AI分析でわかった トップ5%セールスの習慣

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AI分析でわかった トップ5%セールスの習慣
出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン

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出版日
2023年04月25日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

営業パーソンがパフォーマンスを上げる必要があるとき、たいていの上司は「行動量を増やせ」「プレゼン力を上げろ」とアドバイスをするものだ。だが、本当にこれらのアドバイスは正しいのだろうか? 上司を信じて愚直に取り組めば、成果が上がるのだろうか? その答えを提示してくれるのが本書である。

本書は『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』に始まる人気シリーズの第4弾である。今回の調査・分析の対象はセールス(営業パーソン)だ。

著者の越川慎司氏は、800社以上のクライアントを対象として、3年半かけて「成果を出し続けているセールス」についての調査と行動実験を繰り返した。さらに、調査を通して見つけた「トップ5%セールス」の特徴を、一般的な「その他95%セールス」が9か月間真似をしてみるという「再現実験」を、のべ2.1万人で実施したという。その結果、95%セールスの成績は平均1.2倍上昇したそうだ。

本書を読むと「行動量を増やす」「プレゼン力を上げる」というアドバイスは、必ずしも正解ではないとわかる。要約者にとって印象的だったのは、トップ5%セールスは「注力案件」と「手を抜く案件」を分けているということだ。どのような案件なら手を抜いてよいのかも詳細に示されており、興味深い。

越川氏は「はじめに」に「『自分でやってみるならどれにしようか』という観点で読み進めてください」と書いている。ぜひ、読んで終わりでなく、実際にアクションしてみてほしい。

著者

越川慎司(こしかわ しんじ)
株式会社クロスリバー 代表取締役CEO
国内外の通信会社勤務を経て、2005年にマイクロソフト米国本社に入社。のちに日本マイクロソフト業務執行役員としてPowerPointやExcelなどの事業責任者。2017年に働き方改革の支援会社であるクロスリバーを設立し、メンバー全員が週休3日、複業(専業禁止)を実践。800社以上の業務改善、会議改革や事業開発を支援。講演・講座は年間400件以上で平均満足度は94%。
著書に『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『仕事ができる人のパワポはなぜ2色なのか?』(アスコム)、『17万人をAI分析してわかった いやでも成果が出る考動習慣』(アチーブメント出版)、『29歳の教科書』(プレジデント社)など多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    トップ5%セールスの75%はラッキー案件を経験している。また、ラッキー案件を獲得するために「行動量を増やしている」「ラッキー案件の再現性を高める工夫をしている」という共通点があった。
  • 要点
    2
    トップ5%セールスは商談本番において、「疑問」→「調査」→「解釈」→「本質」→「変化」を顧客に提示していた。これらのうち、アポ打診時には「調査」と「本質」を強調している。
  • 要点
    3
    トップ5%セールスは、顧客の社内評価を上げるために行動する。相手の評価が上がれば、追加契約の可能性が高まるからだ。

要約

成果を出し続けるセールスは、何が違うのか

調査と行動実験から見えてきたこと

本書は「頑張っているのに結果が出ないセールス」を救いたいという思いから執筆されたものだ。

著者は800社以上のクライアントに声をかけ、「成果を出し続けている人」について、3年半かけて調査と行動実験を繰り返した。さらに、調査を通して見つけたトップ5%セールス(以下、5%セールス)の特徴を、一般的な「その他95%セールス」(以下、95%セールス)が9か月間真似をしてみるという「再現実験」を、のべ2.1万人で実施した。すると、再現実験を行った95%セールスの成績が平均1.2倍上がったのだ。

本書では、調査データと行動実験をもとにした「再現性の高い行動ルール」を紹介している。

5%セールスの意外な共通点

相手に「聞いている姿」を見せる
kokouu/gettyimages

「トップの営業成績を残す人」=「華麗なプレゼンテーションをする人」ではない。調査では、「プレゼンテーションは苦手だ」と回答したトップ5%セールスは全体の61%にのぼった。

ヒアリングで分かったのは、5%セールスは話し上手というより聞き上手ということだ。同じ社内で同僚にランダム・ヒアリング(対象者および回答者を無差別にピックアップして調査)をすると、78%の回答が「あの人(5%セールス)は聞き上手」と答えた。

話を聞く際、相手に好印象を与えるポイントは、「聞いている姿を相手に見せること」にある。5%セールスは、深くうなずき、あいづちを打ち、相手が話しているのをさえぎって話すことは決してしないようにしているそうだ。

メモをとっている姿を見せるのも、5%セールスの共通点だった。「今すごく大切なことをおっしゃったので、メモをとらせてもらってよろしいですか?」というと、心を傾けて「聞いている」ことが伝わり、相手も心を開いてくれる。

「ラッキー案件」の再現性を高める

5%セールスの75%はラッキーパンチを経験している。営業におけるラッキーパンチとは、担当者の能力に関係なく、運よく大型案件を獲得することをいう。さほど重要視していなかった顧客から高額の発注をもらったり、ふらっと店舗に立ち寄った顧客が高額商品を即決購入してくれたりするようなケースだ。

5%セールスが「運」を味方につけるためにやっていることは2つある。

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要約公開日 2023.05.18
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