うまくいくリーダーだけが知っていることの表紙

うまくいくリーダーだけが知っていること


本書の要点

  • 指示の理由まで把握しないと動けない部下ばかりだと、スピーディーに仕事を進められない。組織を成長させるためには、細かい理由を説明しなくても「あなたが言うなら」と動いてくれるような部下を育てることが不可欠だ。

  • 一部の人だけではなく、組織全体が勝てるような仕組みをつくるのがリーダーの仕事だ。一人が100歩進むのではなく、100人が着実に一歩進めるような仕組みを考えよう。

  • リーダーは部下に負けるポイントをつくっておくべきだ。完璧な自分を演出するのはやめ、部下を勝たせよう。

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生産性の高い組織のつくり方

5段階の「わかりました」を理解する

リーダーは部下に対して、仕事以外の指示を出してはならない。上司という立場を利用してゴルフに誘ったりプライベートのお願いをしたりするのはNGである。

指示を出したとき、部下は「わかりました」などと言ってくれるだろう。この返事には5段階ある。前向きな順に、笑顔で即答する「やります」→笑顔がなく、一瞬の間のあとに言う「理解しました」→答えるまでに10秒かかる「考え中」→30秒かかる「評価中」→30秒以上かかる「二度と言われたくない」だ。

部下にも感情がある。口では「わかりました」と言ってくれていても、心の中では別のことを考えている可能性もある。

部下は上司に対して、想像以上に気を遣っているものだ。そんな部下の気持ちを理解し、相手を安心させることに心を砕きたい。

目的と全体像を伝える

staticnak1983/gettyimages

ちゃんと指示したはずなのに、部下が勘違いをしていた――。こうしたすれ違いの一番の原因は、「部下が作業の目的を理解できていないこと」にある。裏を返せば、全体像をしっかりと伝えていない上司に責任があるといえる。仕事を進めるうえでは、目的や全体像をしっかり伝えなければならない。

部下に対して仕事の目的をわかりやすく伝えたいなら、次の順番を守るといいだろう。

目的→目標→現状→現状とのギャップ→ギャップを埋めるための戦略→ギャップを埋めるための戦術→日々のタスク

このサイクルを常に共有して、「いま、どこに向かっているのか」を繰り返し伝えていく。そうすれば自然と生産性が上がるだろう。

本人に直接ダメ出ししない

あなたが想像している以上に、部下は上司からのダメ出しやフィードバックに凹んだり傷ついたりするものだ。

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要約公開日 2023.11.17
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