「ダメ子育て」を科学が変える!全米トップ校が親に教える57のこと

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出版社
SBクリエイティブ

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出版日
2023年07月15日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

子育てというのは身近なのに複雑だ。本屋に行けば子育てに関する本は何冊も棚に並んでいるし、テレビでも芸能人や専門家が子育てのなんたるかをよく説いている。しかし、そうした情報はどこまで信じていいのだろうか。人は誰しも自分の経験から教育を語りがちである。「私はこうして育った」「こういう教育方法に効果があった」。そうした個人の経験則に依拠する方法の中には、他の人にとっては役に立たないものも少なくない。それどころか、科学的に見れば逆効果であるものまで含まれている。

そこで本書が紹介するのは、「科学的子育て」である。本書の子育て論の大きな柱となっているのは科学、とりわけ脳科学と心理学である。科学的に効果が確認されているものだけを紹介することで、客観的に根拠のある方法を実践することができるのだ。もちろん、科学的に効果が確認されているからといって、誰にでも効果があることが約束されているわけではない。それでも、主観的な経験をよりどころにした子育て論をいくつも試すよりも、まずは「科学的子育て」を実践してみたほうが、自分の子どもに合った方法を効率的に見つけることができそうだ。「実はダメな子育て」を避けることにもつながるはずだ。

教育者として経験豊富な著者の温かい目線を感じながら読み進めることのできる本書は、子どもと関わる多くの人にとって役立つことだろう。

著者

星友啓(ほし ともひろ)
スタンフォード・オンラインハイスクール校長/哲学博士/Education; EdTechコンサルタント。1977年東京生まれ。2008年スタンフォード大学哲学博士課程修了後、同大学哲学部講師として論理学の教鞭をとりながら、スタンフォード・オンラインハイスクールスタートアッププロジェクトに参加。2016年より校長に就任。現職の傍ら、哲学、論理学、リーダーシップの講義活動や、米国、アジアにむけて、教育及び教育関連テクノロジー(EdTech)のコンサルティングにも取り組む。2001年東京大学文学部思想文化学科哲学専修課程卒業。2002年より渡米、2003年Texas A&M大学哲学修士修了。 著書に『スタンフォード式 生き抜く力』(ダイヤモンド社)、『スタンフォードが中高生に教えていること』(SB新書)、『脳科学が明かした!結果が出る最強の勉強法』(光文社)、『全米トップ校が教える 自己肯定感の育て方』(朝日新書)、『子どもの「考える力を伸ばす」教科書』(大和書房)がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    世の中にはいろいろな子育てがある。けれどもそれらのなかには、一見有効そうに見えても、効果がないものや、むしろ逆効果のものまで含まれている。脳科学や心理学といった科学を根拠に客観的なアプローチを子育てに取り入れることで、ダメ育児を回避しやすくなる。
  • 要点
    2
    人間の脳には理性を司る部分と感情を司る部分がある。子どもが癇癪を起しているときは、感情を司る部分が活発なので、まずは落ち着かせてから適切な指導をするべきだ。
  • 要点
    3
    現代の子育ては求められるものが多く、それでいて孤独だ。親もしっかりとメンタルケアをし、ストレスとうまく付き合った上で子育てをより良いものにしていきたい。

要約

【必読ポイント!】科学的な子育てとは

ダメ育児を回避する、科学の力
Rudzhan Nagiev/gettyimages

子育てに悩んでいるとき、他人の子育ての成功事例を目にすると、参考にしたくなってしまうものだ。たとえば、受験生の子どもの成績が伸び悩んでいるときに、「毎朝5時の起床で志望校に合格しました!」と言われたら、試してみようかなという気持ちになるかもしれない。しかし、5時起きはすべての子どもに有効なのだろうか。子どもを取り巻く環境は千差万別だ。5時起きをしていた子どもの成功要因は早起き以外のところにあるかもしれない。他の子にとっては5時起きの実践が悪影響になることさえある。

5時起きは極端な例であるが、他人がうまくいったやり方があったとしても、変わりゆく時代の中で他の人にも同じような効果をもたらすとは限らないというのは重要な視点だ。そこで取り入れたいのが「科学的子育て」だ。子育てには科学的な研究成果が蓄積されてきた。それにより、科学的アプローチで子どもの能力を最大限に引き出すような子育て方法も明らかになってきている。こうした研究成果により、これまで個人的な経験則で「絶対効果的」と言われてきた子育ての中にも、「ダメ子育て」が隠れていることがわかっている。

ここでは、一般の人が追いづらい、最新の脳科学と心理学を根拠とした、実践しやすい子育て方法を厳選して解説していく。ただし「科学的効果が確認されている」=「誰にでも効果が保証されている」ということではない。科学的な根拠があったとしても、自分の子には合わない可能性があることには注意が必要だ。それでも、情報が氾濫する現代において、客観的な効果が確認された「科学的な子育て」は優先されるべきだ。そうすることで、「ダメ子育て」を回避しやすいのもまた事実である。

「悪いことをしたらすぐ叱る」はダメ子育ての典型例

子どもが悪いことをした。だからすぐに叱る。子どもが忘れないうちに、叱るべき。これはよく聞く子育て法だが、じつは脳科学的には逆効果になる。

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要約公開日 2023.12.02
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