【必読ポイント!】 人間関係がうまくいかないときは?
相手を信頼し、尊敬する
2023年のワールド・ベースボールクラシック(WBC)で日本を優勝に導いた栗山英樹監督は、「信じて、任せて、感謝する」態度が「理想の上司」だと話題になった。アドラーも、自分から信頼する人こそが信頼されると言っている。何の裏付けもなくても、裏切られる可能性があっても、無条件に相手のことを信じる。信頼はけっして一方通行ではない。人は自分に真っすぐに期待を寄せてくれる人を簡単には裏切れない。だから、一度信頼で結ばれると、その可能性は簡単には切れないのだ。アドラーは「尊敬」を大切にしているが、この意味は普通の「尊敬」とは異なる。アドラーは上下関係をよしとしていない。上司と部下であっても、相手を上にも下にも見ない「横の関係」で、相手と同じ対等な目線に立つ関係が重要だと考えている。だから、年齢やキャリアが上だから尊敬するといった考えもない。アドラー心理学の基本は、どんな相手にも常に尊敬の念を持って接することだ。どんな相手にも共感し、深く理解してはじめて、尊敬の念が生まれてくる。相手を尊敬しているからこそ、信頼もできる。尊敬も信頼と同じく、相互に行うものだ。自分が敬意を持って接していれば、相手もそれに応えてくれる。一人ひとりがかけがえのない存在で、存在していること自体が尊い。そう思えば、誰が相手でも尊敬の念を持つことができる。
ほめるのではなく勇気づける

対等な関係を重視するアドラーは、「ほめることはよくないこと」としている。ほめるとは、上の者が下の者を評価するということだ。


















