「働き方」の教科書

「無敵の50代」になるための仕事と人生の基本
未読
日本語
「働き方」の教科書
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「無敵の50代」になるための仕事と人生の基本
未読
日本語
「働き方」の教科書
出版社
新潮社
定価
1,540円(税込)
出版日
2014年09月18日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.0
革新性
4.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

日本生命を退社後、59歳で、戦後初の独立系生保であるライフネット生命を起業した出口氏。型破りのビジネスリーダーとしても、無類の読書家としても知られ、経済誌の教養特集でもお名前を拝見することが多い。

そんな出口氏による、働き方の本である。さすがに、ただならぬ奥行きを備えている。

働き方の本と謳っていながら、「仕事は人生のすべてではない」「たった3割」だ、という言葉で仕事論が始まる。しかしこれは逆説的に、たった3割なのだから、何事も気に病まず、自分に正直にやりたいことをやれというアドバイスなのである。

出口氏の働くことへのアドバイスは、生きることへのアドバイスにつながっている。やりたいことをやり、人生を悔いなく生き抜こう。そのことが、次世代のための世界を作り、結果として人間本来の生き方をすることになる。そうした大きなメッセージを、本書からは読み取ることができるだろう。

また、20~50代への世代別の具体的なアドバイスは、人間への深い洞察に満ちている。たとえば、30代へのアドバイスに、部下に「安心」を与える、という項目がある。部下と目が合ったらニッコリと笑う。それだけで部下は仕事に集中できるのだという。動物としての人間の心に安心を与えられるからだ。

読み進むうちに、「人間」としてよく働き、よく生きるということが、霞が晴れるように見えてくるだろう。

ライター画像
熊倉沙希子

著者

出口治明
ライフネット生命保険株式会社会長兼CEO。1948年、三重県美杉村生まれ。京都大学法学部を卒業後、1972年、日本生命保険相互会社入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当する。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て2006年に退職。同年、ネットライフ企画株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。2008年4月、生命保険業免許取得に伴い現社名に変更。2013年より現職。旅と読書が好きで、訪れた世界の都市は1000以上、読んだ本は1万冊に上る。著書に『生命保険入門 新版』(岩波書店)、『直球勝負の会社』(ダイヤモンド社)、『「思考軸」をつくれ』(英治出版)、『仕事に効く教養としての「世界史」』(祥伝社)、『ビジネスに効く最強の「読書」』(日経BP社)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    人間の能力にはたいした差はなく、歴史をさかのぼってもほとんどのチャレンジは失敗に終わっている。ただ、ほんの1パーセントの成功が世界を変えてきた。だからこそ、誰しもチャレンジを怖れる必要はなく、チャレンジすることは尊い。
  • 要点
    2
    仕事は人生のすべてではなく、3割程度だ。その程度なのだから、気にせずに正直に、やりたいことを仕事でやろう。
  • 要点
    3
    20代では1人でやる仕事を覚え、30代、40代では人間社会の理解に基づき人とチームを動かそう。50代は無敵の世代。次世代へ仕事の知見を伝え、起業や新しい世界に飛び出そう。

要約

【必読ポイント】仕事と人生

人生は「悔いなし、遺産なし」
RyanKing999/iStock/Thinkstock

人生の真ん中は50歳だ、と出口氏は語る。人生を80年と考えて、まず親元で育ててもらう20年を引く。自分の力で生きる60年を半分にして、20年に足すと50歳となる、という計算だ。

50歳になると、自分のことがよく見えてくる。子どもがいる場合は、その子の行く先も見えてくる。ここが真ん中と認識して、50歳までどう生きるか、50歳からどう生きるかを考えておくのは大事なことだ。

あなたはどんな人生を送りたいだろうか。出口氏が決めているのは、「悔いなし、遺産なし」の人生を送ることだという。

さまざまな本を読んで、多くの先人たちが死ぬ間際に考えたことを知ったが、やはり、「あれをやっておけばよかった」という悔いが少ない人生が、最も幸福な人生なのだと思うようになったそうだ。だから、これをやりたいというチャンスがめぐってきたら、思い切ってやることにしているという。

そして、悔いを残さないためにお金を使う。ある程度の年になれば、人生で必要なお金の総量とそのためにとるべき行動が見えてくる。子どもにも、成人したらそれほどお金をかけてやらなくてよくなる。むしろ、経済的にきちんと独立させることが、子どもの自立と市場に労働力を増やすことにつながり、社会全体にとってもプラスになるといえる。

「悔いなし、遺産なし」という人生観の基盤にあるのが、人生の楽しみは「喜怒哀楽の総量」に当たるという考えだ。苦しみや悲しみは、マイナスなのではなく、それ自体も人生の味わいなのだ。悲しみも、喜びと等しく価値がある。そう考えれば、失敗することを怖れずに、いろいろなことをやってみるのが人生の楽しみだと思える。

人間論――失敗を恐れずチャレンジすべし
John Lund/Blend Images/Thinkstock

「人間はみなチョボチョボや」出口氏が、学生時代に愛読したという小田実の言葉だ。つまり、人間の能力にはたいした差はないということである。ウサイン・ボルトの100メートル走の記録、9秒58というのは驚異的な速さだ。しかし、一般男性が13秒前後で走ると考えれば、一般人とボルトの差は2倍もないともいえる。人間同士の能力には、とてつもない差があるわけではないのだ。

加えて、過去の歴史を振り返ってみれば、やりたいことをやり遂げられる人間は、100人に1人くらいしかいない。99人は失敗している。しかも行動の結果は後の時代にならないとわからないケースが多いときている。

人間の能力はチョボチョボ、チャンスや偶然はもちろんチョボチョボ、99パーセントは失敗する、とわかっていれば、チャレンジの失敗にめげる必要はまったくない。

また、翻せば今の世界は、貴重な1パーセントの成功の積み重ねで成り立っていると考えられる。すると、失敗したたくさんのチャレンジがいかに尊いものだったかということが実感できるのではないだろうか。

だからこそ、とにかくやりたいことは可能な限りチャレンジすべし、と出口氏は語る。

仕事は人生の3割

仕事は人生のすべてではない。計算してみれば、仕事は人生の3割程度。あとの7割で、人間は、食べて、寝て、遊んで、子どもを育てているのだ。

「デートと残業どちらが大事なんだ」と怒られたことのある人がいるかもしれないが、気にすることはない。出口氏に言わせれば、

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