News Dietの表紙

News Diet

情報があふれる世界でよりよく生きる方法


本書の要点

  • ニュースは事実を切り取りはするが、それらの因果関係を説明はしない。ニュースにより得た情報量が多ければ多いほど、その情報は理解や集中力の妨げになる。

  • ニュースの多くが自分でコントロールできない事象である。こういった情報に対し、脳は「受け身」となり、行動を起こそうとする意欲が失われる。自分が影響を与えることができる範囲にのみ注目すべきだ。

  • 「関心を持つ」ことは「行動を起こす」ことである。世界の惨事に関心を持つふりをして何も行動せず、いたずらにメディアを利するよりも、被災者などへの寄付を検討する方がよほど賢明である。

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【必読ポイント!】 ニュースダイエットに挑戦しよう

ニュースで得られる虚妄の満足感

rclassenlayouts/gettyimages

著者はニュースをよく読む人物で、ニュース中毒といってもいいような生活を送っていた。元々は、新聞や雑誌だったが、1990年代に入り、インターネットが普及すると、さらにニュースを読み漁るようになった。

インターネットの台頭に伴い、新聞社や雑誌社は独自のサイトやメールマガジン、ポッドキャストの配信を始め、著者はそれらを入手することで常に最新の情報を得ているという満足感に浸っていた。

こうしておよそ1万時間、ニュースを読むのに費やしたあとに、著者にある疑問が浮かんだ。「ニュースのおかげで、私は世界をもっとよく理解できるようになっただろうか? 良い決断ができるようになっただろうか?」というものだ。答えは両方ともノーであった。

そのことに気がついてからも、著者はニュースを読むのを止めることができなかった。初めはニュースと距離を取るために、1日にニュースサイトへアクセスする回数を制限したり、読む新聞の数を減らしたりしようとした。しかし、関連するリンクをクリックするのを我慢できずに、うまく距離を取ることができなかった。

そこで一念発起し、ニュースを完全に断つことを決心した。それはとても困難な試みであった。その間、著者は「ニュースとは何か」「ニュースの魅力」「ニュースを消費している時の脳の働き」などを考え抜いたという。

ダイエットは徹底的に

RichLegg/gettyimages

ニュースを断つにはどのようにしたらよいだろうか。ニュースダイエットを決断し、一番辛いのは最初の1週間である。初めのうちは、ニュースが読みたくてソワソワすることだろう。しかし徹底的にニュースを断つのが重要である。

ニュースを読みたくなった際には、「30日過ぎたら、ニュースを読んでもいい」と自分に言い聞かせながら、断つとよい。30日という期間は、ニュースを読まなくても自分の生活に影響がないことを実感するには十分な時間である。

全てのニュースを断つ方法が極端だと感じる場合には、

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要約公開日 2021.05.07
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