決定版 アドラー心理学がマンガで3時間でマスターできる本
決定版 アドラー心理学がマンガで3時間でマスターできる本
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出版社
明日香出版社

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出版日
2025年03月15日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

フロイトとユングにならんで心理学の三大巨匠に数えられるアドラーは、現代でもビジネスパーソンから厚い信頼を得ている。それは、アドラーの心理学が実践的な問題解決を目指していたからこそだ。

本書は、アドラー心理学の核心をマンガを通じてわかりやすく紹介している。これまでアドラーの心理学に触れたことがない人にとっても、親しみやすく、手に取りやすい一冊だ。1項目が見開き2ページでコンパクトにまとめられ、左側のページはマンガにあてられている。まずはマンガをすべて読むだけでも、アドラーの考えについて理解を深めることができるだろう。アドラーの名前は聞いたことがあるが、実は本は読んだことがないという人も安心して読み進められる。

20世紀初頭に活躍したアドラーの言葉の中には、時代を感じる記述もあるが、その根幹にある教えには普遍性がある。人生の悩みのほとんどは人間関係であると考えたアドラーは、良好な関係のために「信頼」と「尊敬」を重んじ、上下関係のない対等な関係を目指していた。その大切さは、多くの人が共感するところだろう。

そして、問題解決のためのアドラーの教えは極めて実践的だ。「ほめるのではなく勇気づけること」「叱責ではなく注意をすること」など、具体的な状況に合わせたアドバイスは参考になる点が多そうだ。人間関係に悩む人に特におすすめしたい一冊だ。

ライター画像
池田友美

著者

吉田浩(よしだ ひろし)
童話作家、出版プロデューサー
1960年12月11日、新潟県六日町生まれ。法政大学卒。青山学院大学大学院卒。自ら執筆した童話、ビジネス書は約200冊。代表作は『日本村100人の仲間たち』(辰巳出版他)46万部。40年間で2700冊の本を制作。『低インシュリンダイエット』累計160万部、『動物キャラナビ』累計450万部など6冊のミリオンセラー。10万部超えのベストセラーは68冊。

岩井俊憲(いわい としのり)
1947年栃木県生まれ。早稲田大学卒。有限会社ヒューマン・ギルド代表取締役。アドラー心理学カウンセリング指導者。中小企業診断士。
外資系企業の管理職などを経て、1985年に有限会社ヒューマン・ギルドを設立。42年にわたって、アドラー心理学に基づいた研修、セミナー、講演などを行う。受講者は、経営者から管理職、ビジネスパーソン、医療関係者、教育関係者まで幅広く、24万人以上に及ぶ。
著書に13か国で翻訳・出版されている『マンガでやさしくわかるアドラー心理学』のシリーズ(日本能率協会マネジメントセンター)はじめ、『人生が大きく変わるアドラー心理学入門』(かんき出版)、『超訳アドラーの言葉』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など70冊近い。

本書の要点

  • 要点
    1
    アドラー心理学の基本は、どんな相手にも常に尊敬の念を持って接することだ。一人ひとりがかけがえのない存在であるのだと考えれば、誰が相手でも尊敬の念を持つことができる。
  • 要点
    2
    怒ったり泣いたりして相手を思い通りに動かそうとするのは子どものやることだ。大人になったら理性や話し合いで問題を解決すべきだ。
  • 要点
    3
    「人生の3つの課題」には「仕事の課題」「交友の課題」「愛の課題」の3つがある。これを解決する基本は、「他者の課題」には介入せず、自分がやるべき「自分の課題」に集中して取り組むことだ。

要約

【必読ポイント!】 人間関係がうまくいかないときは?

相手を信頼し、尊敬する

2023年のワールド・ベースボールクラシック(WBC)で日本を優勝に導いた栗山英樹監督は、「信じて、任せて、感謝する」態度が「理想の上司」だと話題になった。アドラーも、自分から信頼する人こそが信頼されると言っている。何の裏付けもなくても、裏切られる可能性があっても、無条件に相手のことを信じる。

信頼はけっして一方通行ではない。人は自分に真っすぐに期待を寄せてくれる人を簡単には裏切れない。だから、一度信頼で結ばれると、その可能性は簡単には切れないのだ。

アドラーは「尊敬」を大切にしているが、この意味は普通の「尊敬」とは異なる。アドラーは上下関係をよしとしていない。上司と部下であっても、相手を上にも下にも見ない「横の関係」で、相手と同じ対等な目線に立つ関係が重要だと考えている。だから、年齢やキャリアが上だから尊敬するといった考えもない。

アドラー心理学の基本は、どんな相手にも常に尊敬の念を持って接することだ。どんな相手にも共感し、深く理解してはじめて、尊敬の念が生まれてくる。相手を尊敬しているからこそ、信頼もできる。尊敬も信頼と同じく、相互に行うものだ。自分が敬意を持って接していれば、相手もそれに応えてくれる。一人ひとりがかけがえのない存在で、存在していること自体が尊い。そう思えば、誰が相手でも尊敬の念を持つことができる。

ほめるのではなく勇気づける
PixelCatchers/gettyimages

対等な関係を重視するアドラーは、「ほめることはよくないこと」としている。ほめるとは、上の者が下の者を評価するということだ。

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要約公開日 2025.10.24
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