サクッとわかるビジネス教養 経済学

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サクッとわかるビジネス教養 経済学
出版社
新星出版社

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出版日
2022年11月25日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.5
革新性
3.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

あなたは自信をもって「経済の話ができる」と言えるだろうか?日々のニュースをチェックしていれば、世の中の動きや出来事をある程度は把握できる。しかし、そこに至る根本的な原因を理解しているかと言われると、ちょっと怪しいという人は多いかもしれない。

そんな、あやふやな経済知識をしっかり腹落ちさせてくれるのが本書だ。本書は、累計50万部の人気シリーズ「サクッとわかるビジネス教養」の一作であり、イラストや図解とともに経済学をやさしく解説してくれる。経済学に苦手意識を持っている人にうってつけの一冊だ。

かといって、初心者向けというわけでもない。本書の監修は、公共経済学の第一人者である東京大学名誉教授の井掘利宏氏が担当しており、一歩踏み込んだ内容になっている。

本要約でもいくつか紹介しているが、オイルショックやアメリカのTPP離脱など、実際に起こった出来事を数多く事例として取り上げている。経済の仕組みが世の中に与える影響を実感できるはずだ。

生活していく上で、誰もが経済と無関係ではいられない。それなら経済を理解し、味方につけたほうがいいだろう。特にここ数年、毎日のようにコロナ禍の影響や不安定な世界情勢が報道されており、経済に危機感を持っている人も少なくないと思う。

本書を読むだけで、経済に関わるニュースの見え方が変わってくる。今まで苦手意識を持っていた人でも、経済にがぜん興味が湧いてくるだろう。

ライター画像
中山寒稀

著者

井堀利宏(いほり としひろ)
1952年、岡山県生まれ。政策研究大学院大学名誉教授。東京大学名誉教授。専門は財政学・公共経済学・経済政策。
東京大学経済学部経済学科卒業、ジョンズ・ホプキンス大学博士課程修了(Ph.D取得)。東京都立大学経済学部助教授、大阪大学経済学部助教授、東京大学経済学部助教授、同大学教授、同大学院経済学研究科教授を経て2015年同大学名誉教授。同年4月より政策研究大学院大学教授、2017年4月に同特別教授、2022年4月より現職。
著書に『大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる』(KADOKAWA)、『政治と経済の関係が3時間でわかる教養としての政治経済学』(総合法令出版)『入門経済学』(新世社)など多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    企業が利潤を増やすためには、「収入を増やす」「費用を減らす」「その両方」という3つの方法がある。短期間で成果が出る方法は、「費用を減らす」である。
  • 要点
    2
    経済における政府の役割に「資源の配分」「所得の再分配」がある。公正な自由競争を担保するために、企業に規制を設けたり、税制や社会保障制度によって所得の不均衡を是正したりしている。
  • 要点
    3
    インフレには良いものと悪いものがある。物価が上がっても景気拡大を伴っていれば「良いインフレ」。物価だけが上がり、企業の利益や従業員の収入が上がらないのは「悪いインフレ」だ。

要約

日常生活の経済学

モノの値段は買い手と売り手が決める
イラスト:白井匠

モノ(財やサービス)の価格は、需要量と供給量により変動する。

買い手側から見ると、価格が高くなると買う量が減り、価格が安くなればたくさん買えるようになる。たとえば、ドーナツを食べたいと思っても、価格が上がると割高だと感じるため、買う人が減る。逆に価格が下がれば、購入する人は増えるだろう。

一方で売り手側は、価格が高くても売れるなら生産量を増やしていくし、新規参入する企業も出てくるため、市場全体の流通量は増えていく。逆に、価格を下げなければ売れない場合は儲けが少なくなり、赤字になる可能性も出てくるだろう。すると生産に消極的になり、撤退する企業も出てくる。その結果、供給量は減っていく。

買い手が求める量である需要と、売り手が売りたい量である供給のバランスがとれる点が「均衡取引量」である。その価格が「均衡価格」であり、モノの値段になる。

もし、供給過多や需要過多があっても、市場取引を繰り返すことにより、価格の自動調節機能が働き、需要と供給は一致していく。これをイギリスの経済学者アダム・スミスは、「神の見えざる手」と表現している。

企業の目的は「利潤」

利潤を増やす方法とは?

販売で得た収入(売上)から費用を引いた金額を利潤という。その利潤を最大化するのが企業の目的だ。

利潤を増やすためには、「収入を増やす」「費用を減らす」「その両方」という3つの方法がある。収入を増やすには、多くの商品を売ることが必要だ。そのためには、生産要素である労働、資本(原材料や生産設備など)、土地を投入し、生産量を増やさなければいけない。つまり、コストや時間がかかるのだ。。

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要約公開日 2023.05.10
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