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世界一の富を築いたマスク、ベゾス、ゲイツが選ぶ100冊


本書の要点

  • 火星に行く宇宙ロケットを開発するイーロン・マスクの壮大な世界観は、アイザック・アシモフの『ファウンデーション』シリーズといったSFや、『ローマ帝国衰亡史』のような歴史書によって培われている。

  • 「短期的な利益よりも、長期的な成功を重視する」という哲学を持つベゾスは、『ビジョナリー・カンパニー』をはじめとした王道の経営学の本から学んでいる。

  • 現在では慈善事業に力を入れるビル・ゲイツは、科学や格差問題に関する経済学の書籍を多く読み、自身も貧困の解決をはじめとしたさまざまな問題に実践的に取り組んでいる。

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答えは本の中にある

謎を解くカギは「読書」にあった

Chinnapong/gettyimages

テスラのイーロン・マスク、アマゾンのジェフ・ベゾス、マイクロソフトのビル・ゲイツ。この3人の共通点は、「世界が注目する天才的なイノベーター」「10兆円以上の資産を持つ大富豪」などが挙げられるが、もうひとつある。それは、「猛烈な読書家」であることだ。

あらゆる業界秩序を破壊するイノベーターたちのユニークな発想はどこから来るのか。例えばイーロン・マスクは、「火星に行く宇宙ロケットを開発する理由」を問われた際、「人類の数千年にわたる歴史において、文明が発展した時期もあれば後退した時期もあった。再び同じことが起きないとも限らないため、危機に備えて地球以外に人類が住める場所を確保する必要がある」と答えたという。

マスクがこのような型破りな発想に至ったのは、彼が猛烈な読書家で、SFやファンタジー、歴史関連の書籍が大好きであることと無関係ではない。マスクの愛読書であるアイザック・アシモフの『ファウンデーション――銀河帝国興亡史』シリーズは、1万2000年続いた銀河帝国が衰退した後の宇宙を描いた壮大な作品だ。こうした読書経験は、火星を目指すマスクの思考の根底にあるのではないだろうか。

ベゾスとゲイツも読書家だ。幼少期から図書館に足しげく通っていたベゾスは、大人になって圧倒的な品揃えを誇る「インターネット書店」を開いた。また「読書オタク」として知られるゲイツは、年に2回ほど別荘に1週間こもって本を読みあさる「シンク・ウィーク(Think Week)」を1990年代前半から続けている。

彼らの読書範囲は広く、歴史から科学、SF、経済学、経営学、自己啓発まで多岐にわたる。さらに古典から最近の本まで網羅し、教養を常にアップデートしているのである。

要約では3人の読書リスト100冊の中から、特に人生哲学に影響を与えたものを抜粋して紹介する。

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【必読ポイント!】イーロン・マスクが選ぶ本

『ローマ帝国衰亡史』250年前の歴史古典

「歴史の本を読むことに魅了されている」。イーロン・マスクはこう語っており、特にローマ帝国に興味を持っている。

そんなマスクの愛読書のひとつが、エドワード・ギボンの『ローマ帝国衰亡史』である。本書の第一巻の発売は1776年で、約250年近く前に執筆された歴史古典だ。大変古い本ではあるが、退屈な年代記のようなものとは違い、歴代のローマ皇帝の成功や失敗、勇気、悩みに迫った非常に魅力的な内容だ。

長い歴史の中で、ローマ帝国には内戦・外国との戦争・疫病・飢饉・奴隷の反乱といった、あらゆる困難が襲いかかってきた。そのたびに当時の皇帝たちが難局に立ち向かい乗り越えることで、ローマ帝国は命脈を保っていったといえる。

本書はマスクだけでなく、ナチスドイツに追い詰められた英国を救った名宰相ウィンストン・チャーチルや、インドの初代首相であるジャワハルラル・ネルーなど、多くの指導者たちを魅了してきた。こうした偉人たちが『ローマ帝国衰亡史』を好んできた理由は、過去のリーダーたちの成功と失敗について学べる点にある。

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要約公開日 2025.01.31
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