ストレス脳

未 読
ストレス脳
ジャンル
著者
アンデシュ・ハンセン 久山葉子(訳)
出版社
定価
1,100円(税込)
出版日
2022年07月20日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.0
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著者
アンデシュ・ハンセン 久山葉子(訳)
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1,100円(税込)
出版日
2022年07月20日
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応用性
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おすすめポイント

私たちの4人に1人が、人生においてうつや強い不安などの精神的不調を経験するといわれる。昔とは比較にならないほど豊かな暮らしをしているのに、なぜここまで多くの人がうつや不安に悩まされることになるのか。そんな疑問に答えてくれるのが本書だ。

世界的な大ベストセラー『スマホ脳』の著者であるアンデシュ・ハンセン氏は、本書においてうつの原因を脳のシステムから生物学的な視点で解説している。本書によれば、私たちの脳は1~2万年前、狩猟採集民だったころと大きく変化していないのだという。脳は、生存し、子孫を残すことだけに特化したシステムを持つ。脳にとって、私たちが精神的に安定して、幸せを感じて生きているかどうかなど、まったく問題ではないのだ。

脳はストレスを感知すると気分を落ち込ませ、身を守るために行動を抑制しようとする。うつ状態は、生存率を上げようとする脳の免疫反応なのだと本書は説明する。気分が落ち込んでくると、「これくらいで情けない」「もっとつらくても頑張っている人もいるのに」などと自分を責めてしまいがちだが、それも脳の防衛システムによる反応だと思えば、気持ちが少し楽になる。

社会や技術が高度に発展した現代を生きる私たちは、自分が「人間」という生物の一種であることを忘れてしまいがちだ。しかし、私たちには身体があり、脳は生物として生存し子孫を残すためのシステムに則って機能しているのだということを本書は教えてくれる。厳しいストレス社会を生きるすべてのビジネスパーソン必携の一冊だ。

ライター画像
千葉佳奈美

著者

アンデシュ・ハンセン(Anders Hansen)
1974年スウェーデン生まれ。精神科医。経営学修士。現在は病院勤務の傍らメディア活動を続け、『スマホ脳』が世界的ベストセラーに。

本書の要点

  • 要点
    1
    私たちの脳は1~2万年前から大きく変化していない。脳の最優先事項は「生存」であり、健康な精神状態で幸せに生きることではない。脳は感情をつくり出すことで私たちの行動をコントロールし、生存率を上げようとしている。
  • 要点
    2
    人類の歴史上、最も生存の脅威となったのは「炎症」だ。脳は炎症を感じると、行動を抑制する感情をつくり出し、私たちを引きこもらせようとする。この免疫反応が長期間に渡った状態がうつである。

要約

【必読ポイント!】 脳の最優先事項は「生存」

脳は今もサバンナで生きている

「適者生存(Survival of the fittest)」という言葉がある。これは、環境に「フィットした」者が生き残るという意味だ。考えてみれば当然のことだが、今生きている私たちは、幼くして“死ななかった”人たちの子孫である。生物にとって最も重要なことは、生き延びて、子孫を残すことだ。人類の身体も脳も、生き延び、子孫を残すようにできているのであって、幸福を感じ、健康に生きるようにできているのではない。私たちの身体と脳は1~2万年程度では大きく変わらない。だから今も、狩猟採集民だったころの環境で生き延びられるようにできている。

「感情」は生存率を上げるためのシステムのひとつだ。例えば、車に轢かれそうになってとっさに後ろに飛びのいたとき、心臓は早鐘のように打ち、恐怖を感じるだろう。それは、視覚や聴覚などから入ってきた刺激から危険を察知すると、扁桃体と呼ばれる脳の部位が体を瞬時に動かし、ストレスホルモンを体内に放出するからだ。感情とは、周囲で起きていることに反応して湧き起こるのではない。生存するための行動を促すために、脳がつくり出しているものにすぎないのだ。

私たちは永続的に幸せを感じることができない
recep-bg/gettyimages

脳は、私たちが起きている間中、絶え間なく感情をつくり出して行動をコントロールしている。例えばバナナが目の前にあれば、脳はそのバナナに含まれるエネルギーと栄養素を分析し、体内の栄養状況を考慮して、取るべき行動を判断する。脳がバナナを食べたほうがよいと判断すれば「空腹」、今は不要と判断すれば「満腹」という感情がつくり出され、適切な行動が促される。

現代のキッチンでも25万年前のバナナの木の下でも瞬時に同様の分析がされている。ひとつ違うのは、判断ミスをしたときに、死につながるリスクは25万年前のほうが高かったということだ。勇気を出しすぎてバナナをとるために危険な木登りをすればいつか転落死するだろうし、慎重になるあまり危ないことをまったくしなければ飢え死にしてしまう。生存と生殖のために「正しく」自分の感情に導いてもらえた私たちの祖先だけが、生き残ることができた。言い換えれば、感情は生存率を上げるために無慈悲な取捨選択にさらされてきたのだ。

幸福が永遠ではないのはこのためだ。バナナを食べれば空腹が満たされ、幸福感が湧いてくる。だが、感情は生存する「正しい」行動を促すためのシステムなのだから、永遠に幸福感が続けば食べ物を探すモチベーションが下がってしまう。私たちが永続的に幸福を感じ続けることができないのはこのためだ。

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