応募者数が減っていて、そもそも目標数にも届かない。採用担当が「この人は合いそうだ」と採用しても、内定辞退されてしまう――。採用に関する悩みの原因は、採用活動で“見ているもの”のズレによって生じる。
採用活動とは「人を見る」仕事であり、その見え方は自分が見ている基準や視点によって大きく変わってくる。たとえば、「学歴・スキル・印象」といったスペック中心の視点で見ていると、「優秀そう」「感じがよい」といった見えやすい要素ばかりに目が行きがちだ。だが本当に必要なのは、求職者のスタイルが自社の働き方と“合っているか”という視点である。
ここでいうスタイルとは、「価値観」を指す。その人が「何を大切にしているか」はもちろん、「それをどう実現しようとしているか」までを含んだ、その人の「働き方のベース」である。
一方、企業のスタイルとは何か。それは、その企業が何を大切にして、それをどのような行動や意思決定で実現しているのか――。いわば、「企業のあり方」である。
企業のスタイルと求職者のスタイルがどこまで重なり合うのか。それを見極めていくことが、これからの採用に求められる「スタイルマッチ」という考え方だ。
「スタイルマッチ」とは、「個人と企業の価値観が一致している状態」を指す。大事にしている価値観に基づいて、どのような判断や行動で体現しているかが、お互いに合致している状態だ。
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