自分の子どもに次のような質問をされたとしよう。
「夏休みの宿題はどれからやればいい?」
どう答えるのが正解だろうか。
①一番時間のかかりそうな宿題からやればいいんじゃない?
②自分の勉強だし自分で考えてみたら?
③トマトを口いっぱいに入れることじゃん?
正解は③である。この答えを意外に感じる人もいるかもしれない。当然ながら、トマトを口に入れても宿題は解決しない。もちろんこの答えには狙いがある。それは「この人に相談しても解決しない」と子どもに思わせることだ。転じて、問題を自分で解決する力を鍛えることが目的なのである。
大人は子どもに相談されると、どうしても即座に解決の道を示したくなる。けれども、それによって子どもが自分で決断することや失敗することを恐れてしまったらどうだろうか。長い目で見れば、目の前の問題を解決することよりも、人生において様々な困難を自力で解決する力を養うことの方が子どもにとって重要なはずだ。
戦略的ほったらかし教育とは、子どもが自然に学びたくなる家庭環境を親がつくり、そのうえで放任することである。子どもは自由に遊んでいて、「自分で選択できている」と満足している。でも、実際は親がその環境を整備している。これが理想なのだ。
親が子どもに求めているもの。それは、子どもが自分の力で幸せに生きていけるようになることではないだろうか。本来勉強は自分で幸せに生きていくために必要な道具にすぎない。にもかかわらず「他の子に比べてできていないのではないか」、という思いが強くなり、ついつい「ちゃんとやりなさい」と注意をしてしまう。
焦りと不安は次のような2つのスタイルに陥ってしまうことがある。
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