きちんと伝わる説明の「型」と「コツ」
きちんと伝わる説明の「型」と「コツ」
著者
NEW
きちんと伝わる説明の「型」と「コツ」
出版社
出版日
2025年08月20日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.0
応用性
4.0
要約全文を読むには
会員登録・ログインが必要です
本の購入はこちら
書籍情報を見る
本の購入はこちら
おすすめポイント

誰かに説明をするとき、「なぜか伝わらない」「一生懸命話しているのに相手の反応が薄い」と感じた経験は誰しもあるだろう。そんな悩みに対し、本書は実践的なアドバイスをくれる。

著者の阿部恵氏は、TBS系列中部日本放送のアナウンサーとして数々の番組に出演し、1万人以上にインタビューしてきた経験を持つ。TBS系列28局の中で最も優れたアナウンサーに与えられる「アノンシスト賞・最優秀賞」ほか、数々の賞を受賞するなど、その実力は折り紙付きだ。アナウンサー引退後は政策担当秘書として政財界で活動し、現在は経営者や弁護士などのトップリーダー6000人以上にスピーチ指導を行っている。

本書では、説明のプロである著者のノウハウが余すことなく明かされる。特徴の一つは、説明力を「相手目線」「準備力」「基本の型」「表現力」「要約力」「共感力」の6つの要素に分解して解説している点だ。要約ではそのうち、相手目線、準備力、基本の型、表現力を取り上げた。相手の知りたいことを把握して最初に伝える、相手に合わせた喩えを使う、「FABE法」でメリットを強調する……どのノウハウも机上の空論ではなく、具体的で再現可能なものばかりだ。

部下にわかりやすく指示を出したいマネジャー、上司に的確に報連相したいビジネスパーソン、成果を伸ばしたい営業パーソンにとって、本書は心強い味方となるだろう。ここで学んだテクニックを実践すれば、相手の反応が変わり、説明への不安は自信へと変わるはずだ。

著者

阿部恵(あべ めぐみ)
スピーチコンサルタント、元TBS系列中部日本放送アナウンサー、元国会議員政策担当秘書
神奈川県川崎市出身。中部日本放送(CBC)にアナウンサーとして入社。CBC「サンデードラゴンズ」キャスター、TBS「おはようクジラ」中継キャスター等を歴任。芸能・スポーツ界をはじめ、これまでインタビューした人の数は1万人以上。TBS系列28局の中で最も優れたアナウンサーに与えられる「アノンシスト賞・最優秀賞」ほか、数々の賞を受賞。その後、フリーアナウンサーとして活動したのち、出産を経て、キャリアチェンジ。国会議員政策担当秘書資格を取得し、政財界のトップリーダー、官僚らとやりとりしながら政策立案、国会質問原稿作成、選挙戦略策定等に従事。有権者にきちんと伝わる説明や話し方指導を行う。政治家や元総理夫人、上場企業の社長・役員、弁護士等のトップリーダーから企業研修まで、これまで6000人以上にスピーチ指導を実施。著書に『1日1トレで「声」も「話し方」も感動的に良くなる』(日本実業出版社)がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    相手の知りたいことを正しくつかみ、それを最初に伝えることが、説明上手への第一歩だ。特にビジネスの場で「相手に行動を起こしてもらう」には、まず相手が求める情報を伝えることが不可欠である。
  • 要点
    2
    「FABE法」と呼ばれる説明の型を使うと、相手のメリットを強調できる。
  • 要点
    3
    説明上手は、緩急を取り入れることで聞き手を引き込む。ポイントは、自分の説明を「強調したい箇所」と「さらりと述べる箇所」に分け、強調したい部分をゆっくり、やや大きな声で話すことだ。さらに、強調したい箇所に入る前に「間」を置くのもよい。

要約

相手目線で考える

相手の知りたいことから伝える

相手の知りたいことを正しくつかみ、それを最初に伝えることが、説明上手への第一歩である。これはテレビのニュース番組を例にすると理解しやすい。

例えば、あなたが明日、東京から名古屋へ出張するとしよう。ところが大型台風が日本に接近中で、進路次第では新幹線が止まり、名古屋へ移動できないかもしれない。「今日中に移動したほうがいいだろうか」と不安を抱きつつテレビをつけたところ、「こんばんは。本日は秋を彩る梨の品評会のニュースからお届けします」とアナウンサーが微笑んでいたらどうだろう。「なぜ台風の情報を先に伝えてくれないのか」と思うに違いない。

説明もまったく同じである。自分が伝えたいことが、必ずしも相手の知りたいことだとは限らない。特にビジネスの場で「相手に行動を起こしてもらう」には、まず相手が求める情報を伝えることが不可欠である。

もっと見る
この続きを見るには...
残り3667/4052文字

4,000冊以上の要約が楽しめる

要約公開日 2025.10.21
Copyright © 2025 Flier Inc. All rights reserved.
一緒に読まれている要約
小澤隆生 起業の地図
小澤隆生 起業の地図
北康利
「月曜の朝がつらい」がなくなる本
「月曜の朝がつらい」がなくなる本
森下克也
はじめる力
はじめる力
安野貴博
すぐ役に立つものはすぐ役に立たなくなる
すぐ役に立つものはすぐ役に立たなくなる
荒俣宏
やりきる意思決定
やりきる意思決定
中出昌哉
大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる
大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる
井堀利宏
とりあえずやってみる技術
とりあえずやってみる技術
堀田秀吾
子どもが本当に思っていること
子どもが本当に思っていること
精神科医さわ