


言語化力とは、「モヤモヤをつかむ力」「整理する力」「うまく伝える力」の3つの力の組み合わせで考えることができる。まずは言語化力につながるこれらの力がどんな力なのかを考えてみよう。
「モヤモヤをつかむ力」は、頭の中にある言葉になっていない考えをきちんと言葉にして具体化できる力だ。ただし、モヤモヤをただ言葉にしようとするだけで、言いたいことがまとまるわけではない。それを解消するのが、2つ目の力である「整理する力」だ。モノゴトに対するあなたの意見や思いはひとつではない。複数の意見や思いを同時に抱いていて、それを整理できないからこそ、「言いたいことがまとまらない」という状況が生まれるのだ。
ここまでの2つのプロセスで、言語化できない悩みの8割は解決する。最後の「うまく伝える力」は、相手にどう納得感を持ってもらえるかというダメ押しのようなものだ。
3つのプロセスに分けて、ひとつずつトレーニングをすれば、誰でも言語化力が身につくようになる。だが、本当に言語化力のある人は「何を言うか」と同時に「何を言わないか」もわかっているということは意識しておかなければならない。「何を言うか」は知性をもたらし、「何を言わないか」は品性をもたらす。言語化した思いをあえて伝えないことも、言語化力のひとつである。
言語化力を身につけるには、習慣化が何より大切だ。本書のドリルを活用し、ぜひ自分のペースでトレーニングを継続してほしい。
ここからは実際に言語化トレーニングを行ってみよう。まずは、頭の中の「モヤモヤをつかむ」トレーニングだ。
頭の中のモヤモヤを具体化するためには、「Why so?トレーニング」「So What?トレーニング」「5W1Hトレーニング」の3つがある。

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