多くの人にとって、ノートやメモを取る理由は「1回で覚えられないから、あとでチェックできるように」というものではないだろうか。だが今の時代、スマホで写真も撮れるし録音してアプリで文字起こしすることもできる。「あとからチェック」が目的なら、ノートを取る時間は無駄でしかないはずだ。
東大生がノートやメモを取るのは、「咀嚼」するためである。手に入れた情報を整理して理解し、説明できるように変換する。つまりは知識を自分のものにすることが目的なのだ。
硬い食べ物を嚙み砕くのに丈夫な歯が必要なように、情報を分解して理解するには、それなりの「歯」を持たなければならない。そういう意味では、東大生は「歯が丈夫」である。どんなに難しい情報も噛み砕いて、飲み込みやすい状態にしてしまうからだ。東大生にとって、ノートやメモは「歯」だともいえる。
歯は食べるものによって使い方が変わってくる。それと同じで、情報もタイミングによって「食べ方」が変わる。東大生は段階に応じて「メモノート」「インプットノート」「アウトプットノート」の3冊のノートを使い分けているのである。
次章からは、この3冊のノートの概要と作り方を説明していく。
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