改革のカリスマ直伝!

15歳からのリーダー養成講座

未読
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15歳からのリーダー養成講座
出版社
出版日
2022年10月25日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

世の中には「自然とリーダーになる人」と「逆立ちしてもなれない人」がいる――。要約者も含めて、多くの人はこう考えているように思う。だが本書によると、それは誤解だ。リーダーシップは先天的な才能ではなく、後天的に身につけられるものだという。

本書の著者は横浜創英中学・高等学校校長の工藤勇一氏。千代田区立麹町中学校校長を務め、宿題廃止・定期テスト廃止・固定担任制廃止などの教育改革を実行した人物だ。教育業界のみならず一般のビジネスパーソンからも注目されており、初の著書『学校の「当たり前」をやめた。』は、フライヤーが主催する「読者が選ぶビジネス書グランプリ2020」でマネジメント部門賞を受賞した。

そんな“改革のカリスマ”が、リーダーに必要な資質やスキルを教えてくれるのが本書である。「リーダーシップ」とまとめてしまうと、習得のハードルはぐっと高くなる。だが本書では、目標の立て方や人を生かす技術など、リーダーが身につけるべきスキルを一つひとつ分解して解説してくれるため、挑戦しやすい。体育祭の企画や校則の変更など、多くの人にとってイメージしやすい事例を使って説明してくれているのも嬉しいポイントだ。

書名に「15歳からの」とあるが、30歳でも、40歳でも、50歳でも、決して遅くはない。本書を読んで一つひとつ実践に移せば、リーダーに必要な知識や考え方が自然と身についていくはずだ。

著者

工藤勇一(くどう ゆういち)
横浜創英中学・高等学校校長。1960年山形県鶴岡市生まれ。東京理科大学理学部応用数学科卒。山形県公立中学校教員、東京都公立中学校教員、東京都教育委員会、目黒区教育委員会、新宿区教育委員会教育指導課長などを経て、2014年から千代田区立麹町中学校校長(~2020年3月)。教育再生実行会議委員、内閣府規制改革推進会議専門委員、経済産業省産業構造審議会臨時委員など公職を歴任。麹町中学校では、宿題廃止・定期テスト廃止・固定担任制廃止などの教育改革を実行し、教育関係者だけでなく、経営者・ビジネスパーソンの間でも注目を集める。初の著書『学校の「当たり前」をやめた。生徒も教師も変わる! 公立名門中学校長の改革』(時事通信社)は10万部を超えるベストセラーに。他の著書に『最新の研究でわかった! 自律する子の育て方』(青砥瑞人氏との共著/SB新書)、『学校ってなんだ! 日本の教育はなぜ息苦しいのか』 (鴻上尚史氏との共著/講談社現代新書)、『子どもたちに民主主義を教えよう 対立から合意を導く力を育む』(苫野一徳氏との共著/あさま社)など。

本書の要点

  • 要点
    1
    リーダーにとって最も重要な技術は「目標の立て方」だ。目標をうまく立てられるかどうかで、チームの成果に大きな差が生まれる。
  • 要点
    2
    プロジェクトが動き出したら、何より先に「プロジェクトの最上位目標」を確認しよう。全員が納得できる目標が決まるまで、徹底的に対話を重ねるべきだ。
  • 要点
    3
    「アサーティブ・コミュニケーション」を使うと、人間関係はうまくいく。たとえば議論においては、直球で反論するのではなく、いったん相手の意見を受け入れるとよい。

要約

リーダーに求められる2つの考え方

「人は簡単には動いてくれない」という事実を受け入れる

リーダーシップは生まれつきの才能ではない。誰でも訓練次第で身につけられるものだ。

リーダーの訓練は「人は簡単には動いてくれない」という事実を受け入れることから始まる。「熱く語れば言葉は伝わる」「圧力をかければ人は動く」と思い込んでいると、チームは機能しない。リーダーならば、人に動いてもらう努力をしよう。

物事を多角的に、深く考える
jacoblund/gettyimages

もうひとつ、リーダーに求められるのが「クリティカル・シンキング」である。これは、物事を多角的に見て、そこで得られた情報をもとに深く考え、本質的な課題を見つけたり、根本的な解決策を見出したりする考え方のことだ。

深く考えることは決してラクではないため、人は安易な結論に流れていきがちだ。そのような事態に陥らないよう、自ら深く考え、メンバーにも深く考えさせるのが、リーダーの役割である。

ここで気をつけたいのが人の思考を止める2大ストッパー、「感情論」と「二項対立」だ。

「感情論」は、物事を考えるときに「好き嫌い」だけを基準にすること。たとえば消費税廃止を掲げる政党があるときに、「消費税? 嫌だ。払いたくないから廃止に賛成!」という反応の仕方は感情論である。

「二項対立」とは、「消費税ゼロ。イエスかノーか」や「金持ちを保護するか、経済弱者を保護するか」のように、「A対B」という2択に物事を単純化することだ。AかBのどちらかが正解とは限らないのだから、安易な結論に飛びついてはならない。常に「物事を二項対立で見ていないか?」と自問自答し、違う視点から考える習慣をつけるといい。

【必読ポイント!】 目標の立て方

何より先に「目的」を話し合う

リーダーにとって最も重要な技術は「チームとしての目標の立て方」だ。目標をうまく立てられるかどうかで、チームの成果は大きく変わってくる。

たとえばあなたが体育祭の実行委員長に任命され、先生から「どんな体育祭にするのか実行委員会で話し合って決めなさい」と言われたとしよう。さて、実行委員会の初回の打ち合わせでは何を話し合うだろうか?

NG例は、「去年の体育祭ではこんなことをしました。今年、変更したいことはありますか?」「とりあえずみなさんのアイデアを募りたいと思います。やりたいことを挙げてもらって、そこから絞っていきましょうか?」などと、「具体的に何をしようか?」という話し合いをいきなりはじめてしまうことだ。具体的な話からはじめると、必ずどこかで意見がぶつかり、議論が止まってしまう。

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要約公開日 2023.02.03
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