精神科医Tomyの心が凹んだときに読むクスリ

未読
精神科医Tomyの心が凹んだときに読むクスリ
精神科医Tomyの心が凹んだときに読むクスリ
未読
精神科医Tomyの心が凹んだときに読むクスリ
出版社
出版日
2021年01月20日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
要約全文を読むには会員登録ログインが必要です
ログイン
本の購入はこちら
書籍情報を見る
本の購入はこちら
おすすめポイント

本書は、Twitterで38万人以上のフォロワーに支持されている精神科医Tomy氏の初の著作の文庫化である。これは、2010年に開始されたブログ「ゲイの精神科医Tomyのお悩み相談室」に寄せられたお悩みに対する答えをまとめたものだ。ブログでお悩み相談をしているうちに、著者はその効果に気がついたという。日々携わる精神療法やカウンセリングでも伝わらないようなことが、たくさんの読者に伝わっている実感があるというのだ。本書に掲載されたアドバイスのどれもが思わず頷かされる内容でありながら、単なる「正論」をふりかざしているわけではない。著者の周囲にいる個性的な人たちのエピソードがちりばめられていて、非常に読みやすい。あとがきで「楽しくて、役に立つ」をモットーに掲げて書いたと紹介されているそのままに、その軽妙な語り口やエピソードによって、とにかく読んだ者が明るくなれる内容だ。

自分の心が凹んでしまったとき、もうすでにエネルギーを使い果たしているので、なかなか誰かに悩みを共有したり、相談したりすることが難しいという経験は、誰しもあることだろう。そんなときに、さまざまな角度から、幅広い悩みを収録している本書は、いつでも帰ってきていい、自分を受け入れてくれるあたたかい場所にも感じる。つらい気持ちになったとき、そっとそばにいてくれる友人のような存在として、手元に置いておきたい一冊である。

著者

精神科医Tomy (せいしんかい とみー)
1978年生まれ。某国立大学医学部卒業後、医師免許を取得。
研修医修了後、精神科医局に入局。精神保健指定医、日本精神神経学会専門医。
現在はクリニックにて、日々数多くの患者と向き合う。
フジテレビ「ノンストップ!」など、覆面でテレビ・ラジオ番組にも多数出演。
2019年6月から本格的に投稿を開始した大人気Twitter「ゲイの精神科医Tomyのつ・ぶ・や・き♡」は、「日ごろのモヤモヤを吹き飛ばしてくれる」「一瞬で心が癒される」と話題に。
舌鋒鋭いおネエキャラで、斬り捨てる人は斬り、悩める子羊は救うべく
活動を続けている。
著書に『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)、『人の好き嫌いなんていい加減なものよ。』(KADOKAWA)など多数。
Twitter:@PdoctorTomy

本書の要点

  • 要点
    1
    心には波がある。悲しいときに落ちこむこともあれば、そこから立ち直って元気にもなれる。重要なのは、この波に従うこと。つらい気持ちの波が荒れているときは、下手に立ち向かおうとせず、波に揺れるブイのように、感情に身を委ねるとよい。
  • 要点
    2
    失恋したときは、世界遺産のように自分の中で変わらないもの、つまり「自分遺産」に目を向けるとよい。
  • 要点
    3
    親との関係性で重要なのは、時に「ガチンコ勝負」をすること。ただし、怒鳴ったり手を出したりせず、冷静に自分のことを理解してもらうこと。

要約

【必読ポイント!】 仕事をやめたい、そんなときは

職場を転々とするYさん

仕事は大変なものだ。想定外のことが発生したり、上司に叱られたり、部下がなかなか指示通りに動かなかったり。対人関係をとっても、苦手な人と折り合いをつけなければならず、やりたくない仕事をやらざるを得ないときも少なくない。

派遣社員として働くYさんも、仕事を大変に感じる1人だ。仕事が増えたり、残業しなければならなくなったり、クレームが入ってきたりすると「なんだか違う」と感じ、仕事をやめてしまうという。Yさんはこれまで、複数の職場を渡り歩き、3カ月前に現在の職場に入社。現職でも、歳が離れた先輩に注意されることが多く、苦痛に感じ始めている。そんなYさんに、著者は「仕事なんてつらくて当たり前。だからこそ、対価として給料がもらえるのだ」と言葉をかけた。すると、Yさんは「転職した際はすぐにやめるつもりがないのに、しばらくするといろいろ出てきてストレスになるのがイヤ」と答えた。

ストレスから逃げずに「共生」してみる
cagkansayin/gettyimages

著者は、Yさんの考え方に対して、「常にストレスのない仕事を求めて転職を繰り返すことになってしまう」と指摘する。高いところから低いところへ流れることは簡単だが、最終的には淀んだ水溜まりにたどりつくことしかできない。そして、その水溜まりもいつかは干上がる。ストレスやつらいことから逃げるだけでは、それらに立ち向かうスキルが身につかず、最後には行き詰まりを迎える。そうなれば、もともと持っていたはずの能力すら失われてしまう。

もっと見る
この続きを見るには...
残り4065/4711文字
会員登録(7日間無料)

3,400冊以上の要約が楽しめる

要約公開日 2023.07.04
Copyright © 2024 Flier Inc. All rights reserved.
一緒に読まれている要約
人のために頑張りすぎて疲れた時に読む本
人のために頑張りすぎて疲れた時に読む本
根本裕幸
未読
健康になる技術 大全
健康になる技術 大全
林英恵
未読
ほんとうの心の力
ほんとうの心の力
中村天風
未読
一番大切なのに誰も教えてくれない メンタルマネジメント大全
一番大切なのに誰も教えてくれない メンタルマネジメント大全
野中香方子(訳)ジュリー・スミス
未読
こじらせない心の休ませ方
こじらせない心の休ませ方
保坂隆
未読
「他人に振り回される私」が一瞬で変わる本
「他人に振り回される私」が一瞬で変わる本
山本千儀
未読
スマートな悪
スマートな悪
戸谷洋志
未読
同調圧力のトリセツ
同調圧力のトリセツ
中野信子鴻上尚史
未読
法人導入をお考えのお客様