休息する技術
働きすぎで休むのが下手な人のための
休息する技術
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休息する技術
出版社
出版日
2025年08月12日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

毎日忙しく働いてへとへと。休日は寝ているだけで終わってしまうのに、疲れが取れた気がしない——。そんな感覚に心当たりがある人は少なくないはずだ。多忙な現代人は仕事や家庭に追われながら、休むことにどこか罪悪感を感じている。そのためか、ほとんどの人は正しい休息法を知らないまま、疲労を重ねている。

本書は、そんな忙しすぎて休むのが下手な人に正しい休息法を提示するために、まず疲労の正体を明らかにする。疲労を「自律神経の疲れ」「心の疲れ」「体の疲れ」の3種類に分類し、それぞれに合った回復法を具体的に提示する。本書の魅力は、「疲れ」という漠然とした状態を、種類やサインで見定め、具体的な回復法を“選択”できることにある。チェックシートを使って疲れ度合いや種類を診断し、回復法を自分に合ったかたちにカスタマイズできるのが魅力的だ。

「休む」というと、つい「寝る」ことを考えてしまうが、本書を読むと、それだけでは不十分だということがよく分かる。近年耳にする機会が多くなった「アクティブレスト」の考えにのっとれば、疲れているときにこそ軽い運動が有効だ。本書で「アクティブレスト」として提案されているのは運動だけではない。「適度に体を動かす」ことが大事なのだから、運動が苦手な人は「趣味のイベントに参加する」「友人と食事に出かける」といったことをアクティブレストに含めていいというのだ。これなら運動が苦手な人でも取り入れやすい。毎日の疲れのループを断ち切る休息習慣を身につけたい人に本書をおすすめしたい。

ライター画像
池田友美

著者

菅原道仁(すがわら みちひと)
現役脳神経外科医。1970年生まれ。杏林大学医学部卒業後、クモ膜下出血や脳梗塞などの緊急脳疾患を専門として国立国際医療研究センターに勤務。2000年、救急から在宅まで一貫した医療を提供できる医療システムの構築を目指し、脳神経外科専門の八王子市・北原国際病院に勤務し、緊急対応に明け暮れる。2015年6月に菅原脳神経外科クリニック、2019年10月に菅原クリニック 東京脳ドックを開院。その診療経験をもとに「人生目標から考える医療」のスタイルを確立し、心や生き方までをサポートする医療を行う。脳のしくみについてのわかりやすい解説は好評で、テレビ出演多数。著書に『そのムダづかい、やめられます』(文響社)、『成功する人は心配性』(かんき出版)、『成功の食事法』(ポプラ社)、『すぐやる脳』『あの人を脳から消す技術』(サンマーク出版)、監修に『体の不調が消える自律神経の整え方』(太洋図書)、『1日3分! 脳と筋肉を同時に鍛えるにしかわ体操』(アスコム)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    疲れは「自律神経の疲れ」「心の疲れ」「体の疲れ」の3種類に分類することができる。自分の疲れの種類と度合いを見極め、それぞれに合った休息法を実践することが重要だ。
  • 要点
    2
    休息には「アクティブレスト」と「パッシブレスト」の2つのタイプがある。体を動かす機会が減り、脳を使う機会が格段に増えた現代人は、意識的にアクティブレストを取り入れるべきだ。
  • 要点
    3
    健康的に長生きしたいなら、日々の運動は必須だ。運動で基礎体力が上がれば、疲れにくく、回復しやすい体をつくることができる。

要約

疲れの正体

「休息する技術」で疲れない体に

仕事にプライベートに、やるべきことに追われる毎日。いつも疲れていて、それを解消できていないのだとしたら、それはあなたが「疲れの正体」を知らないせいだ。

「朝からダルい、重い」ループを解消するには、「休息する技術」を身につける必要がある。「休息=ダラダラすること」ではない。正しい休息とは、脳の疲れをとること。脳の容量が削られないように、「補充する/省エネする」を意識して生活サイクルを回すことが重要だ。「回復法」を知ることが「疲れない体」を手に入れる近道になる。

疲れの度合いや種類は人それぞれ。本書を参考に、自分に合った回復法を選んで、「自分カスタマイズ」して実践していこう。

疲れの種類
AnVr/gettyimages

疲れには、肉体的な疲れである「体の疲れ」と、精神的な疲れである「脳の疲れ」の2種類がある。体や脳を使いすぎたことによって「疲れた」と感じることが、疲れの正体だ。

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要約公開日 2025.10.07
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