アフターコロナのマーケティング戦略

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アフターコロナのマーケティング戦略
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アフターコロナのマーケティング戦略
出版社
ダイヤモンド社

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定価
1,650円(税込)
出版日
2020年12月08日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

「アフターコロナ」をテーマにした本を多く目にするようになった。その多くがコロナを経て起こった変化に焦点を当てて、読者を追い立てているようにも感じる。

一方、本書では「実は以前からずっと起こっていた変化が加速しただけ」というスタンスを取っているのが新鮮だ。特にマーケティングのベースとなる人間心理については「人間の本質は同じ」と言い切っている。

もちろん、新型コロナウイルスの感染拡大は間違いなく私たちに大きな変化を起こしている。だがこれまでも「今は変化が激しくて予想もつかない」という言葉はよく耳にしてきた。リーマンショックや米中の軋轢、世界中で起こるテロや戦争、気候変動など、予想もしなかった出来事は今までもこれからも起こりつづける。

だからこそ、と著者は主張する。「顧客を起点にその変化やニーズをリアルタイムで捉えてマーケティングや経営を変化させていく必要がある」と。 では、具体的にどのように考えたらよいのだろう? 本書では、数多くの有名マーケターを輩出しているP&G出身の著者らが、多くの経営者やマーケターから寄せられる疑問や悩みを40の論点として挙げ、それらに対する見解や事例を紹介してくれる。

ビジネスをする上で本当に考え続けるべきこととは何か。そんな、新たな問いを与えてくれる一冊だ。

ライター画像
大島季子

著者

足立光(あだち ひかる)
株式会社ファミリーマート エグゼクティブ・ディレクター、チーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)
P&Gジャパン株式会社、シュワルツコフ ヘンケル株式会社社長・会長、株式会社ワールド執行役員、日本マクドナルド株式会社上級執行役員·マーケティング本部長、株式会社ナイアンティック シニアディレクター プロダクトマーケティング(APAC)等を経て、2020年10月より現職。日本マクドナルド時代は、同社のV字回復の立役者のひとりとして活躍。
株式会社I-neの社外取締役、M-Force株式会社のパートナー、スマートニュース株式会社や生活協同組合コープさっぽろ等のマーケティング・アドバイザーも兼任。著書に『圧倒的な成果を生み出す「劇薬」の仕事術』(ダイヤモンド社)、『「300億円赤字」だったマックを六本木のバーの店長がV字回復させた秘密』(WAVE出版)。共著に『世界的優良企業の実例に学ぶ 「あなたの知らない」マーケティング大原則』(朝日新聞出版)。共訳書に『P&Gウェイ』『マーケティング・ゲーム』(ともに東洋経済新報社)など。オンラインサロン「無双塾」主宰。

西口一希(にしぐち かずき)
株式会社Strategy Partners代表取締役
M-Force株式会社共同創業者
1990年P&Gジャパン株式会社に入社し、ブランドマネージャー、マーケティングディレクターを歴任し、パンパース、パンテーン、プリングルズ、ヴィダルサスーン等を担当。2006年ロート製薬株式会社に入社、執行役員マーケティング本部長としてスキンケア商品の肌ラボを日本一の化粧水に育成、男性用ボディケアブランドのデ・オウを開発、発売1年で全身洗浄料市場でNo.1に育成。スキンケア、医薬品、目薬など60以上のブランドを担当。2015年ロクシタンジャポン株式会社代表取締役。2016年にロクシタングループ過去最高利益達成に貢献し、アジア人初のグローバル エグゼクティブ コミッティ メンバーに選出、その後ロクシタン社外取締役 戦略顧問。2017年にスマートニュース株式会社へ日本および米国のマーケティング担当 執行役員として参画、累計ダウンロード数5,000万、月間使用者数2,000万人、企業評価金額が10億ドル(約1,000億円)を超えるユニコーン化への成長に貢献。2019年9月スマートニュースを退社。株式会社Strategy Partnersの代表取締役として事業戦略・マーケティング戦略のコンサルタント業務および投資活動に従事。戦略調査を軸とするM-Force株式会社を共同創業。
著書に『たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング』(翔泳社)。

本書の要点

  • 要点
    1
    「顧客の声を聞いて既存製品の改良や新商品の開発をすれば、売れるものができる」は誤解だ。マーケターがすべきことは、顧客自身が言語化できていない潜在的なニーズを探り、具体的な製品やサービスにつなげるアイデアを出していくことだ。
  • 要点
    2
    SNSでバズれば、必ずしも売上が伸びるわけではない。話題化を狙うなら、どのような顧客行動を促したいのか、綿密に計算しておく必要がある。
  • 要点
    3
    コロナ禍で大きな変化が急激に起こったというより、それまでの変化が加速しただけだ。顧客の変化をいち早く読み取り、対応していこう。

要約

デジタル時代のマーケティングの誤解

テレビなどの旧メディアはオワコン?
metamorworks/gettyimages

デジタル時代のマーケティングにおいて、「テレビなどの旧メディアはオワコン(終わったコンテンツ)だ」「莫大な予算がかかるテレビ広告を見直して、デジタルにシフトしたほうがいいのではないか」とよく言われる。たしかに、消費者のデジタルメディア利用は増えているが、旧メディアが役割を終えたと考えるのは早計だ。実際、コロナ禍で自宅にいる時間が増えた結果、テレビの視聴率や広告リーチが大きく伸び、テレビメディアの価値が見直されている。どちらか一方だけを選ぶのではなく、「誰にどのようなメッセージをどう届けたいか」という観点から、マスメディアとデジタルメディアを使い分けていくことを考えるべきだ。

そこで必要なのは、各メディアの特性を正確に捉えておくことだ。メディアごとの特性や費用対効果を考慮に入れて、目的に応じて使い分けたり、足りない部分を補完して相乗効果を出したりと、最適な組み合わせを考えよう。

顧客理解における誤解

顧客の声を聞けば、売れるものができる?

「顧客の声を聞いて既存製品の改良や新商品の開発をすれば、売れるものができる」という誤解もよく聞かれる。だが顧客は、わかっていることしか言わないし、見たこともないものには反応できない。iPhoneの発売当時、「電話にiPodの音楽再生機能や、コンピューターをつけたら、どう思いますか」と聞いても多くの人が理解できなかっただろう。

顧客の声に対応しているだけでは、決してイノベーションは生まれない。マーケターがすべきことは、顧客自身が言語化できていない潜在的なニーズを探り、具体的な製品やサービスにつなげるアイデアを出すことだ。

カスタマージャーニーで、いい打ち手が見つかる?
metamorworks/gettyimages

顧客の行動や心理を理解するための手法として、カスタマージャーニー分析がよく用いられる。これは、ある顧客の考えていること、思っていること、行動などを、購買前から事後に至るまで時系列で整理し、それぞれのタッチポイント(接点)で有効な施策を考える手法だ。打ち手を顧客視点から検討する際に役立つ。

ところが、そこには2つの落とし穴がある。

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要約公開日 2021.06.04
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