1 on 1ミーティング

「対話の質」が組織の強さを決める
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おすすめポイント

ウィズコロナの時代にさらに注目を浴びている1on1。本書は2017年3月に刊行された『ヤフーの1on1』に続く1on1シリーズ第2弾である。あれから3年以上経ち、1on1を導入した、もしくは導入を検討している企業は確実に増えているだろう。

新しい概念が広がっていく過程では、伝言ゲームのように「いつの間にか本質が変わって伝わっていた」ということが起きやすい。著者はあるとき、1on1を始めたいという人から、「1on1には流儀があるそうだが、どの流儀でやったらいいのか」と質問されて戸惑ったという。なぜなら1on1には流儀などないからだ。1on1の最大の目的は、対話で部下のやる気を引き出し、成長を促して組織の成果につなげることである。そのため、やり方は各々の組織によってさまざまで当然なのだ。

昨今1on1ブームが過熱している。そんな中で著者は、あらためて1on1の本質を伝えたいという思いから、再び筆をとったという。本書は、企業の導入事例やロールプレイのスクリプト、専門家との対談による知見が詰まった、1on1の総合ガイドブックだ。1on1の前後の時間がいかに充実するかという「場外効果」についてもふれられている。1on1を始めたが「意外と難しい」「効果が上がらない」といった悩みにも、本書は十分応えてくれる。

上司と部下との信頼関係は、いつの時代も企業の生命線である。1on1導入や継続に悩む管理職層・人事担当者にとって、本書は確かな足場を築いてくれるだろう。

ライター画像
矢羽野晶子

著者

本間浩輔(ほんま こうすけ)
Zホールディングス株式会社 執行役員
立教大学大学院 経営学専攻 リーダーシップ開発コース 客員教授
法政大学大学院 イノベーション・マネジメント研究科 客員教授
1968年神奈川県生まれ。早稲田大学卒業後、野村総合研究所に入社。コンサルタントを経て、2000年、スポーツナビ(現ワイズ・スポーツ)の創業に参画。同社がヤフーに傘下入りした後は、ヤフースポーツのプロデューサー等を担当。2014年執行役員、取締役、常務執行役員(コーポレート管掌)を経て、2021年より現職。著書に『ヤフーの1on1』(ダイヤモンド社)、『会社の中はジレンマだらけ 現場マネジャー「決断」のトレーニング』(中原淳・立教大学教授との共著。光文社新書)、『残業の9割はいらない ヤフーが実践する幸せな働き方』(光文社新書)がある。

吉澤幸太(よしざわ こうた)
ヤフー株式会社 ピープル・デベロップメント統括本部 ビジネスパートナーPD本部
2005年にサービス企画職としてヤフーに入社。主にメディアサービスのプロデューサーとして提携事業やコンテンツ調達の仕事に携わる。2012年の経営体制刷新に伴い人事部門へ異動。新人事制度に即した組織開発と人材育成を推進する中で、特に1on1ミーティングの導入と浸透の推進役を担う。現在は部門担当人事として、特に管理職育成や全社横断的な勉強会などの企画運営に注力。また、ダイヤモンド社をはじめ社外での講師経験も多数。主に1on1ミーティングを活用した組織・人材開発を通じ、さまざまなビジネスシーンへのサポート活動を実践している。

本書の要点

  • 要点
    1
    上司と部下の対話である1on1では、上司は聞き役に徹して、1on1を部下のための時間にしなければならない。
  • 要点
    2
    1on1の目的は、「部下と信頼関係を築く」「部下の経験学習を促す」「部下のモチベーションを上げる」などがある。
  • 要点
    3
    1on1の効果を上げるためには、時間は短くとも頻度が高い方がいい。週に1回10分だけでも、とにかく続けることである。

要約

あらためて1on1とは何か

部下のための時間
PrathanChorruangsak/gettyimages

1on1とは上司と部下の間で行う1対1の対話である。ヤフーでは原則週1回30分、上司が聞き役に徹して部下の話を傾聴する。

「いいからやれ!」「見て覚えろ!」という上司は少なくなった。しかしそれは表面的で、実際の振る舞いの本質は変わっていないと、著者は見ている。1on1を導入している企業でも、上司による詰問の場になっているケースや、部下が上司の求める言葉のみを発しているケースは少なくない。

本来の1on1とそれらの違いは、「部下のための時間」であるか否かだ。上司たちは、いつの間にか身につけてしまった強権的な振る舞いを、1on1でも踏襲してしまっている。

こうしたマネジメントでは人は動かない。かつての日本では、上司が部下に正解を教えられただろう。しかし、不確実性の高い現在、上司と部下がともに最適解を探さなければ、業務の遂行や利益の獲得は難しい。1on1はそのために必要なコミュニケーションである。リモートワークのもと、上司と部下との信頼関係の構築の仕方や、評価をどう下していくかという人的マネジメントもますます課題となっている。

2012年以降、ヤフーでは8年以上にわたって1on1を続けてきた。それは、多くの社員が「わざわざ時間を割いてでもやる価値がある」ことを実感しているからだ。

1on1の目的

部下との信頼関係を構築する

本書では、1on1の代表的な目的が6つに整理されている。要約ではそのうち3つを紹介しよう。

1つめは、「部下との信頼関係の構築」だ。働き方改革が浸透し、ジョブ型雇用の重要性が指摘されるなど、現代は「個が尊重される」時代である。「信頼」は、組織の成果を高めるキーワードになるだろう。

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要約公開日 2021.05.27
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