1967年、医師のウェンバーグは、バーモント州の「地域医療計画(RMP)」に職を得た。RMPは連邦政府が出資した取り組みだ。ウェンバーグは州内の医療サービスの質を把握し、誰もが同レベルのケアを受けられる状態をめざした。
バーモント州内には13の医療地区が存在する。地区ごとにどれだけの資金が使われているかを調査すると、無視できない支出の差があった。たとえば、痔核を除去する手術は、ある地区では別の地区の5倍行われていた。しかも、地域の貧しさといった理由ではなく、なんの脈絡もないのである。ウェンバーグはこうした発見を「狭域差異」と名づけ、アメリカ中でそのエビデンスを確認した。
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