イライラ、さよなら。の表紙

イライラ、さよなら。

―不機嫌から卒業するための48のポイント


本書の要点

  • 怒りとは、感情の反応にすぎない。「私が怒っている」のではなく、「私のなかで、怒りという反応が起きている」と意識を転換してみるといい。

  • 怒りの背景には、長年蓄積されてきた傷や抑圧してきた感情が隠れている。感情を相手にぶつける前に、自分の内面にある「本当の原因」を探すようにしよう。

  • 心のエネルギーが解放されるとき、「怒り」として表に出ることがある。そんなときは無理に抑え込まずに、その感情を受け入れよう。

  • 「心の解放ワーク」を行うと怒りがリリースされ、「本当の望み」が鮮明になる。

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「怒り」の構造

怒りは、あなたそのものではない

何かをきっかけに、「怒り」が湧き上がることがある。「自分は怒っている」と思うかもしれないが、実はそうではない。なぜなら、「怒り」は感情の反応であり、怒り自体があなたの本質ではないからだ。つまり、「私が怒っている」のではなく、「私のなかで、怒りという反応が起きている」と捉えることができる。この意識の転換ができると、怒りに振りまわされないようになるだろう。もし「怒ってしまった」としても、必要以上に自分を責めてはいけない。「いま、自分のなかで怒りの反応が起きている」と、認識することが重要だ。「怒り」はあなたそのものではなく、一部でさえない。ただの吹き抜ける風のようなものだと捉えると、驚くほど心が軽くなるだろう。

怒りの「本当の原因」は何か?

takasuu/gettyimages

職場で何度も理不尽な扱いをされたり、家族にわかってもらえない状態が続いたり。そんなときに「ひどいことをされた」と感じるできごとがあると、それが引き金となって怒りが爆発することがある。実はその怒りの背景には、長年蓄積されてきた傷や、抑圧してきた感情が隠れていることが多い。怒りを感じたら、感情を相手にぶつける前に「本当の原因は何か?」と、一瞬でも自分の内側を見つめることが大切だ。すぐに解決できることではないかもしれないが、「距離を置いて、見つめる」こと。そうすると、いまの自分を解放することができるだろう。

怒りを感じるのは自然なこと

怒ることは「みっともない」「大人げない」ことで、感情を表に出すことは恥ずかしいとされる風潮がある。とくに日本では「怒りを表に出すべきではない」と刷り込まれており、私たちの行動や感情の表現を大きく制限している。例えば、駅員さんに怒鳴り散らす人や、電車内で不機嫌に当たり散らす人を見かけたら、「イヤなやつだ」「あんな風にはなりたくない」と思うのではないだろうか。その感覚は無意識のうちに刷り込まれ、自分自身が怒りを感じたときも、「感情を表に出してはいけない」とブレーキをかけてしまうのだ。

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要約公開日 2025.07.24
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