仕事の教科書

きびしい世界を生き抜く自分のつくりかた
未読
仕事の教科書
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仕事の教科書
出版社
日本図書センター

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出版日
2022年03月25日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

仕事は大変なことの連続だ。要領のいい同僚ばかりチャンスに恵まれている気がする。誠意を込めて書いた文章が読み飛ばされてしまう。時間をかけて企画を練ったのに、ポイントがズレていると言われてしまう――。本書は、そんな大変なことばかりのビジネスの世界でも、希望をもち続けながら働きたいと願う「あなた」のために書かれた一冊だ。

著者の北野唯我氏は、これまで「売上1兆円グループの大企業」「世界三大外資系戦略コンサルティングファーム」「スタートアップ」という、異なる3つの分野の経営戦略に携わってきた。それらの経験から「ビジネスとは精神的な活動ではなく、フィジカルな作業の連続」であると気づいたという。そして、そんなビジネスの世界を生き抜く技術を伝授するために、本書を執筆したそうだ。

本書は、北野氏が「自分が若い頃に戻れるなら、つぎはこうする」といえる仕事術を出し惜しみすることなくまとめた、その名の通り「仕事の教科書」である。習い事の上達には技術の習得が欠かせないのと同様、仕事にも技術が必要だ。本書を読んで、仕事のスピードをあげるための考え方や、チャンスをゲットする構文、最強の提案フォーマットの書き方などといった技術を身につければ、仕事の進め方と成果が大きく変わるだろう。全ページカラー&イラストつきのため、楽しくするすると読み進められるのもうれしい。本書を読み、どこでも通用する仕事術を身につけて、長くきびしい仕事人生を乗り切ってほしい。

ライター画像
矢羽野晶子

著者

北野唯我(きたの ゆいが)
1987年、兵庫県生まれ。神戸大学経営学部卒。就職氷河期に博報堂へ入社。その後、ボストンコンサルティンググループを経て、 2016年、ワンキャリアに参画。現在、取締役として、人事領域・戦略領域・広報クリエイティブ領域を統括。 2021年10月、東京証券取引所マザーズ市場に上場。
また、テレビ番組や新聞、ビジネス誌などで「職業人生の設計」「組織戦略」の専門家としてコメントを寄せる。
「すべてのプロセスにいる、いま挑戦しようとしている人に捧げる本」をモットーに、作家としても活動。著書に『転職の思考法』(ダイヤモンド社)、『天才を殺す凡人』(日本経済新聞出版社)、『分断を生むエジソン』(講談社)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    仕事における最大の武器は「スピード」である。仕事を速くさばける人は量をこなせるし、丁寧に取り組んで質を高めることもできるからだ。
  • 要点
    2
    わかりやすい文章をつくるには【動詞の法則】と【短文の法則】と【共通感情の法則】が有効だ。
  • 要点
    3
    提案においては「問いの立て方」がポイントとなる。ペインを探す、最大の問いを設定する、問いを分解する、の3つのフローで考えよう。

要約

【必読ポイント!】 「仕事が遅い人」と呼ばれないためのスピードアップ術

スピードは最大の武器

仕事ではよく「量か、質か」と言われるが、若い頃は量でも質でもなく「スピード」を重視すべきである。なぜなら、仕事を速くさばける人は量をこなせるし、丁寧に取り組んで質を高めることもできるからだ。スピードは仕事における最大の武器なのである。

「若い頃は」としたのは、仕事のスピードは、ビジネス人生の最初の数年間で決まることが多いからだ。ゆっくり働くことに慣れてしまうと、スピードをあげることはむずかしい。いまあなたが何歳であっても、できるだけ早く「スピード重視で働くこと」を覚えるべきだ。

タイミングの法則
megaflopp/gettyimages

ビジネスの世界では「仕事が早い=タイミングが早い」である。仕事が早いと評価されるためには、タイミング、つまり「いつやるのか?」という視点が重要だ。

具体的な方法としては、【タイミングの法則】を理解し、使いこなすこと。つまり、次の「3つのすぐ」を意識し、実行することだ。

・すぐやる:依頼された日のうちに、ほんの少しでも作業に手をつける

・すぐ出す:期限よりも早くに提出する

・すぐ答える:その場で暫定回答をしたうえで、1週間以内など期限を決めて正式回答する

上司やクライアントが部下や若い人になにかをお願いするとき、期待しているのは「タイミング」であり、レベルの高い業務ではない。「3つのすぐ」を身につければ、相手の期待に応えられるだろう。

また、ビジネスでは「信頼」が重要だ。信頼を獲得する方法は、【タイミングの法則】を使いこなすことにほかならない。「すぐやる」「すぐ出す」「すぐ答える」を繰り返して信頼を獲得していくと、いつしか「あなたにしかできない仕事」をつくるチャンスに恵まれるだろう。

仕事のスピードを上げる3つの法則

仕事をこなすスピードを上げるには、【目標の法則】【分解の法則】【計測の法則】の3つが有効だ。

【目標の法則】とは、必ず目標をもって仕事に取り掛かるべき、ということだ。多くの人は「仕事を速くこなすために、まず知識を身につけよう」と考える。しかし、理想の進め方は「まず目標を明確にする→効率的な計画を立てる→行動に移す」の順番である。「18時までに業務を終わらせる」などと目標を明確にし、目標と現状の差分を埋めるための計画を立てて行動していく。「行動→計画→目標」ではなく「目標→計画→行動」の順番で取り組む習慣をつけよう。

次に、【分解の法則】だ。作業スピードをあげるには「分解すること」が欠かせない。企画書を1本つくるにしても、完成までには10以上のフローが存在する。一つひとつのフローを分解して考えることが、スピードアップの鉄則である。

【計測の法則】とは、「分解したことを、要素ごとに、客観的に記録する」と「数字や変化をメモする」だ。たとえば、メールを1本返信するとき、「メールアドレスの入力」「文面の作成」「推敲・編集」「送信」など、それぞれのタスクにどのくらい時間をかけているか、ざっくりと計測してみよう。あなたの仕事を遅くしている原因が、なんとなくではなく、ロジカルに見つかるはずだ。

チャンスをゲットする2構文
NicoElNino/gettyimages

【タイミングの法則】で「3つのすぐ」に不安を感じた人もいるだろう。「すぐ」を意識しすぎると、自分ができないことまで安請け合いしてしまうのではないかと。ここでは、その不安を解消する2つの構文を紹介する。

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要約公開日 2022.05.24
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