すごいフィードバック~心が動き、行動が変わる!
すごいフィードバック~心が動き、行動が変わる!
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すごいフィードバック~心が動き、行動が変わる!
出版社
かんき出版

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出版日
2025年06月09日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

ビジネスシーンで頻繁に使われるようになった「フィードバック」という言葉。上司から部下へ、製品やサービスについて取引先へ。企業に勤める方であれば日常的に耳にする機会も多いだろう。

しかし、そもそもフィードバックとは何なのか? そして、“良いフィードバック”とは、どのようなものなのだろうか?

本書では、フィードバックを「相手へのギフト」と位置づけている。適切なフィードバックは相手の成長を促し、課題を乗り越えるための勇気づけになる。そして、新たな視点の獲得にもつながる。つまり、「相手のための声がけ」とも言える。

難しいのは、ネガティブなフィードバックを伝える場面だ。注意しても同じミスを繰り返す部下に、どう伝えれば理解してもらい、改善を促せるのだろうか。また最近は、年上の部下を持つマネジャーも増えている。相手のプライドを傷つけずに伝える方法にも工夫が必要だ。

さらに、フィードバックは「上司から部下」だけに限らない。部下が上司に対して意見や思いを伝えることも、大切なフィードバックのひとつである。

著者は、日本アンガーマネジメント協会の代表理事であり、アサーティブ・コミュニケーションやアドラー心理学にも精通した戸田久実氏。本書では豊富な知識と経験をもとに、具体的なケーススタディが数多く紹介されており、実用性の高い内容となっている。フィードバックをより良いものにしたいと考えるすべての人に、おすすめしたい一冊だ。

ライター画像
矢羽野晶子

著者

戸田久実(とだ くみ)
アドット・コミュニケーション株式会社代表取締役、一般社団法人日本アンガーマネジメント協会代表理事。
立教大学文学部卒業後、株式会社服部セイコー(現 セイコーグループ株式会社)にて営業職に就く。その後、音楽業界の企業にて社長秘書を経験。2008年、アドット・コミュニケーション株式会社を設立。2015年、一般社団法人日本アンガーマネジメント協会の理事に就任、2024年より代表理事を務め、協会運営とアンガーマネジメントの普及に尽力している。
銀行、製薬会社、総合商社、通信会社などの大手民間企業や官公庁で講演、研修講師として活躍。受講者は新入社員から管理職までと幅広い。講師歴30年以上、登壇数は4500回を超え、指導人数は25万人に及ぶ。
おもな著書に、『アンガーマネジメント』『アサーティブ・コミュニケーション』『アクティブ・リスニング』(日経文庫)、『イラスト&図解 コミュニケーション大百科』『アンガーマネジメント怒らない伝え方』『アドラー流たった1分で伝わる言い方』(かんき出版)、『働く女の品格』(毎日新聞出版)など多数。中国、韓国、タイ、台湾でも翻訳出版され、累計25万部を超える。

本書の要点

  • 要点
    1
    フィードバックとは「相手へのギフト」である。フィードバックは相手の成長を促進し、新たな視点を提供する効果を与える。
  • 要点
    2
    フィードバックをする際は「主役は相手」「相手と対等に向き合う」「素直に伝える」「自分の考えを俯瞰する」「自らもフィードバックのよき受け手になる」の5つを心に留めておこう。
  • 要点
    3
    フィードバックのポイントは「禁止形ではなくリクエストとして伝える」「事実と主観を切り分けて伝える」「結果だけでなくプロセスにも目を向ける」「ほかの人と比較しない」などがある。

要約

フィードバックの基本

フィードバックは「相手へのギフト」

フィードバックとは「相手へのギフト」である。フィードバックを受けると「個人やチームの成長につながる」「課題を乗り越える勇気づけになる」「気づかなかった視点、学びを提供できる」といった効果が得られる。

一方で、ネガティブなフィードバックに対して良くない印象を抱く人もいるだろう。伝える側は覚悟がいるし、受ける側は恥ずかしさを感じるかもしれない。

しかし、だからこそ、ネガティブフィードバックには素直に耳を傾けたいものだ。ネガティブなフィードバックを拒否してしまうと、そのうち誰も適切な指摘をしてくれなくなる。「この人には何を言っても仕方がない」とさじを投げられてしまうのは、一番避けたいことではないだろうか。

どんなフィードバックもギフト。そう捉えて、素直に受け取るようにしたい。

フィードバックの心構え
courtneyk/gettyimages

フィードバックをする際の心構えは、次の5つである。

(1)主役は相手

フィードバックは相手の成長をうながし、可能性を広げる機会となるべきだ。主役はあくまで「相手」。「理解しやすさ」「受け取りやすさ」「実行しやすさ」を踏まえて伝えるようにしよう。

(2)相手と対等に向き合う

相手とどのような関係性にあっても、常に対等に向き合うことが大切だ。見下したり、必要以上にへりくだっては、対等な関係は築けない。

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要約公開日 2025.08.21
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