SDGs思考 社会共創編

価値転換のその先へ プラスサム資本主義を目指す世界
未読
日本語
SDGs思考 社会共創編
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出版社
インプレス

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定価
2,200円(税込)
出版日
2022年04月21日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.5
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

SDGsを知らずして、これからのビジネスは語れない。とはいえ、SDGsの大局的な理解もままならず、「絵に描いた餅」のような戦略策定にとどまっている企業も多いといわれている。そんな状況を打破したいと考える方におすすめしたいのが本書だ。

国連で外交官として活躍してきた著者は、国連難民高等弁務官として世界平和に貢献した緒方貞子氏から薫陶を受けた人物だ。その後著者は、コンサルティング会社で企業のサステナビリティ強化支援を手がけ、さらには世界平和・人間の安全保障というビジョンを実現させるべく、起業した。まさにSDGsのエバンジェリストであり、企業のサステナビリティ支援における第一人者といってよいだろう。

際限のない消費、開発、成長、そして権力。その果てに、破壊と格差と貧困、憎悪が地球を覆いつくしかねない現在、著者らはよく生きること(ウェルビーイング)、1人ひとり誰も取り残されないこと(インクルージョン)などの重要性を説く。そして、SDGsを真に自分ごと化し、行動を変容していくためのプロセスを体系的に示してくれる。

「世代を超えて、すべての人が、自分らしく、よく生きられる」。本書は、そんな未来に向けた、社会共創のヒントが詰まった実践書である。あらゆるビジネスパーソンにおすすめしたい。

ライター画像
たばたま

著者

田瀬和夫(たせ かずお)
1967年福岡県生まれ。東京大学卒、ニューヨーク大学法学院客員研究員。1992年外務省に入省し、国連政策課、人権難民課、アフリカ二課、国連行政課、国連日本政府代表部一等書記官等を歴任。2001年より2年間は、緒方貞子氏の補佐官として「人間の安全保障委員会」事務局勤務。2005年に外務省を退職し、国際連合事務局・人間の安全保障ユニット課長、パキスタンにて国連広報センター長を務めた。2014年国連を退職し、デロイトトーマツコンサルティングの執行役員に就任、CSR・SDGs推進室長として企業のサステナビリティ強化支援を手がけた。2017年9月に独立しSDGパートナーズを設立。現在、同社代表取締役CEO。私生活においては、7,500人以上のメンバーを擁する「国連フォーラム」の共同代表を2004年より務める。

SDGパートナーズ(エスディージーパートナーズ)
サステナビリティに特化したコンサルティングファームとして2017年9月設立。企業、政府、自治体、国際機関、NGO、学術界、ユースなど様々な主体を「つなぐ」ことにより、SDGsが描くウェルビーイングの実現を追求する。なかでも特にビジネスが果たせる役割に注目し、SDGsを土台としたビジネスモデルの導入、サステナビリティ方針策定・実施、統合報告書の設計、ESG情報開示、国連を含めた公的機関とのイノベーティブな官民連携、地方自治体との共創、国連ビジネスと人権に関する指導原則(UNGP)を取り入れたサプライチェーン管理などの支援をリードする。また、中小企業や自治体、NPOなどがサステナビリティを採り入れるプロセスも支援している。

本書の要点

  • 要点
    1
    SDGsは、すべての人々が身体的、精神的、社会的に良く生きられる世界を目標に掲げている。
  • 要点
    2
    SDGsを経営戦略に練りこむためには、時間や論理を逆算して考える思考や、連鎖反応を起こすことを考えるリンケージ思考が必要だ。
  • 要点
    3
    今後はプラスサム資本主義が重要となる。これは、他人の権利を伸長する、あるいは自然環境を積極的に「増やす」者にのみ、儲ける権利が与えられるという考え方である。

要約

【必読ポイント!】 SDGsの世界観と社会実装への方法論

5つのキーワード

最初にSDGsの根底に流れる世界観についてふれていく。

1つ目は「インクルージョン」(包摂性)というキーワードだ。これは、障がいをもつ人や民族少数者など、排除されやすい属性の人々が取り残されないよう擁護し、社会の一員として参画できるよう支え合うといった社会政策上の理念である。

2つ目は「誰ひとり取り残さない」というキーワードである。格差の拡大と様々な分断という社会課題を解決するための大切な考え方だ。SDGsパートナーズでは、この言葉を肯定形にした「すべての人が」と言い換えている。

3つ目は「世代を超えて」である。持続可能な開発という概念において、今までになかった「将来の視点」を意味する。「ありたい姿」から出発し、そこから現在の姿を振り返り、政策や手段を積み上げる「バックキャスティング」の方法が採用されている。

4つ目は「自分らしく」だ。一人ひとりの特性やニーズを考慮しながら人生の選択肢の幅を増やせる社会が大切であり、それこそが自由の実現と捉えている。

そして最後は「よく生きる」である。すべての人々が身体的、精神的、社会的に良く生きられる(well-being)世界を目指すことを目標に掲げている。

以上5つのキーワードがSDGsのめざす世界である。

人間の安全保障
Jasmina007/gettyimages

SDGsの実践の拠りどころとなる、人間の安全保障とは何か。それは、一人ひとりに着目し、生存・生活・尊厳に対する脅威から人々を守ろうとするものだ。そのうえで、一人ひとりが豊かな可能性を実現できるよう、トップからの保護とボトムアップでの能力強化を施し、持続可能な個人の自立とそれを促す強靭な社会づくりをめざす考え方である。人間の安全保障の考え方は、SDGsそのものの考え方の土台となっているうえに、SDGsの実践においても重視されている。このようにして、SDGsと人間の安全保障の基本姿勢は、一直線上でつながっているのだ。

逆算思考とリンケージ思考

企業経営においてSDGsを経営戦略に練りこむためには、時間的逆算思考、論理的逆算思考、リンケージ思考が必要となる。

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