本書の要点

  • 2000年代、インターネットの普及などにより、若者のラジオ離れが進みつつあった。

  • 2010年代前半、東日本大震災でその真価を発揮したことは、ラジオにとって大きな転機となった。

  • 2010年代後半、radikoとスマホの組み合わせにより、ラジオは再び若い世代との接点を広げ、復活への歩みを進めた。

  • SNSやradikoといった環境変化への迅速な対応と、コロナ禍という逆境の中で本質的価値を磨き上げたことにより、オールナイトニッポンをはじめとするラジオは今、全盛期を迎えている。

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ラジオの復活を告げた東京ドームの一日

16万人が共有した熱狂の瞬間

2024年2月18日、超満員の東京ドーム。「オードリーのオールナイトニッポン」放送15周年を記念するスペシャルイベントが、まさに幕を開けようとしていた。

会場に集結した5万3000人に加え、全国47都道府県の映画館200館でのライブビューイングに5万2000人、さらにオンライン配信で5万5000人が視聴。合計すると、実に16万人が同時にこの瞬間を共有したことになる。

わずか数年前まで、ラジオ番組のイベントといえば、100人ほどのリスナーを無料招待する公開収録が主流だった。その“常識”からすれば、アリーナ席1万2000円、最も手頃な「ステージ裏体感席」でも7500円という有料イベントを東京ドームで開催し、しかも16万人を動員するなど、誰も想像できなかっただろう。

かつてのラジオは荒れた土地のようなものだった。この20年、パーソナリティ、リスナー、スポンサー、スタッフが力を合わせて耕し続けた結果、ラジオは奇跡的な復活を果たしたのである。

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要約公開日 2025.09.06
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