初対面では、「相手に失礼がないように」と必要以上に言葉が丁寧になりがちである。だが、リスペクトを込めたつもりの言葉づかいが、かえって相手との距離を生んでしまうことがある。
では、どうすればよいか。ポイントはふたつある。
ひとつめは、「丁寧語を使いながらも、しっかり相手に近づく質問をする」ことだ。たとえば、あなたが営業パーソンで、目の前にエネルギーに満ちた社長がいるとする。そこで「忙しそうだけど、身体を鍛えたりしているのだろうか」と感じたなら、「ハードなスケジュールをこなされているので、体力も必要かと思いますが、休日に運動をされていますか?」と聞いてみる。「相手について聞く」「知りたい気持ちを示す」ことが、関係を深めるきっかけになるのだ。
ふたつめは、「『くだけた表現』をまぜて親しみを伝える」ことだ。たとえば、相手に何かをほめられたとき、「わあ、うれしい」と素直な感情を口にし、そのあとに「励みになります」と丁寧に添えてみよう。率直な感情表現が、相手との距離を縮めてくれるだろう。
自分の「好き」を伝えたり、相手の「好き」に関心を持ったりすることは、相手との関係を深めるきっかけになる。
たとえば、相手が「バターチキンカレーが好き」と言ったら、「どこで食べたのか」といった記憶をたどる質問をしてみるといい。料理の好みをきっかけに、ライフスタイルや価値観、こだわりまで見えてくることがある。
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