ゼロから革新的なヒットをつくり出す

問題発見の教科書

未読
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出版社
朝日新聞出版

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定価
1,760円(税込)
出版日
2022年11月30日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

上司から「来週までに新しいアイデアを5つ持ってきて」と言われてしまった。クリエイティブな能力に自信はまったくない。いったいどうしたら――。そんな「発想力に自信がない人」に強く勧めたいのが本書である。

著者はネスレの元代表取締役社長兼CEOの高岡浩三氏だ。高岡氏は、ボタンを押すだけで1杯分のコーヒーを淹れられる「ネスカフェゴールドブレンド バリスタ」を生み出した人物であり、ネスレで10年間増収増益を続けたプロ経営者でもある。本書では、そんな“イノベーションのプロ中のプロ”のメソッドが惜しげもなく明かされている。

発想のベースになるのは「NRPS法」だ。NRPSは「新しい現実(New Reality)」「新しい問題(new Problem)」「解決策(Solution)」の頭文字を組み合わせたもの。「顧客は誰か?」「新しい現実は何か?」「顧客の問題は何か?」「問題の解決策は?」の順で考えていくと、解決すべき問題が見つかり、イノベーションにつながるという。大ヒットした「バリスタ」もこの手法で考案したそうだ。

「自分は間接部門だから関係ない」と思わないでほしい。高岡氏は「イノベーションは商品の企画・開発部門だけに限定されません」とし、本書では、ネスレの人事部が出張費削減を成し遂げた意外な方法が明かされている。

問題解決力を磨きたい人は、とにかく本書を手に取ってみよう。まずは高岡氏がネスレ時代に成し遂げたイノベーションの事例を読んでみるのもいいかもしれない。ヒット商品「キットカット ミニ 焼いておいしい プリン味」や「ネスカフェ」ビジネスモデルの誕生秘話を知れば、誰もがワクワクするはずだ。

著者

高岡浩三(たかおか こうぞう)
1960年3月30日、大阪府生まれ。1983年ネスレ日本(株)入社、各種ブランドマネジャー等を経て、ネスレコンフェクショナリー(株)マーケティング本部長として「キットカット受験応援キャンペーン」を手がける。2005年ネスレコンフェクショナリー(株)代表取締役社長に就任。2010年ネスレ(株)代表取締役副社長飲料事業本部長として新しい「ネスカフェ」ビジネスモデルを構築。同年11月よりネスレ日本(株)代表取締役社長兼CEO。10年間の在任中に、ネスレ日本をネスレグループの先進国マーケットで最も成長率と利益率の高い会社に育て上げる。
2014年、自身が手がけた「ネスカフェアンバサダー」が第6回日本マーケティング大賞を受賞。「The Internationalist」による「37 OUTSTANDING MARKETERS NAMED INTER-NATIONALISTS」に選出。同年よりワールド・マーケティング・サミット・ジャパンカウンシル代表。2016年コトラービジネスプログラムプレジデント就任。2017年早稲田大学ビジネススクール国際諮問委員。
同年5月よりケイアンドカンパニー(株)代表取締役としてDXを通じたイノベーション創出のプロデューサーとして活躍。2020年3月ネスレ日本(株)退社後、サイバーエージェントやFOOD&LIFE COMPANIESなど数社のマネジメントアドバイザーと社外取締役を務めるとともに、自ら「高岡イノベーション道場」というイノベーション創出に特化したスクールを主宰する。著書に『ゲームのルールを変えろ』『ネスレの稼ぐ仕組み』『世界基準の働き方』『イノベーション道場』、フィリップ・コトラー教授との共著『21st Century Marketing: Digitalization and Transformation through Innovation』など。

本書の要点

  • 要点
    1
    イノベーションは、既にある製品やサービスの「顧客が気づいていない問題」や「顧客が諦めている問題」を見つけるところから始まる。
  • 要点
    2
    イノベーションにおいて重要なのは、問題解決よりも問題発見だ。
  • 要点
    3
    イノベーションには「NRPS法」が役に立つ。1つ目のステップはターゲット選定だ。その後は「新しい現実」に着目して「新しい問題」を見つけ、解決へと導く。

要約

ビジネスは問題発見が9割

顧客が諦めている問題を見つける

イノベーションは、既にある製品やサービスの「顧客が気づいていない問題」や「顧客が諦めている問題」を見つけるところから始まる。

ネスレの例を紹介しよう。ネスレでは毎年、社内でアイデアコンテストを開催している。ある年に大賞をとったのは、キットカットをオーブントースターで焼くだけの「焼きキットカット」だ。シンプルなアイデアに拍子抜けする人もいるかもしれない。

焼きキットカットが大賞をとったのは、「夏場に消費者がチョコレートを食べづらくなる」という問題を解決するアイデアだったからだ。キットカットを焼くと、サクサクした食感になり、夏でも食べやすくなる。焼きキットカットは商品化され、大ヒットとなった。

このように、イノベーションは大掛かりな設備や資金がなくても生み出せる。顧客が諦めている問題を見つけられれば、ビジネスの9割は成功したも同然だ。

「問題解決」よりも「問題発見」を重視せよ
greenbutterfly/gettyimages

イノベーションのカギは「問題解決」ではなく「問題発見」だ。問題を発見できた商品やサービスは、人々のライフスタイルを変えるほどのインパクトがある。アマゾンやウーバー、アップル、メルカリ、ラインがその代表例だ。

問題発見力に優れたビジネスパーソンは、どこの企業でも重宝されるだろう。ビジネスパーソンとして生き残っていきたいなら、問題発見力は大きな武器となる。

問題発見の“ソムリエ”になるための習慣

世界をよりよくする「問題」を見つける

本書では、問題発見が上手な人を「問題発見のソムリエ」と呼ぶ。問題発見のソムリエは、世の中をよりよくするための問題を一つ一つ吟味し、優先順位を考える人だ。

貧困国の水問題を考えてみよう。ユニセフによると、世界では今も約20億人が安全に管理された水を飲めない環境にある。家から何キロも離れた水場まで歩いて行き、重いバケツを携えて何度も往復するのが日常だ。この問題は長年解決されていない。

そんななか、南アフリカの建築家、ハンス・ヘンドリクス氏は「水を運ぶ方法を変えればいいんじゃないか?」と考えた。その発想をもとに開発されたのが「Qドラム」だ。ドーナツ型で、最大50リットルの水が入るプラスチック容器である。

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