なかなか眠れないときは、いったんベッドから離れ、照明を落とした別の場所で静かに過ごし、眠気が訪れるのを待つのが効果的である。
ベッドの上でスマホを見たり、本を読んだり、テレビをつけたりすると、脳は「ベッドは睡眠以外にも使う場所」と認識してしまう。その結果、横になっても、体が眠る準備を始めにくくなるのだ。
ベッドでは睡眠以外の行動を避けるようにすれば、脳での「ベッド=睡眠」という結びつきが強まり、ベッドに横になるだけで自然と眠気がやってくるだろう。
快眠のためには、就寝の90分前に39~40℃の湯に15分ほど浸かることが推奨されている。
カギとなるのは、体の中心部の温度である「深部体温」だ。入浴によって一時的に深部体温を上げておくと、その後の低下幅が大きくなり、眠気が訪れやすくなる。
ここで理解しておきたいのが「自律神経」の働きである。自律神経とは、呼吸・消化・心拍・体温などを無意識に調整する神経系で、「交感神経」と「副交感神経」の2つがある。交感神経は日中の活動を支え、興奮や緊張をもたらす。一方、副交感神経は夜間に心身を休息へと導き、リラックス状態をつくる役割を担う。
快適に眠りにつくには、副交感神経が優位になることが不可欠だ。だが、熱い風呂に入ると交感神経が刺激され、眠気が遠のいてしまう。
熱めの風呂が好みなら、就寝90分前ではなく、もっと早い時間帯に42℃程度の湯に短時間だけ浸かるのが望ましい。あるいは、平日はぬるめの湯で快眠を優先し、休日に温泉や銭湯で熱い湯を楽しむといった使い分けをするとよい。
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