子どもが本当に思っていることの表紙

子どもが本当に思っていること

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本書の要点

  • 子どもの不安をあおるような言葉でコントロールしようとすることは、一時的には効果があるが、長期的には悪影響をもたらしてしまう。

  • お母さんが笑顔でいると、子どもは「自分はここにいてもいいんだ」と安心することができる。

  • 受験に落ちても親が失敗だと思わなければ、子どもは希望を持つことができる。子どもが自信を失うような声かけは、決してすべきではない。

  • 子どもがただそこにいてくれるだけで幸せだということ。それを言葉にして伝えよう。

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子どもは安心したい

「さっきと言ってることがちがうんだけど」

子どもは大人の嘘に敏感だ。たとえば、お母さんに「遊びに行く前に、さっさと宿題をやってしまいなさい」と言われたから素早く終わらせたけど、あとになって「まちがいだらけじゃない! 適当にやるんじゃない!」と叱られた。また、「怒らないから正直に言ってごらん」という言葉を信じて友達をたたいてしまったことを打ち明けたら、ひどく怒られた――。このような、伝えたメッセージと実際の言動に矛盾がある状態を「ダブルバインド(二重拘束)」という。大人は無意識にやってしまいがちだが、子どもは敏感にその矛盾を感じとる。子どもはダブルバインドに直面すると、混乱して「自分はなにをやってもダメなのか」と感じるようになる。そのため、もし「早く宿題をしなさい」と言ったなら、まずは、早く宿題をすませたことを認めてあげなければならない。それをしないで別の要求をすると、子どもは心理的に混乱し、親に対して不信感を抱くようになる。親に嘘をついている自覚はないかもしれない。しかし、子どもが期待通りの行動をしなければ、矛盾する言動をとっていることがある。子どもは親をよく見ている。自身の言動に矛盾がないかを、振り返ってみてほしい。

「こんなふうだから、友だちができないの?」

FangXiaNuo/gettyimages

「悪い子は置いていくよ!」「○○しないと鬼が来るから」。子どもの不安をあおって、行動をコントロールしようとしていないだろうか。実際には、「置いていくこと」も「鬼が来ること」もない。だが、それを理解しているのは大人だけで、子どもにわかるわけはない。

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要約公開日 2025.10.11
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