大富豪と一般の人で全く異なるのが、「お金を増やすための発想」である。
著者がこれまで出会った大富豪から学んだのは、お金を増やすために元手を稼ぐのではなく、「まず大きなお金を集める(借りる)」という「大富豪マインド」だ。
会社の経営者として成功し、お金持ちになった人は、「働いて人を雇い、会社を大きくする。その後、株主として投資家になり、成長したビジネスを売る」という流れが多い。しかし、実業ビジネスの成功は難しい。資産を構築するまでに必要な期間もわからない。「投資家」と「経営者」は全く異なる存在なのだ。
投資家としての資産構築は、誰でも成功できる。「大富豪マインド」を持ち、投資初期から大きなお金を動かして、無駄遣いを排除する。減らさないように運用すればいいだけだ。
ある資産家は、「お金があっても、借金をする」という。真の資産家になるためには、最初に大きなお金を持つことが大切である。堀江貴文氏も「小銭を投資しても絶対に負ける」と語っている。「まずは元手を稼ごう」と思うのは、「貧者の発想」なのだ。
10万円と1億円を年間5%の利率にそれぞれ投資することを考えたら、その結果は歴然だろう。10万円の投資は年間5000円、1億円の方は年間500万円の利益になる。毎年500万円の配当が得られれば、「本物のFIREが実現する」はずだ。
著者の生徒で、3400万円もの借金を完済した人の例を紹介しよう。
彼は、旅行関係の事業で独立し、成功していた。ところが詐欺師にだまされ、地獄に転落するはめになる。一時期、10億円を超えていた資産は、1週間でゼロになり、生活のための借金を余儀なくされた。借金を返しては再び借りることを繰り返し、個人事業とアルバイトを掛け持ちして働き続けた。そんな状況を見かねた知人が紹介してくれたのが、ドバイのファンドマネージャー、ゴードンだった。ゴードンの教えを忠実に守った結果、1年半で借金を完済し、現在は1.5億円を運用する投資家になっている。
彼のように早く人生を逆転させて「億り人」になる人は、自己流の思考を封印し、「ケタ違いの資産家」の教えを淡々とこなしている。「資産構築に現在の資産や借金は関係ない。むしろ徹底的にお金が無い人の方が、プライドも見栄も捨てられるから強くて早い」とゴードンも断言する。
本当のお金持ちとは、年収や売上が高い人ではなく、「金の卵」を産み続ける「金の鶏」を飼っている人だ。「自動的にお金がたくさん入ってくる仕組み」を持つことが大切なのである。
資産家たちは、個人の資産であっても「BS脳」で考えている。BSとはバランスシート、貸借対照表のことだ。ここでは「負債も資産」になる。
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