異能の掛け算

新規事業のサイエンス
未読
日本語
異能の掛け算
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新規事業のサイエンス
未読
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異能の掛け算
出版社
NewsPicksパブリッシング

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定価
2,420円(税込)
出版日
2022年10月28日
評点
総合
3.8
明瞭性
3.5
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

どんな企業でも「新規事業」と無縁ではいられない。これからサービスを育てていこうとするスタートアップはもちろん、「既存事業」で安定している大企業も、0から価値を生み出す試みなくして生き残ることはできない。だが、新規事業を成長させることは簡単ではない。何から着手していいかわからず、一人の天才の出現を夢見てしまう人が多いかもしれない。

本書は、500ケース以上の事業を研究した結果をまとめあげ、成功の再現性を限りなく上げるための「チーム論」と「方法論」を提示する。キーワードは「異能の掛け算」だ。著者はキャリアのほとんどを新規事業一筋で過ごし、数々の新規事業の立ち上げに関わってきた井上一鷹氏だ。井上氏は、メディアで自身の経験を100回以上語る中で、あることに気がついた。「事業開発の経験者は、とにかく精神論ばかり語っている」と。ビジョンやパッションは新規事業で重要なものだが、再現可能なサイエンスの部分もあるはずだ。

経験を通じてしか体得できないと思われている事業開発に再現性をもたらす。そんな本書は、新規事業開発に頭を抱えるビジネスパーソンにうってつけの一冊だ。サイエンスできる部分を素早く習得することで、自分たちにしか出せない価値に集中することができる。価値創造に夢中になれる人や組織を増やすことこそ、本書の願いなのだ。

ライター画像
Keisuke Yasuda

著者

井上一鷹(いのうえ かずたか)
大学卒業後、戦略コンサルティングファームのアーサー・D・リトルに入社。大手製造業を中心とした事業戦略、技術経営戦略、人事組織戦略の立案に従事する。2012年、JINSに入社。商品企画、R&D室JINS MEME事業部マネジャー、Think Lab取締役を経て、JINS経営企画部門 執行役員を務める。JINS退社後、Sun Asteriskに入社、Business Development Unit Manager。著作に『集中力』(日本能率協会マネジメントセンター)、『深い集中を取り戻せ』(ダイヤモンド社)がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    新たな価値は、一人の天才ではなく、チームで創る時代だ。そのチームは、BTC(Biz / Tech / Creative)の、“異能”の集まりであるべきだ。
  • 要点
    2
    全てが手探りである新規事業の不確実性を下げるためのプロセスは、「始動する」「無知の知に至る」「確信と確証を得る」の3つだ。
  • 要点
    3
    「バリューデザイン・シンタックス」という本書オリジナルの価値創造のためのフレームワークを用いて、20の要素を網羅的に問いながら、確信と確証を重ねることで、サービスコンセプト・競争戦略・利益構造を一連のストーリーとして設計することができる。
  • 要点
    4
    サービスの全体像が見えてくると、一部の機能だけを抜き出して創りたくなるものだが、覚悟を持って顧客価値があり利益を生み出せる最小限のプロダクトを創る形で進めるのが成功の鍵だ。

要約

不確実性が支配する新規事業

アートに夢中になるためのサイエンス
amtitus/gettyimages

著者は新卒で戦略コンサルティングファームに入社して以来、30代後半までの社会人歴のほぼすべての時間を新規事業開発に投じてきた。本書では、そんな新規事業一筋の著者が、新規事業のチーム論と方法論について明かす。

最前線のビジネスの立ち上げにおいて、最も汎用性が高い価値創造のためのスキルは、「異能の掛け算」だ。新たな価値は、カリスマ的な1人の天才ではなく、チームで創る時代だ。そのチームは、価値観もプロフェッショナルなスキルも違う、Biz(ビジネス) / Tech(テクノロジー) / Creative(クリエイティブ)の“異能”の集まりであるべきだ。

成功した新規事業というと、SpotifyやAirbnbなどの誰もが知るサービスを思い浮かべがちだ。しかし、こうしたサービスを多くの人が知るようになったのは、もはやそれが「新規事業」とはいえないような拡大フェーズを経た後だ。

0から事業を育てるフェーズは、無数の選択肢の中で正解がわかりづらい、不確実性のゲームだ。不確実性を下げていくためのプロセスは、次の3つにまとめることができる。〈子供の自由さ〉で考えすぎずに動き出す「始動する」段階、〈大人の教養〉で「無知の知に至る」段階、そして〈異能の掛け算〉で「確信と確証を得る」最終段階だ。

本書は、精神論になりがちな新規事業の成功談に、サイエンスの視点を持ち込もうとする。新規事業では、エゴや狂気ともいえる情熱が、組織や事業を駆動することがある。そうした再現不能なアートの部分を主役に置きながら、本書がサイエンス可能な部分として取り上げるのが、「異能の掛け算」だ。チームと方法の両輪で成功の確度を上げれば、結果としてアートとなる領域に専念できる。そうして自分たちにしか出せない価値を最速で創り上げてもらうことが、本書の目標だ。

バイアスを取り去り、無知の知に至る

本書で扱うのは、0→1(ゼロイチ)と1→10(イチジュウ)の事業フェーズにある新規事業だ。1とは「顧客課題への最小価値を検証できた状態」、10とは「事業が成立し、拡大の見込みが立った状態」を指す。10のゴールとは、事業成立の肝となる「主要成功要因」が特定され、その実現見込みが立っていることだ。10はこれから拡大するフェーズであり、チームの意思決定は「より確実性を上げて成長できるか」が指針となる。

0→10の世界はこれとは根本的に異なる。新規事業の立ち上げは全てが手探りで、確かなことなど何もない。チームの意思決定の指針は、「どうやって不確実性を減らしていくか」になる。新しい価値を創る中で暗中模索するのが、新規事業開発の基本動作だ。

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