超影響力

歴史を変えたインフルエンサーに学ぶ人の動かし方
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おすすめポイント

「あの人は影響力がある」と誰かを形容することはあっても、「影響力のない人だ」と表現することはあまりない。そもそも「影響力を持つのはわずか一握りの選ばれた人だけ」なのだから、あえて影響力のなさを指摘する必要はないということなのだろう。だが一国、一企業を動かすような影響力は持てなくても、自分の周りの人を動かすぐらいの影響力なら、知識と訓練次第で身につけられる。その方法を具体的に示したのが本書だ。

人と人の関わり合いは、理屈だけではどうにもならないことの連続であり、思うようにいかないことも多いかもしれない。しかし本書では、影響力を発揮するうえで重要とされる「信用」と「関係性」を強化するためのテクニックが惜しげもなく紹介されている。どれかひとつを実行するだけでも、着実に自分の影響力を広げていけるようになるだろう。

また、本書は自分の影響力を高めるための本であると同時に、他者から受ける影響を抑えるための本でもある。相手がいまどういうテクニックを使っているのかがわかれば、いたずらに影響を受けず、冷静に対処できるようになるはずだ。

いわゆる「インフルエンサー」に限らず、そもそも人生は影響を与えて、受けての繰り返しである。自らの「影響力」を改善することは、すなわち自らの人生を改善することと同義だ。影響力について学ぶことの意義は、果てしなく大きい。

著者

メンタリスト DaiGo(めんたりすと だいご)
慶應義塾大学理工学部物理情報工学科卒。人の心を作ることに興味を持ち、人工知能記憶材料系マテリアルサイエンスを研究。英国発祥のメンタリズムを日本のメディアに初めて紹介し、日本唯一のメンタリストとしてTV番組に出演。その後、活動をビジネスやアカデミックな方向へ転換、企業のビジネスアドバイザーやプロダクト開発、作家、大学教授として活動。趣味は1日10~20冊程度の読書、猫と遊ぶこと、ニコニコ動画、ジム通いなど。ビジネスや話術、恋愛、子育てまで幅広いジャンルで人間心理をテーマにした著書は累計330万部を超える。
主な著書に、『自分を操る超集中力』(かんき出版)、『最短の時間で最大の成果を手に入れる 超効率勉強法』(学研プラス)、『超発想力 思いつきをカタチにして人生を変える29の方法』(詩想社)など。

[オフィシャルサイト]http://daigo.jp
[Dラボ-メンタリスト DaiGoの心理学徹底解説]https://daigovideolab.jp

本書の要点

  • 要点
    1
    超影響力を発揮するには、「信用」と「関係性」が不可欠である。
  • 要点
    2
    信用を得るうえでは、3つのステップがある。相手と打ち解ける「シュムージング」、自信を与える「ストレングス」、仲間意識を高める「類似と共通点」の強調である。
  • 要点
    3
    関係性の強調には、「この意見の支持率は高い」と知らせること、「みんなと少し違う要素」をプラスすること、ゴールを掲げることが有効だ。
  • 要点
    4
    本音がぶつかり合う場面では、きちんと話しただけで人は動かない。重要なメッセージを「反復」して伝えつつ、うまく「権威」を利用しよう。

要約

影響力をもたらす2つの原則

「超影響力」とは何か?

その昔、欧米には政治家のブレーンとして、演説の原稿を用意し、効果的な語り方で大衆の心を動かすこと(大衆扇動)を専門とした「メンタリスト」という存在がいた。彼らメンタリストは、「説得力」と「影響力」を組み合わせて、人々の行動を促す技術を駆使していた。

そうした技術のことを、本書では「超影響力」と呼ぶ。超影響力を学べば、人付き合いが得意か苦手かにかかわらず、仕事や人間関係にポジティブな変化をもたらすことができる。

超影響力の土台は「信用」と「関係性」
nadia_bormotova/gettyimages

世界一の投資家ウォーレン・バフェットの言葉に、「みんなが貪欲になっているときこそ恐怖心を抱き、みんなが恐怖心を抱いているときにこそ貪欲であれ」というものがある。たとえばお金の運用を迷っているとき、バフェット本人からこの言葉を教わったら、座右の銘として心に残るだろう。しかし、もし同じことを若手の営業パーソンに言われたとしたら、「何を偉そうに」「ヤバい銘柄でも買わせるつもり?」と反発を覚えるのではないか。

また、職場の先輩から「困っていることがあれば相談してね」と言われたときも、仕事が順調であれば「大丈夫だけど、先輩いい人だな」「おせっかいだな」程度にしか思わないだろうが、切羽詰まっているときに声をかけられたら、すっと胸に響くだろう。

これらの例からわかるのは、「人は、同じ内容でも信用した相手の話に耳を傾ける」ということ(信用)、「人は、同じ内容でも『自分と関係がある』と思った話にしか興味を持たない」ということ(関係性)だ。

超影響力を理解し、使いこなしていくための2つの原則は、「信用」と「関係性」である。聞き手に信用され、相手と深い関係を築ける話し手は信頼される。そして聞き手が属するグループ全体に、影響力を発揮できるようになる。

【必読ポイント!】 「信用」を得るための3つのステップ

相手と打ち解けるための「シュムージング」
cagkansayin/gettyimages

「信用」を得るには、3つのステップがある。

1つ目のステップは「シュムージング」だ。これは「本題を切り出す前に自分のことをネタにした雑談を挟む」ことを意味する。いきなり本題を切り出しても、相手は耳を傾けてくれない。本題前の雑談で、相手との距離を縮める必要がある。

このとき重要なのは、ただの雑談ではなく、自分のことをネタにすることだ。シュムージングに効果的な話題として、次の5つがある。

(1)お金や健康に関する心配事:聞き手は「プライベートな話を打ち明けられた」と感じると、「返報性の原理」が働き、「自分も心配事を話してみよう」と思うようになる。

(2)人生で幸福を感じること、自分の楽しいこと:聞き手は楽しく聞くことができ、自分の幸せについても話してくれるようになるだろう。

(3)自分の弱点やマイナス面:悩みや弱さを打ち明けられるということは、客観的に自分を把握できているということであり、聞き手からは「この人はしっかりしている」と好意的に受け止めてもらえるだろう。

(4)自分の趣味や興味:興味を持ったきっかけなどを付け加えると、相手も会話に加わりやすい。

(5)恥ずかしい思いをしたり罪悪感を覚えたりした体験:そこから何を学んだかを含めて話すことで、「この人は失敗を乗り越えた人だ」という好印象を聞き手に与えることができる。

相手に自信を持たせる「ストレングス」

自分の行動を後押ししてくれる人を、人は信用するものだ。そこで有効なのが、

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要約公開日 2021.06.07
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