営者の使命であり責任である。決断に際しては、損得や勝ち負けではなく、どうするのが正しいことなのか、自然なことなのかを基準とすべきだ。
  • 要点
    3
    企業の最大の商品は社員である。なぜなら、価値ある商品やサービスを創造・提案してくれるのは社員だからだ。

要約

企業の「あり方」について

目的がすべて

企業をはじめ、どんな組織体であっても、そこで行われる活動や事業は目的・手段・結果の3つによって構成されている。目的は、何のために、誰のためにといった、その活動の原点であり使命だ。手段は目的を実現するための方法、結果は活動の成果である。

どのような組織体であれ、この3つのなかで最も重要かつ大切なものは、目的だ。それなのに、手段や結果にばかり気を取られ、誤った方向に進んでいる企業が多くある。成果のために手段を選ばないような経営をしているから、わが国の企業は停滞してしまっているのだ。

企業経営の最大の目的・使命
metamorworks/gettyimages

企業経営の最大の目的・使命は、企業に関係する人々の幸せの追求・実現である。業績や勝ち負け、シェアや業界ランキングも確かに重要だ。だがそれは、「関係する人々の幸せ」を実現するための通過点にすぎない。業績や勝ち負けを過度に重視したり、それらを目的にしたりすると、本来幸せにすべき人を、結果のための道具やコストと評価・位置づけることになってしまう。

業績や勝ち負けのための手段・道具のように位置づけられた人が、属する組織のために、価値ある仕事をしてくれるはずがない。逆に、真に大切にされていると実感した人は、属する組織のために一生懸命になってくれるものだ。

「五方良し」の経営

企業経営において、とりわけその幸せを追求・実現しなければならない人が5人いる。第1は、社員とその家族。第2は、社外社員とその家族(取引先・協力企業など)。第3は、現在顧客と未来顧客。第4は、地域住民、とりわけ障がい者など社会的弱者。第5は、株主・支援機関などだ。

これはつまり、売り手良し・買い手良し・世間良しの「三方良し」ではなく、いわば「五方良し」の経営である。「三方良し」の経営と異なるのは、企業・経営者・株主という「売り手」の「良し」ではなく、社員の「良し」を重視するとともに、社員の家族も同様に重視する点だ。また、取引先・協力企業も幸せづくりの対象として明確に位置づけている。加えて、単に世間ではなく、地域住民、とりわけ障がい者など社会的弱者を幸せにする経営が必要であることを明示し、企業に求めている点も重要だ。この5人の幸せを最大目的にし、この5人が幸せを実感できる経営こそ、正しい経営である。

【必読ポイント!】経営者の「あり方」について

経営理念の重要性

経営理念とは企業の存在目的であり、「わが社は何を通じて、世のため人のために貢献するか」を社内外に伝える宣言文だ。よい経営理念がない企業、経営理念が全社員に浸透していない企業は、方向舵のない船や飛行機と同じだ。経営理念とは、全社員をはじめとする関係者が共感・共鳴できるような、心に響く内容でなければならない。

心に響くような経営理念を持たない企業には、社員も顧客も集まらない。誰しも、幸せになりたいと思い、生き、働いているのだから。

社員を幸せに導く決断
PeopleImages/gettyimages

「やるか・やらないか」「右に行くか・左に行くか」といった最終決断ができないのなら、経営者としては失格である。しかし決断を誤れば、多くの社員やその家族を路頭に迷わせてしまうことになる。

どうすれば、社員を幸せに導く決断ができるのか。何より大切なのは、損得や勝ち負けとは別のモノサシで判断することだ。決断すべき事柄を冷静に分析して、企業が幸せにすべき5人にとってどうするのが正しいことなのか、どうすることが自然なのかを基準にする。決して、自社や自分の都合をモノサシにしてはならない。

過去よりも未来

一流の人でも、そうでない人でも、与えられた時間は同じである。人は皆、1日は24時間、1年は365日だ。

では、一流といわれる人とそうでない人は、どこが違うのか。

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