15歳からのリーダー養成講座の表紙

15歳からのリーダー養成講座

改革のカリスマ直伝!


本書の要点

  • リーダーにとって最も重要な技術は「目標の立て方」だ。目標をうまく立てられるかどうかで、チームの成果に大きな差が生まれる。

  • プロジェクトが動き出したら、何より先に「プロジェクトの最上位目標」を確認しよう。全員が納得できる目標が決まるまで、徹底的に対話を重ねるべきだ。

  • 「アサーティブ・コミュニケーション」を使うと、人間関係はうまくいく。たとえば議論においては、直球で反論するのではなく、いったん相手の意見を受け入れるとよい。

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リーダーに求められる2つの考え方

「人は簡単には動いてくれない」という事実を受け入れる

リーダーシップは生まれつきの才能ではない。誰でも訓練次第で身につけられるものだ。

リーダーの訓練は「人は簡単には動いてくれない」という事実を受け入れることから始まる。「熱く語れば言葉は伝わる」「圧力をかければ人は動く」と思い込んでいると、チームは機能しない。リーダーならば、人に動いてもらう努力をしよう。

物事を多角的に、深く考える

jacoblund/gettyimages

もうひとつ、リーダーに求められるのが「クリティカル・シンキング」である。これは、物事を多角的に見て、そこで得られた情報をもとに深く考え、本質的な課題を見つけたり、根本的な解決策を見出したりする考え方のことだ。

深く考えることは決してラクではないため、人は安易な結論に流れていきがちだ。そのような事態に陥らないよう、自ら深く考え、メンバーにも深く考えさせるのが、リーダーの役割である。

ここで気をつけたいのが人の思考を止める2大ストッパー、「感情論」と「二項対立」だ。

「感情論」は、物事を考えるときに「好き嫌い」だけを基準にすること。たとえば消費税廃止を掲げる政党があるときに、「消費税? 嫌だ。払いたくないから廃止に賛成!」という反応の仕方は感情論である。

「二項対立」とは、「消費税ゼロ。イエスかノーか」や「金持ちを保護するか、経済弱者を保護するか」のように、「A対B」という2択に物事を単純化することだ。AかBのどちらかが正解とは限らないのだから、安易な結論に飛びついてはならない。常に「物事を二項対立で見ていないか?」と自問自答し、違う視点から考える習慣をつけるといい。

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【必読ポイント!】 目標の立て方

何より先に「目的」を話し合う

リーダーにとって最も重要な技術は「チームとしての目標の立て方」だ。目標をうまく立てられるかどうかで、チームの成果は大きく変わってくる。

たとえばあなたが体育祭の実行委員長に任命され、先生から「どんな体育祭にするのか実行委員会で話し合って決めなさい」と言われたとしよう。さて、実行委員会の初回の打ち合わせでは何を話し合うだろうか?

NG例は、「去年の体育祭ではこんなことをしました。今年、変更したいことはありますか?」「とりあえずみなさんのアイデアを募りたいと思います。やりたいことを挙げてもらって、そこから絞っていきましょうか?」などと、「具体的に何をしようか?」という話し合いをいきなりはじめてしまうことだ。具体的な話からはじめると、必ずどこかで意見がぶつかり、議論が止まってしまう。

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要約公開日 2023.02.03
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