イライラ、さよなら。
イライラ、さよなら。
―不機嫌から卒業するための48のポイント
NEW
イライラ、さよなら。
出版社
出版日
2025年04月24日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

人間には「喜怒哀楽」の感情がある。なかでも「怒り」のエネルギーはすさまじく、怒りにまかせた言動によって、後悔した経験のある人もいるのではないだろうか。

とはいえ、「怒り」は自然に湧いてきてしまうものだ。通勤の満員電車で押しつぶされそうになったとき、職場で上司に鼻であしらわれたとき。疲れて帰宅した途端、パートナーにイラっとしたことを言われたとき。私たちの日常は小さな怒りにあふれ、日々、その感情に振り回されている。

怒りの対処については、「深呼吸をする」など、すでにさまざまな方法が提唱されている。もちろんそれらもよいが、あくまで応急処置といった位置づけだ。本書が一線を画すのは、対処療法に終始せず「怒りの構造そのもの」にアプローチする点である。著者の堀内恭隆氏は、認知心理学、脳科学、コーチングなどを研究し、「怒らない状態」になるための独自メソッドを考案した。自分を深く見つめ、怒りを抑え込むのではなく意識を変えることで、根本的な解決を目指していく。

目指すべきゴールは、怒りに影響されず、軽やかに生きられるようになることである。「怒り」の感情をもつこと自体は、決して悪いことではない。大事なのは、それをどう乗りこなすかである。もしあなたが、イライラして仕事がはかどらない、怒りを爆発させて人間関係がギクシャクした……という経験があるのなら、本書を手に取ってほしい。「怒りに影響されない自分」に一歩、近づけるはずだ。

ライター画像
Naoko Kubota

著者

堀内恭隆(ほりうち やすたか)
一般社団法人LDM協会代表理事。株式会社シンクロニシティ・マネジメント代表取締役社長。作家、講演家、カウンセラー。認知心理学、脳科学、コミュニケーション、コーチングなど、さまざまなテーマを長年にわたり研究。それらを統合したメソッド「LDM(ライフ・デザイン・メソッド)」を開発し、自分らしさを最大限に発揮する生き方を発信。受講者は1万5千人を超える。小学生のころから「自己催眠」の本を読み漁り、自身で人体実験を繰り返すなど、自他共に認める「人間の意識と無意識」領域のオタク。とくに「怒りのコントロール」については膨大な時間を研究に投下している。著書に『人間関係のおかたづけ』『シンクロニシティ・マネーの法則』(共にKADOKAWA)『シンクロニシティ・マネジメント』(サンマーク出版)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    怒りとは、感情の反応にすぎない。「私が怒っている」のではなく、「私のなかで、怒りという反応が起きている」と意識を転換してみるといい。
  • 要点
    2
    怒りの背景には、長年蓄積されてきた傷や抑圧してきた感情が隠れている。感情を相手にぶつける前に、自分の内面にある「本当の原因」を探すようにしよう。
  • 要点
    3
    心のエネルギーが解放されるとき、「怒り」として表に出ることがある。そんなときは無理に抑え込まずに、その感情を受け入れよう。
  • 要点
    4
    「心の解放ワーク」を行うと怒りがリリースされ、「本当の望み」が鮮明になる。

要約

「怒り」の構造

怒りは、あなたそのものではない

何かをきっかけに、「怒り」が湧き上がることがある。「自分は怒っている」と思うかもしれないが、実はそうではない。なぜなら、「怒り」は感情の反応であり、怒り自体があなたの本質ではないからだ。

つまり、「私が怒っている」のではなく、「私のなかで、怒りという反応が起きている」と捉えることができる。この意識の転換ができると、怒りに振りまわされないようになるだろう。

もし「怒ってしまった」としても、必要以上に自分を責めてはいけない。「いま、自分のなかで怒りの反応が起きている」と、認識することが重要だ。

「怒り」はあなたそのものではなく、一部でさえない。ただの吹き抜ける風のようなものだと捉えると、驚くほど心が軽くなるだろう。

怒りの「本当の原因」は何か?
takasuu/gettyimages

職場で何度も理不尽な扱いをされたり、家族にわかってもらえない状態が続いたり。そんなときに「ひどいことをされた」と感じるできごとがあると、それが引き金となって怒りが爆発することがある。

実はその怒りの背景には、長年蓄積されてきた傷や、抑圧してきた感情が隠れていることが多い。

怒りを感じたら、感情を相手にぶつける前に「本当の原因は何か?」と、一瞬でも自分の内側を見つめることが大切だ。すぐに解決できることではないかもしれないが、「距離を置いて、見つめる」こと。そうすると、いまの自分を解放することができるだろう。

怒りを感じるのは自然なこと

怒ることは「みっともない」「大人げない」ことで、感情を表に出すことは恥ずかしいとされる風潮がある。とくに日本では「怒りを表に出すべきではない」と刷り込まれており、私たちの行動や感情の表現を大きく制限している。

例えば、駅員さんに怒鳴り散らす人や、電車内で不機嫌に当たり散らす人を見かけたら、「イヤなやつだ」「あんな風にはなりたくない」と思うのではないだろうか。その感覚は無意識のうちに刷り込まれ、自分自身が怒りを感じたときも、「感情を表に出してはいけない」とブレーキをかけてしまうのだ。

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要約公開日 2025.07.24
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