休養ベスト100
休養ベスト100
科学的根拠に基づく戦略的に休むスキル
休養ベスト100
出版社
出版日
2025年06月16日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

「最近なんだか疲れやすい」「しっかり寝たはずなのに、朝からだるい」――そんな感覚に心当たりのある人は多いだろう。もしかしたら、休んでいるつもりでも、実際には休養の質が伴っていないのかもしれない。

本書は、科学的根拠に基づく正しい休み方を100のトピックに分けて紹介する本だ。今すぐ試せるシンプルな方法から、習慣として取り入れたい生活改善のヒントまで、日常に応用しやすい知識が豊富に収められている。ストレッチ、入浴、朝散歩、腸活、リズム運動――よく知られた健康習慣の数々について、それらがなぜ効果的なのかを丁寧に解説している点が特徴だ。

著者の加藤浩晃氏は、眼科専門医として1500件以上の手術を執刀し、白内障手術器具や遠隔医療サービスを開発。厚生労働省医政局での勤務を経て、AI医療機器開発企業を共同創業し、現在は取締役副社長兼最高戦略責任者を務める。一橋ビジネススクールでMBAを取得するなど、医療・制度・ビジネスを横断的に経験し、複数の企業で顧問・アドバイザーとして活躍している。

本書は、慢性的な疲労に悩むビジネスパーソンや、自分の休み方を見直したい人にすすめたい一冊である。読むことで、心と体をラクにするコツが少しずつ身についていく。毎日のちょっとした習慣を変えるだけで、気づけば疲れにくくなっている――そんな変化を感じられるはずだ。

著者

加藤浩晃(かとう ひろあき)
デジタルハリウッド大学大学院 特任教授
東京科学大学医学部臨床教授
アイリス株式会社共同創業者・取締役副社長CSO
2007年、浜松医科大学卒業。眼科専門医として1500件以上の手術を執刀し、白内障手術器具や眼科遠隔医療サービスを開発。2016年、厚生労働省医政局研究開発振興課に勤務。2017年、AI医療機器開発企業であるアイリス株式会社を共同創業し、取締役副社長兼CSO(最高戦略責任者)に就任。2021年、一橋ビジネススクールにてMBA取得。医療現場、医療制度、ビジネスという3つの領域を経験し、横断的に理解することで医療領域全般の新規事業開発支援を行う。大企業やベンチャーの顧問・アドバイザー・取締役も務める。著書に『医療4.0』『医療4.0実践編』(いずれも日経BP)、編著に『医療×起業』『デジタルヘルストレンド』(いずれもメディカ出版)など多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    腸内環境は脳の働きや睡眠の質、メンタルの安定に深く関わり、全身の健康にも影響する。腸内環境を整えるには、発酵食品や食物繊維、乳酸菌などを積極的に取り入れるのが効果的だ。
  • 要点
    2
    「休養=安静」と思われがちだが、軽い運動を取り入れることで休養の質は高まる。有酸素運動や軽めの筋トレを週2~3回続けることで、ミトコンドリアが増え、疲れにくい体がつくられる。
  • 要点
    3
    朝の散歩はセロトニンの分泌を促し、覚醒をスムーズにするだけでなく、睡眠の質向上にもつながる。日常的に太陽光を浴びることが、心身の健康維持に欠かせない。

要約

ぐっすり眠りたい

眠れないときはベッドから出る

なかなか眠れないときは、いったんベッドから離れ、照明を落とした別の場所で静かに過ごし、眠気が訪れるのを待つのが効果的である。

ベッドの上でスマホを見たり、本を読んだり、テレビをつけたりすると、脳は「ベッドは睡眠以外にも使う場所」と認識してしまう。その結果、横になっても、体が眠る準備を始めにくくなるのだ。

ベッドでは睡眠以外の行動を避けるようにすれば、脳での「ベッド=睡眠」という結びつきが強まり、ベッドに横になるだけで自然と眠気がやってくるだろう。

ぬるめのお風呂に入る
Stossi mammot/gettyimages

快眠のためには、就寝の90分前に39~40℃の湯に15分ほど浸かることが推奨されている。

カギとなるのは、体の中心部の温度である「深部体温」だ。入浴によって一時的に深部体温を上げておくと、その後の低下幅が大きくなり、眠気が訪れやすくなる。

ここで理解しておきたいのが「自律神経」の働きである。自律神経とは、呼吸・消化・心拍・体温などを無意識に調整する神経系で、「交感神経」と「副交感神経」の2つがある。交感神経は日中の活動を支え、興奮や緊張をもたらす。一方、副交感神経は夜間に心身を休息へと導き、リラックス状態をつくる役割を担う。

快適に眠りにつくには、副交感神経が優位になることが不可欠だ。だが、熱い風呂に入ると交感神経が刺激され、眠気が遠のいてしまう。

熱めの風呂が好みなら、就寝90分前ではなく、もっと早い時間帯に42℃程度の湯に短時間だけ浸かるのが望ましい。あるいは、平日はぬるめの湯で快眠を優先し、休日に温泉や銭湯で熱い湯を楽しむといった使い分けをするとよい。

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要約公開日 2025.09.01
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