仕事で成果を上げたいなら、「快眠であること」は重要だ。理由は3つある。
まず、睡眠がメンタル状態や幸福度に及ぼす影響は、食事や運動よりも強いからだ。睡眠が十分取れていないと気分が落ち込み、幸福度は劇的に下がる。
次に、仕事のパフォーマンスが上がるからだ。コンピュータが単純な作業をこなしてくれるようになった今、人が関わる仕事として残るのは「頭がクリアな状態」「眠気のない集中できる状態」「イライラしていない穏やかな状態」でないとできない仕事だ。ビジネスパーソンとして成果を出し、これからの時代を生き残るには、よい睡眠を確保して高いパフォーマンスを発揮する必要がある。
最後に、睡眠不調は、コミュニケーションや人間関係に悪影響を与えかねないからだ。質のよい睡眠がとれていないと、ちょっとしたことでイライラしたり、応対がいい加減になったりする。研究では、睡眠不調の人に対して、周りのメンバーの「関わりたい」度合いが下がることや、チームのエンゲージメントが低下することがわかっている。
睡眠は非生産的だからと、睡眠時間を削って仕事や勉強をしている人もいるだろう。しかしそんな人にこそ、睡眠は重要である。
仕事で成果を出すには「仕事をしている時の状態」や「仕事をチームで行う際の良好なコミュニケーション」が重要となる。実はこれこそ睡眠の最も得意な分野だ。睡眠は無料で頭の中のゴミを出し、記憶を整理し、メンタルや体を回復させてくれる。睡眠は無料でありながら、たくさんのメリットを提供してくれるのだ。
睡眠は決して「無駄な時間」ではない。良い睡眠を取らないと損をする。
人が目覚めると、ストレスに抵抗したり体内でエネルギーを作り出したりするコルチゾールというホルモンが分泌される。コルチゾールの分泌量は1時間ほどかけて上昇し続けてピークに達し、その後、下降していく仕組みだ。
寝起きのコーヒーを習慣にすると、自発的にコルチゾールを分泌する能力が低下してしまう。だからコーヒーを飲む最適なタイミングは、目覚めて1時間以上経つ頃だ。仕事の準備を始めるタイミングで飲むと、午前中の覚醒が継続する。
午後に飲むなら、昼食後、午後2時から4時の、覚醒が低下する時間帯がよい。睡眠の質が下がる可能性があるため、夕方以降は控えよう。
私たちが最もストレスに強いのは、朝だ。その理由は、朝起きて1時間後に、ストレスに抵抗するコルチゾールが1日で一番多く分泌されるからだ。
ところが朝起きると、ほとんどの人はSNSや
3,400冊以上の要約が楽しめる