あなたの「しんどい」をほぐす本

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あなたの「しんどい」をほぐす本
出版社
出版日
2022年12月26日
評点
総合
3.5
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

SNSで人気のカウンセラーが、日々「しんどい」と感じている人に向けた、「がんばらずに読める本」だ。まず、表紙に描かれたキャラクターのリラックスした表情に癒され、使われる紙の心地よいざらざら感が手に伝わる。ページをめくると、ライトな文章が読みやすいだけでなく、合間に描かれるゆるーいイラストが心を少し落ち着けてくれる。

つらい、しんどいと感じている時は、救いになる言葉を求めていても、文字を追う元気すらないこともあるだろう。そんな時にも、なんとなくパラパラと眺めてみるだけで、心に留まるひとことが目に入ってくるはずだ。

「しんどい」という感情を持つ状態は、「サボっているわけでも、怠けているわけでも、やる気がないわけでも、甘えているわけでも、逃げているわけでもありません」と著者は断言する。むしろ、十分がんばってきたことの証なのだ。とはいえ、「しんどい」と感じないようになることを目指すのではなく、しんどい状態を受け入れ、ゆっくり休むことを促す。言葉にすると当たり前に思われるが、どのタイミングでどのように休むのかわからず、余計に悩んでしまうことも少なくないだろう。本書はそんな疲れた読者に自然と寄り添い、深呼吸の機会を与えてくれる本だ。

しんどさを少しでも軽減したい、がんばりたいけどなかなかがんばれなくて落ち込む、という読者には、ぜひかたわらに置いてほしい一冊である。

ライター画像
菅谷真帆子

著者

Poche(ポッシュ)
精神科クリニックに併設のカウンセリングルームで10年以上、心理カウンセラーとして勤務した後、独立。現在は人間関係、親子問題、機能不全家族専門カウンセラーとしてメールでのカウンセリングを中心に活動。国内外から寄せられるメールの件数は、月1000件以上。20代~60代、性別を問わず幅広い層からの支持を集める。2021年より悩みを抱える方たちに「気づき」を得てもらうことを目的としたTwitterでの発信を開始すると、1年後の2022年初めにフォロワー2万人超えとなる。メール、対面カウンセリングともにいつも予約がいっぱいで、現在も数カ月待ちの超人気カウンセラー。著書に、『あなたはもう、自分のために生きていい』(ダイヤモンド社)『あなたの「しんどい」をほぐす本』(KADOKAWA)がある。
HP:https://poche862.com
Twitter:@Poche77085714

本書の要点

  • 要点
    1
    気にしすぎる性格を直す必要はない。まずは自分を責めないようにすると、心や体が疲れにくくなる。それに加えて、「これはできた」という事実を積み重ねられると、徐々にがんばった実感を得られるようになる。
  • 要点
    2
    これまで何かをすることでストレス解消を試みてきた人は、「何もしないこと」が一番のストレス解消になることもある。何もしないことに罪悪感のある人こそ休んでみよう。
  • 要点
    3
    嫌いな人がいてもいい。「嫌ってはいけない」という気持ちが強いと、余計に自分を苦しめてしまう。あえて嫌いな人を好きになろうとする必要はない。

要約

自分を認めてあげる

落ち込むほどがんばった自分
PeopleImages/gettyimages

自分は気にしすぎる、考えすぎる性格だと考える人は多いが、その原因は性格よりも「過去の何か」にあることが多い。誰かを傷つけて後悔した経験があると、相手を傷つけないように気を遣う。逆に傷つけられたことがあると、相手の言葉の裏を読むようになったりする。

でも、「気にしすぎる性格を直さないと」と思う必要はない。どんな気持ちが出てきても、自分を責めることはひとまずやめてみよう。それだけでも心や体が疲れにくくなるはずだ。

誰かと会った後に、相手の言葉や表情を思い出しながら、自分が言ったことを反省する「ひとり反省会」をしたことはあるだろうか。考えるほど自分が嫌になり、落ち込んでしまう。しかし裏を返せば、誰よりも相手の気持ちを考え、当時の会話を思い出せるほど丁寧に話していたことの証でもあり、「落ち込むほど一生懸命がんばった」ということだ。相手にとってのベストを考えて言葉を選べるという自分の良さを認めてあげることが大事である。

世の中には色々な人がいて、何をどうがんばっても「それはおかしい」と指摘する人は必ずいる。だからこそ、「自分だけは自分の味方になって『がんばったね!』と自分に声をかける」ことが重要だ。そうして自分を鼓舞することが苦手なら、自分を否定しないだけでも効果的である。「これくらいみんなやっている」と思わず、「これはできた」という事実を認めよう。そうなれると、がんばれたという実感を徐々に得られるようにもなるだろう。

【必読ポイント!】 心や体の声を聴く

やる気を出すコツ

やる気が出ないと、自分を責めてしまう。でも、やる気は「やり始めると出てくるもの」なので、やる気が出ない状態はむしろ「ふつう」なのだ。

「やる気を出すためのコツ」は3つある。1つ目は「心からやりたいこと」なのか、「実はそこまでやりたくないこと」なのかをはっきりさせることである。「○○をやりたい!」と口に出した際、清々しい気持ちになるか、モヤモヤとした違和感があるかで判断できる。

2つ目は、心からやりたいことの場合は「○月○日○時から」と予定に組み込むこと。そこまでやりたくないことであれば、仕方ないなくらいの気持ちでさらっと始めるようにするとよい。

3つ目は、「とりあえず」というワードを活用することだ。やる気が出ないけれど英単語をマスターしたいなら「とりあえずテキストを開けばOK」という具合に、できることから始めるのがよい。

何もしないことも大事

がんばり屋さんは、旅行や買い物、ヨガなど、「何かする」ことで、膨らんだストレスを解消しようとしがちである。しかし、そうした人の場合、「『何もしないこと』が一番のストレス解消になる」ことがあるという。

ストレスは心と体が緊張した状態だ。何もせず休むことで、心と体をほぐしてあげられることは多い。一人で何もしない1日を想像してみた時、「せっかくの休みなのにもったいない」と感じたり、不安になったりする人ほど、何もしない日が必要だ。「自分のストレス解消のために何もしないことは、何かすることと同じく立派な予定」なのである。

「何もしていないのに疲れる」ということはない。それは、何かについての考えごとや悩みごとで手いっぱいのサインである。

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要約公開日 2023.04.11
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