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出版社
かんき出版

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出版日
2023年07月20日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

話すことに苦手意識を持つ人は多い。一口に「話す」と言っても、シーンもやり方もさまざま、苦手意識を抱いている理由や原因も人それぞれだ。本書は、そんな話し方の「すべて」を網羅するように、実用的なコツを70の項目に分けて紹介している。

驚くべきはその網羅性だけではない。紹介されている解決策がすぐに実践できるような「ちょっとしたコツ」であることが最大の魅力だ。例えば、要約者は商談やミーティングで本題に入る前の雑談に苦手意識があった。何を話題にすればいいのか、どうやったら相手の緊張をほぐせるのか。本書で「雑談」の章をめくってみると、すぐに取り入れられそうなコツがいくつも並んでいた。さっそく翌日から職場で実践してみると、「ちょっとしたコツ」で、相手の表情がいつもより柔らかくなったのを実感できた。

こんなにすぐに効果が実感できる会話のコツが、わかりやすく言語化されているのは、著者自身がかつて会話に苦手意識があったからこそだろう。今ではコミュニケーションの専門家である著者も、新卒時代には営業成績が全国ドベで左遷された経験すらあるというから驚きだ。そんな著者だからこそ、会話が苦手な人の気持ちに寄り添い、実践に役立つ形でコツをまとめている。話し方を研究し、会話下手を克服した著者が「こんな本があったらよかった」という思いでまとめあげた本書は、かつての著者のように会話に悩む人を救ってくれる一冊となるだろう。

ライター画像
霧島大和

著者

桐生稔(きりゅう みのる)
株式会社モチベーション&コミュニケーション代表取締役、日本能力開発推進協会メンタル心理カウンセラー、日本能力開発推進協会上級心理カウンセラー、一般社団法人日本声診断協会音声心理士
1978年生まれ。新潟県十日町市出身。2002年、大手人材派遣会社に入社。営業成績がドベで新卒3カ月で左遷されるが、そこから一念発起し、全国で売上達成率No.1を獲得。その後、音楽スクールに転職し、事業部長を務める。
2017年、社会人の伝わる話し方を向上すべく、株式会社モチベーション&コミュニケーションを設立。全国40都道府県で年間2,000回、伝わる話し方セミナー・研修を開催。セミナーや研修では、60分に20回以上笑いが起き、会場が盛り上がり、最後には衝撃的な感動が走る「心震わすメソッド」をお届けしている。
具体的で分かりやすいメソッドは評判を呼び、日本経済新聞、プレジデント、東洋経済ONLINE、Yahoo!ニュース等に掲載される。テレビ朝日「マッドマックスTV論破王』ではディベートの審査員も務める。
著書に、『雑談の一流、二流、三流』『説明の一流、二流、三流』(共に明日香出版社)、『「30秒で伝える」全技術「端的に話す」を完璧にマスターする会話の思考法』(KADOKAWA)、『緊張しない「最初のひと言」大全』(Clover出版)、『話し方の正解』(かんき出版)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    雑談がうまい人は、会話のきっかけに「質問」をうまく使う。質問することで、相手は自分のことを話す時間が増えて、気分が良くなるからだ。
  • 要点
    2
    人前で話すときにあがらないようにするには、本番の解像度を極限まで高めて事前準備をすることだ。
  • 要点
    3
    説明をするとき、多くの人は言いたいことをまとめようとする。だが、本当にやるべきなのは、相手の「顔」を思い浮かべることだ。
  • 要点
    4
    説得力を持って話すには、「主張」「事実」「論拠」のサイクルを回す「トゥールミンモデル」がおすすめだ。

要約

話がおもしろいように続く「雑談」

雑談がうまい人が会話のきっかけにしているのは?

あなたの周りに、この人にはなぜか心を開いて話してしまうという相手はいないだろうか。そういう人は、「質問」をうまく使っている。話したことについて心地いいタイミングで質問してくれる人が相手だと、思わず会話がはずんでしまう。

質問されると、それに答えるために自分が話す機会が増える。これが、人に快楽を与えるのだ。ハーバード大学のジェイソン・ミッチェル博士は2012年、自分のことを話すとき、快楽ホルモンと言われるドーパミンを分泌するシステムが活性化することがわかったと発表している。つまり、人間は自分の話を聞いてほしくて仕方ない生き物なのだ。

これを踏まえれば、会話をはじめるきっかけは、「質問する」ことが最適だ。初対面ならば「こんにちは」+「会社はお近くなんですか?」、職場なら、「おはよう」+「最近、忙しそうだね?」、お客様を訪問したときには「本日もよろしくお願いします」+「新商品を次々に発売されていますね?」と、いつものあいさつに1つ質問を付け加える。たった1つの質問が、良質なコミュニケーションを生むきっかけとなるだろう。

会話が続く話題の見つけ方
kokouu/gettyimages

仲のいい人とご飯を食べにいったり飲みにいったりすると、楽しい時間を過ごしたことは覚えていても、他愛のない話の内容までは覚えていないものだ。これは、雑談は話す「内容」より、楽しかったという「感情」が優先されるからだ。

会話が続かずに困っている人は、話題を「見つける」ことに必死になりすぎている。雑談で話題を見つける必要はない。目の前のものに「触れる」だけで十分だ。

例えば、カフェで打ち合わせをするなら、「スペースが広めで結構いいですよね」「〇〇さん、冬でもアイスコーヒーなんですね」と、目の前にある情報に触れるだけで会話がはじまる。何を話そうなどと悩む必要はない。あなたの目の前はすでに話題の宝庫なのだ。

話が盛り上がる展開法

相手から話を引き出すのが天才的に上手い人がいるが、ものすごい必殺技を使っているわけではない。使われているのは自然な「接続ワード」だ。

さりげなく話を進めるためには「それで」「それから」、具体化して話を進めるためには「ということは」「具体的には」、展開を作って話を進めるためには「ちなみに」「なんで」というワードで、相手が話しやすいように会話を進展させていく。

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要約公開日 2023.11.06
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