「月曜の朝がつらい」がなくなる本
「月曜の朝がつらい」がなくなる本
「月曜の朝がつらい」がなくなる本
出版社
出版日
2025年09月05日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

仕事をしていれば一度くらい「月曜の朝がつらい」と思ったことがあるはずだ。週末は楽しく過ごしたけれど、日曜の夜ともなると「明日からまた仕事か……」と憂鬱な気持ちになってしまう。もしそんな気持ちを口にする人がいたら、「そういうものだよ」「誰にでもあることだよ」と軽く受け流してしまうかもしれない。それくらいに、「月曜の朝がつらい」はありふれている。ところが、本書は「月曜の朝がつらい」は体からのSOSかもしれないと警鐘を鳴らす。

本書の著者である森下克也氏は、心療内科医としてこれまでたくさんの患者さんと接してきた。そして実際、「月曜の朝がつらい」とつぶやいていた人が、その後精神状態を悪化させ、うつ病になってしまった例もあるという。「月曜の朝」は毎週、年に何度も、繰り返しやってくる。それなのに「月曜の朝がつらい」と毎週思うのであれば、それは生活に無理が来ているというサインなのかもしれない。

心身ともに快適な生活をおくるために本書が提案するのは、日常の“リズム”を見つめ直すための「リズムコントロール」だ。眠り・食事・生活サイクルという3つの柱から、生活を整える方法を具体的に紹介している。「月曜の朝」が毎週つらい、毎週全力疾走の生き方に疲れを感じているという方には、特に本書をおすすめしたい。「月曜の朝」のつらさを軽くすることを通して、より軽やかで快適な日々を過ごすためのヒントが手に入ることだろう。

ライター画像
池田友美

著者

森下克也(もりした かつや)
心療内科医、医学博士
1963年生まれ。久留米大学医学部卒業後、東京女子医科大学で8年間の脳外科医のキャリアを経て、米国へ留学。帰国後は浜松医科大学心療内科にて、全人的医療の提唱者である故・永田勝太郎先生に師事、漢方と心療内科の研鑽を積む。
浜松医科大学病院、浜松赤十字病院、豊橋光生会病院などを経て、2006年精神科漢方の専門施設としてもりしたクリニックを開業、現在に至る。約2万人の精神疾患や不定愁訴の患者を漢方で治療。
著書に、『決定版「軽症うつ」を治す』(角川SSC新書)、『うつ消し漢方』(方丈社)、『もしかして、適応障害?』(CEメディアハウス)他多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    仕事中は交感神経が、リラックスしているときは副交感神経が優位になる。多忙なビジネスパーソンこそ、この切り替えをうまく行い、リズムを整えることが重要だ。
  • 要点
    2
    食事の基本は「1日3食、食事に集中、間食は1回」だ。当たり前のようでいて、実践できる人は少ない。意識的に時間をコントロールして、食事の時間はしっかり確保しよう。
  • 要点
    3
    平日は「月・火」「水」「木・金」の3つに分けて捉えるといい。「月・火」は試運転、「水」は戦略的な“手抜き”の日にして、「木・金」はあと少しで週末だと考えて全力を出しきるようにすると、メリハリがつく。

要約

「月曜の朝」が快適になれば、仕事も人生もさらに楽しくなる

「リズムコントロール」で疲れをためずに快適に過ごす

昔から「サザエさん症候群」と言われるように、週末を楽しく過ごしても、日曜の夕暮れには「明日から仕事か」と憂鬱になり、気持ちが沈みがちになる。なかには本当に体調を崩し、欠勤してしまう人もいる。

なぜ月曜の朝はつらくなるのか。一言でいえば、忙しさにかまけてメリハリのない毎日を漠然と送っているからに他ならない。人間には日内リズムや週内リズムといったサイクルがあり、それらに従って生活していれば、心身に不調をきたすことはない。しかし、現代には生活リズムを乱す要因がたくさんある。生活リズムの乱れが慢性的に続くと、体は正確なリズムを刻むことができなくなり、いつも時差ぼけしているような状態になってしまう。

本書が提案するのは、日内リズムや週内リズムを意識した生活リズムを調整する「リズムコントロール」を行うことだ。リズムコントロールを行えば、月曜の朝が楽になるばかりか、日々の仕事のパフォーマンスや、週末の過ごし方にもいい影響がある。「睡眠」「食事」「生活サイクル」の3点から、人生を豊かにする方法を見ていこう。

睡眠 眠りを変えて疲れを取る

理想の睡眠時間は人それぞれ
PonyWang/gettyimages

「理想の睡眠時間は8時間」などと言われるが、この数字に根拠はない。睡眠時間には個人差があるので、「自分の睡眠時間」を知っておくことが大切だ。

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要約公開日 2025.10.20
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