おだやかに、シンプルに生きる

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おだやかに、シンプルに生きる
出版社
出版日
2016年03月15日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

不安定な社会情勢、感染症の蔓延、物価の上昇など、現在は誰もが先の見えない不安にさらされている。ただ心おだやかに静かに日々を生きるというだけのことが、こんなにも難しい。周囲のものに心を乱されず、おだやかに生きるにはどうすればいいのだろうか。

「こうすれば絶対に大丈夫」という明確な答えはないが、先人たちの智慧はその指針を示してくれる。それが禅語だ。本書は曹洞宗の住職である著者が、日々をおだやかに過ごすためのヒントとなる禅語を紹介するものだ。「禅語」といわれると堅苦しくて身構えてしまうかもしれないが、本書では著者の平易な語り口とさまざまな経験談やたとえ話によって、禅の教えがすっと心に入ってくる。

禅の教えは、ストレスや不安への精神医学的な対処法のように即効性のあるものではないが、じんわりと時間をかけて心にしみわたっていく。生活のなかでふとした瞬間に思い出し、「こういうことか」と再度味わいなおす。本書で取り上げられる禅語は、そんなふうにゆっくりと効果を現してくるだろう。

自分がおかれている環境や、出会うタイミングによって、言葉の意味合いは変わってくる。禅語との出会いは一生ものだ。何度も何度も思い返し、そのときどきで違ったヒントが受け取れるだろう。

心おだやかに生きることが難しい現代にこそ、禅語は必要だ。一度深呼吸して、本書を開いてみてほしい。読み進めるにつれて、乱れていた心が落ちついてくるのがわかるはずだ。

ライター画像
千葉佳奈美

著者

枡野俊明(ますの しゅんみょう)
1953年、神奈川県に生まれる。曹洞宗徳雄山建功寺住職、庭園デザイナー、多摩美術大学環境デザイン学科教授。玉川大学農学部卒業後、大本山總持寺にて雲水として修行。禅の思想と日本の伝統的な考え方をもとに庭の創作活動を行ない、国内外より高い評価を得る。庭園デザイナーとして、芸術選奨文部大臣新人賞を初受賞。外務大臣表彰、カナダ総督褒章、ドイツ連邦共和国功労勲章功労十字小綬章など、受章・受賞多数。
著書に、『心配事の9割は起こらない——減らす、手放す、忘れる「禅の教え」』(三笠書房)、『禅が教えてくれる 美しい人をつくる「所作」の基本』(幻冬舎)、『思いが伝わる あなたと家族のエンディングノート——禅が教える豊かな人生の終い方』(PHP研究所)、『怒らない 禅の作法』(河出書房新社)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    私たちの心を乱す最も大きな要因は情報である。情報過多の現代社会で、私たちは自分にとって無意味な情報に振り回され、心が乱されている。また、価値観の多様化によって、自分と異なる考え方の人も周囲に増えている。現代人は混沌のなかで生きているようなものであり、現代社会はおだやかな心を奪うものであふれている。
  • 要点
    2
    このような環境のなかで心のおだやかさを取り戻すにはどうすればいいか。そのヒントは禅の教えのなかにある。禅の教えのなかから、不要な情報に流されず、心おだやかに生きる方法を自分なりに見出してほしい。

要約

禅語に学ぶおだやかな生き方

情報過多がおだやかな心を奪う

常におだやかな心を保つことは難しい。人間には感情があるからだ。喜怒哀楽の感情に心を支配されることで、私たちはおだやかな心を見失う。感情を押し殺す必要はないが、感情をむやみに外に向けて吐き出すのは控えるべきだ。一度吐き出した感情は元には戻らない。感情をぶつけられた相手の心もかき乱すことになる。むやみに感情をぶつけ合うのは、双方にとってよいことではない。

私たちの心を乱す最も大きな要因は、情報である。現代社会は情報過多の時代だ。しかし、そのほとんどは自分にとって無意味なものだ。無意味な情報に振り回されることで、私たちの心は乱されているのである。自分は自分だと言いつつも、どこかで他人や世間のことを気にしてしまう。さらに、価値観の多様化によって、自分と異なる考え方の人が周りに大勢いる。現代人は混沌のなかで生きているようなものであり、現代社会はおだやかな心を奪うものであふれているのだ。

そんな環境のなかで心のおだやかさを取り戻すにはどうすればいいか。明確な答えは見つからないが、禅の教えのなかにそのヒントがある。本書では、おだやかな心を取り戻すヒントとなるような禅語を抽出している。禅の教えのなかから、不要な情報に流されない生き方を自分なりに見出してほしい。

【必読ポイント!】 シンプルに生きる心構え

動中静(どうちゅうのじょう)
recep-bg/gettyimages

誰もが毎日を心静かに送ることを願っている。しかし、現実はなかなかそうさせてくれない。会社に行けば競争があり、社会のなかでは常に他人との比較に晒される。また、家に一人でいても、子供のことを考えて不安になったり、昨日の友人とのやりとりを思い出して怒りの感情がわいてきたりする。漠然とした将来への不安に押しつぶされそうになることもあるだろう。揺れ動く心をなだめるにはどうすればいいのだろうか。

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要約公開日 2023.05.02
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