相手の知りたいことを正しくつかみ、それを最初に伝えることが、説明上手への第一歩である。これはテレビのニュース番組を例にすると理解しやすい。
例えば、あなたが明日、東京から名古屋へ出張するとしよう。ところが大型台風が日本に接近中で、進路次第では新幹線が止まり、名古屋へ移動できないかもしれない。「今日中に移動したほうがいいだろうか」と不安を抱きつつテレビをつけたところ、「こんばんは。本日は秋を彩る梨の品評会のニュースからお届けします」とアナウンサーが微笑んでいたらどうだろう。「なぜ台風の情報を先に伝えてくれないのか」と思うに違いない。
説明もまったく同じである。自分が伝えたいことが、必ずしも相手の知りたいことだとは限らない。特にビジネスの場で「相手に行動を起こしてもらう」には、まず相手が求める情報を伝えることが不可欠である。
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