トヨタ リーダー1年目の教科書

未読
トヨタ リーダー1年目の教科書
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トヨタ リーダー1年目の教科書
出版社
出版日
2022年11月24日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

あなたが考える「理想のリーダー」とは、どのようなタイプだろうか。本書『トヨタ リーダー1年目の教科書』における理想のリーダーは、「協働する力」のあるリーダーである。メンバーの価値観を尊重し、精神的に支え、それぞれが活躍できるチームをつくる。本書には、トヨタが長年培ってきた「協働するリーダー」に必要なノウハウがぎゅっと詰まっている。

協働するリーダーとは、とりもなおさず「人間力」にあふれたリーダーである。トヨタでは創業以来、仲間を家族のように思い、信頼関係に基づいたチームづくりを進めてきた。とくに“めんどう見”と呼ばれる公私を含めた先輩後輩の関わりは、チームの強い絆を育み、成果を生み出すベースとなっている。現代ではスタッフ間の蜜な関わりは敬遠されがちだが、多様な背景をもつ人たちが協働し、限られた時間内に結果を出すためには、互いの理解と信頼関係が不可欠だ。トヨタ式のリーダーは、今の時代にこそ必要な存在である。

本書は、累計100万部突破「トヨタシリーズ」の最新作であり、トヨタのチームづくりの哲学やリーダー教育に欠かせない「3つの技能」など、リーダーに必要なスキルや考え方を身につけることができる。全員がトヨタ出身であるOJTソリューションズのトレーナーたちが、実体験をもとに語る実践的なアドバイスは必読だ。組織や業界を超えたリーダーシップを学びたい読者にとって、非常に役立つ一冊となるだろう。

著者

(株)OJTソリューションズ
2002年4月、トヨタ自動車とリクルートによって設立されたコンサルティング会社。現場を率いるリーダーとなるコア人材を育て、変化に強い現場づくり、儲かる会社づくりを支援する。
本社は愛知県名古屋市。現場を指導するのは70人以上のトヨタ出身の「トレーナー」。トヨタ在籍40年以上の技術経験、管理職経験を持ち、トヨタ時代の豊富な現場経験を活かしたOJT(On the Job Training)を実施する。これまでに製造・食品・医薬品・金融・自治体など、600社以上の顧客企業にサービスを提供している。
主な著書に20万部のベストセラー『トヨタの片づけ』をはじめ、『トヨタ仕事の基本大全』『トヨタの問題解決』『トヨタの段取り』『トヨタの日常管理版』(すべてKADOKAWA)などがありシリーズ累計100万部を超える。

本書の要点

  • 要点
    1
    トヨタが考えるリーダー像とは、「人間力」「現場力」にあふれ、メンバーを「仕事だけでなく、社会人として一人前に成長させること」ができる人物である。
  • 要点
    2
    トヨタのリーダーに必要な「3つの技能」は、「TJI:仕事の教え方」「TPS:標準作業と改善」「TCS:明るい職場づくり」である。
  • 要点
    3
    リーダーの務めは、一人ひとりの力を発揮させ、成果へと結びつけることである。そのためには、信頼関係にもとづいた人間性重視の職場づくりが求められる。

要約

トヨタの考えるリーダー像

トヨタに受け継がれる“めんどう見”

トヨタでは伝統的に “めんどう見”が受け継がれている。“めんどう見”とは、文字通りリーダーや先輩がメンバーや後輩の面倒を見ることである。しかし、トヨタの“めんどう見”はそのレベルに留まらない。トヨタの“めんどう見”は、「成果を出し続けられる強い職場づくりを目指し、メンバー一人ひとりが安心して、いきいきと仕事に取り組むために、信頼関係を築きながらサポートすること」である。つまり、メンバーの技能向上に加え、意識を高めることや問題のケアまで求められているのだ。

この源流を遡ると、1935年に制定された『豊田綱領』に行きつく。『豊田綱領』は、トヨタグループの創始者・豊田佐吉の遺訓をもとにまとめたトヨタの原理原則であり、現在もトヨタグループの精神的支柱となっている。

その遺訓のひとつに「温情友愛の精神を発揮し家庭的美風を作興すべし」という教えがある。「従業員は互いが家族のように信頼し合い、ともに悩みながら打開策を模索していくべきだ」という意味であり、この“家庭的美風”が“めんどう見”の根底に流れている。

先輩は後輩に仕事を教えるだけでなく、社会人として一人前に成長させること。これが、トヨタが考えるリーダーとしての責務である。

リーダーに必要な「人間力」
FG Trade/gettyimages

異なる背景をもつ人々が集まる協業の現場で、最も重要なのは「人間力」だ。経験や価値観の異なる人たちがともに協力し、新たな価値を生み出すためには、互いの理解が不可欠である。相手を「一緒に働きたい仲間」として信頼関係を結ぶことで互いの能力が発揮され、スピーディーな結果を出すことにつながるからだ。

リーダーには「現場力」も必要だ。トヨタでは現場をまとめる組長や工長は、メンバーたちから“おやじ”と尊敬の心を持って呼ばれてきた。彼らは高技能者であるだけでなく、部下の日々の様子に目を配り、彼らが伸び伸びと集中して働ける環境を整えている。

前副社長の河合満氏は、鍛造部で長年腕を磨いてきた現場のたたき上げだ。2017年に副社長に就任した後も、執務室を鋳造の現場に置き、現場とともにあることを大切にしてきた。2020年、河合氏の肩書は副社長から“おやじ”になった。これは、河合氏が高い技能と人間力を兼ね備えた象徴的なリーダーだという、トヨタの意思表示である。

個人の時代に人間力を持ち出すことは、懐古的に映るかもしれない。しかし、リーダーが果たすべき基本的な役割や行動原理は、そう簡単には変わらない。人間力にあふれた人物は、これからの時代さらに重要になっていくだろう。

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要約公開日 2023.04.19
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